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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0481 ガンダルフ賢者の宴会

 宴会は一応席は決まっている物の、かなり自由な形式だった。

しかし俺たちの席は一際豪華で大きなテーブルで、しかも主賓であるガンダルフさんと一緒のテーブルだ!

来客の人たちは、俺たちに対してガンダルフ大賢者が下にも置かぬもてなし振りを見て驚いている。

何しろ、エレノアはともかく、俺たちは全員が若く、そして全員が「青き薔薇ブルア・ローゾ」の紺色と金の制服か、魔法学校の黒と銀の制服を着ている。

しかもケット・シーのペロンに至るまでだ!

これで注目を集めない訳がない。

あちこちから囁き声が聞こえる。


「あの集団は一体何なのだ?」

「ガンダルフ様と一緒に座っているとは?」

「しかも全員が若く、何かの紺色の制服や、魔法学校の制服を着ている・・・一体何者だ?」

「ガンダルフ様の弟子なのだろうか?」

「しかしエルフやケット・シーまでいるぞ?」


そして宴会が始まると、ガンダルフさんが俺たちの紹介を始める。


「御来場の紳士淑女の皆様!

 本日はお忙しい中、私の長寿を祝う宴会に集まっていただきありがとうございます!

早速ですが、ここで私は本日の特別なお客様を皆さんに御紹介したいと存じます。

それは「美しき我が師」そして「最愛の我が師」、エレノア・グリーンリーフ様でございます!

恐れ多くも我が師が私のような者の長寿を祝って、本日はこの宴会に参加を承知してくださいました!

グリーンリーフ様は私の魔法の師匠であるだけでなく、魔道士最高位であり、幻とも言われる「天賢者」の資格をお持ちの数少ない方にございます!

御存じない方も多いでしょうが、天賢者とはおよそあらゆる魔法を操り、この世界でもわずか数人しか存在しない、極めて稀有な存在でございます。

その数は余りにも少なく、皆様も実際に天賢者の資格を持つ方とお会いした事のある方はほとんどいらっしゃらないでしょう!

そしてもちろん単なる賢者である私ごとき者などとは比較にもなりません!

何しろ天賢者と賢者の差は天と地ほどもあるのです!

この方に弟子にしていただいたおかげで今日の私があって、どんなに感謝してもしきれないほどです!

ささ、グリーンリーフ師匠、どうか御挨拶をお願いいたします」


ガンダルフさんにそう言われてエレノアも仕方なく立ち上がる。

魔法照明によるスポットライトがエレノアに当たって照らす。

その姿は相変わらず絵になるほど美しい。

その神々しいまでの様子に、会場が水を打ったように静かになった所でエレノアが挨拶をする。


「ただいま御紹介にあずかりました、エレノア・グリーンリーフでございます。

皆様、本日は私の不肖の弟子、ガンダルフの祝いのために御集まり下さり、真にありがとうございます。

どうか我が弟子の長寿を祝い、この宴を御楽しみください」


そう言って気品高く頭を下げると、優雅に着席する。

そのエレノアの挨拶に「おお~っ」という歓声が上がる。

あちこちで来客たちが囁きあう。


「なんと言う美しい・・・」

「ガンダルフ賢者の師匠が、あのように美しいエルフの方だったとは・・・」

「私もガンダルフ賢者が御高齢なので、その師はもはや亡くなっていると思い込んでおりましたが・・・」

「しかも天賢者とは・・・さすがですな!」

「私、天賢者という方を拝見したのは初めてですわ!」

「私など、「天賢者」という言葉すら存じませんでしたわ」

「ええ、私も魔道士の最高位は「賢者」だと思ってましたわ」

「むむ・・・そのような称号があろうとは・・・」

「しかも二百年以上も前からガンダルフ氏はその事を存じていて、天賢者であるあの方に弟子入りした訳ですな?」

「ええ、そのような方に弟子入りなさるとは、さすがガンダルフ様です!」

「私、「我が闘争」を何度も読みましたのよ!

そして「美しき我が師」という方が、どのような方なのか想像をしておりましたの!

でも私の想像よりも遥かに美しい方でしたわ!」

「ええ、私もガンダルフ様の御師匠様と御会いできるなんて!

しかもその方が「天賢者」などという世界に数人しかいらっしゃらない御方ですなんて!

今夜のこの宴に参加させていただいて大正解でしたわ!」

「ええ、明日からこれを自慢の種に出来ますわ!」


うん、来客の評判もすこぶるいい。

さすがはエレノアだ!

しかしある程度予想はしていたけど、完全にエレノアは良い広告塔にされているな~


次にガンダルフさんが俺たちの紹介をする。


「そして同じテーブルにいらっしゃるのは私と同じく、グリーンリーフ先生の御弟子の皆様です!

つまり今回の私のテーブルは師弟水入らずという訳にございます!

特にシノブ・ホウジョウ様、フレイジオ・ノーベル様、アンジュ・サフィール様の御三方は、まだ年若いにも関わらず、我が師であるグリーンリーフ先生と同じく、まもなく天賢者の資格を取る予定でもあり、当然賢者の私よりも格上であります!

つまり私の弟弟子、妹弟子とは言え、しがない賢者の私などよりも遥かに上の存在でございます!

どうか来場の皆様、お見知りおきを!」


ここでまた「おお~っ」という声が上がる。

続けてガンダルフさんは俺の説明をする。


「そして中でもシノブ・ホウジョウ様は、かの金剛杉の大森林を開拓した功績により、先ごろ子爵位を賜り、その才能、功績は、私などと比べようもございません!

しかもあろうことか、天賢者である我が師が自らわざわざ奴隷となって仕えるほどの御方!

御覧の通り、まだ御若い方ではございますが、それだけにこれからの将来、どれほど成長なさるか想像もつかないほどの御方でございます!

まさに私の自慢の弟弟子でございます!」


ここでまたもや「おお~っ」と言う声が上がる。


「またアンジュ様は魔法一発で、かの金剛杉の大森林に大穴を開けるほどの実力の持ち主!

フレイジオ様もその御二人に匹敵するほどのお方!

御三方とも、とても私のような者が足元に及ぶ方々ではございません!」


そのガンダルフさんの説明で宴会の招待客たちが大きくざわめく。

そして来客者たちがあちこちで囁きあう。


「さすがは大賢者ガンダルフ様ですな!」

「ええ、自分の弟弟子や妹弟子の才能を素直に認め、自分より格上扱いするとは器が大きい!」

「さすがは大賢者と言われるだけはありますな!」

「然り!中々出来る事ではありません」


うわ~この人、確かにエレノアの言う通りに自分を売り込むのうまいな~

しかもちゃんと約束どおり、エレノアや俺たちの事を持ち上げながら自分の株を上げまくっている!

それにしたって師匠であるエレノアはともかく、弟弟子の俺たちの事を持ち上げすぎじゃないのか?

これでは俺たちも文句の言いようもない!

そもそも会ったのも今日が初めてなのに、俺はもう自慢の弟弟子にされちゃったよ!

しかし嘘を言っている訳でもないしな?

これは確かに凄い人だ!


「ささ、ホウジョウ子爵様、御弟子の皆様を代表して、どうかご挨拶を!」


そう言いながらガンダルフさんは俺を立たせて自分と同じ壇上に引っ張り上げる。

ここまで御膳立てされてはどうしようもない。

俺はエレノア同様、仕方なく来客に向かって挨拶をする。

今度は壇上の俺とガンダルフさんの二人にスポットライトが当たり、来客たちの視線はいやでも俺たちに集中する。


「ただいま御紹介にあずかりました、シノブ・ホウジョウです。

子爵になり、天賢者予定と言っても、御覧の通りの若輩者で、兄弟子であるガンダルフ様にはとても及びません。

どうか、ここにいる皆様もガンダルフ様同様に我々も御引き立てください」


俺の挨拶に来客たちも拍手の嵐だ。

うん、無難に挨拶は終えたな?

俺が挨拶を終わり、席に戻ろうとするが、ガンダルフさんがその俺の腕をグイッ!と引っ張って「まあまあ、もう少しお付き合いください」と言って引き止める。

そしてガンダルフさんは俺の肩を抱いて、いかにも兄弟弟子同士が仲の良い事を来客たちに強調する。

片手で俺の肩を抱き、もう片方の手を大きく振って、笑顔で観客たちに大宣伝だ!

その間、もちろん来客たちは大拍手の嵐で派手に盛り上がって大騒ぎだ!

21世紀日本なら、さぞかしカメラのフラッシュが光った事だろう。

そしてガンダルフさんは最後に来客たちに対して、これ見よがしに俺と力強く握手をして見せると、ようやく俺を席に戻してくれる。

ふう~やれやれ・・・何だかこれだけでも凄く疲れたよ・・・

あれ?でも何かこの感覚って、既視感がある・・・なんだろう?

・・・ああ、これってアレだ。

どっかの自由惑星同盟軍の英雄ヤンが、大嫌いな国の最高評議会議長様トリューニヒトと、公衆の面前で仕方なくイヤイヤ握手した時な感じだ。

あの後で、その英雄様がその事を後悔して、思いっきり手を洗って嫌がっていた奴だ!

ガンダルフさんはあの最高評議会議長様のようにいやな奴ではないが、何か似た雰囲気はある。

エレノアがガンダルフさんは名前を売るのがうまいって言ってたのはこういう事か?

なるほど、エレノアがガンダルフさんに自分が師匠である事を言うのを基本的に禁じているのが良くわかった。

こんな茶番に毎度付き合わせられてはたまったもんではない!

今回のエレノアと俺は、ガンダルフさんの名前を売るための良い小道具だ。

しかし俺たちの事を格上として持ち上げているので文句の言い様もない。

全く、見事な物だ!

エレノアがあんまりガンダルフさんに関わりたくない気持ちもよくわかった。

きっと今回は今後の事を考えて、嫌だったけど、俺たちの顔通しのためにわざわざ許可したんだろうなぁ・・

確かに貴族になったからには、こういう事にも慣れておかなきゃならないだろうしね?

俺たちに場数を踏ませて、経験を積ませるために了承したのに違いない。

それには良い機会だと思ったのだろう。

それをガンダルフさんもわかっていたから、多少強引にエレノアに迫って、ここぞとばかりに師匠公表の許可を得たんだろうなあ・・・

きっとガンダルフさんにとっても、エレノアを自慢できる千載一遇の機会だったんだろう。

まあ、俺も弟子の一人としてその気持ちはわかるけどね?

そしてガンダルフさんがさらに演説を続ける。


「このように天賢者級の方々が集まる機会など、数年、いえ数十年に一度あるかないかの滅多にない事と言えましょう。

そういった意味でも、今宵の私の長寿を祝う宴は非常に貴重な物となりましょう。

今宵ここに集まった皆様は、その貴重な機会に恵まれた大変幸運な方々と言えます。

どうかその事を胸に収めて今宵はこの宴をお楽しみください!」


うわ~っ!

これは完全に俺たちは客寄せパンダだよ!

しかしガンダルフさんのその説明に、来場の観客たちは大喝采だ!

中には感激のあまり、涙を流している人さえいる!

きっとその貴重な機会とやらに感動しているんだろうなあ・・・


こうして来場者たちの大興奮のなかで宴会は始まった。


いよいよ明日には旧作に追いつく予定です!

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