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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0468 独立か?従属か?

 俺の質問に3人は顔を見合わせて答える。


「まあ、それは正直言ってアムダール帝国じゃろうな」

「そうじゃな」

「うむ」


答えはわかっていたが、やはり三人の答えは一致した。


「やっぱり?」

「うむ、我々が属する国だからという訳ではなく、公平にみてそうじゃろう」

「そうじゃな」

「このアースフィア中、もっとも大きな国で政治も財政も安定しておる。

それにシノブの土地は少々飛び地ではあるが、アムダール帝国にほぼ隣接している。

アムダール帝国の一部となれば、他の国も手出しはしにくいであろうし、他にも利点は多い」

「利点って?」

「うむ、例えば御主の知り合いのほとんどはこの帝国の者じゃろう?」

「そうだね」

「しかも余を初めとした貴族や有力者も多い」

「うん」


確かに俺の知り合いのほとんどはアムダール帝国の人間だ。

このロナバールに始まって、マジェストン、メディシナー、ノーザンシティと全て帝国の一部だ。

他の国の知り合いはほとんどいない。

せいぜい窮理部の先輩のフェルマーやスチュー、それにハーベイ村くらいだ。

後は魔人の里か?


「そうとなれば、何かあった時にわしらもシノブを助け易いしの」

「ああ、他の国では、助けるにしても色々と動きにくいしのう」

「そうだねぇ・・・」

「領主として申告するにしても、他の国ならば色々と面倒な人間関係もあるじゃろうが、そういった物はシノブもわずらわしいじゃろう?」

「うん、出来れば勘弁して欲しいな」

「おまけに見も知らぬ者が突然国に領地の申告をしてくれば疑われる事間違いなしじゃ。

じゃが帝国ならば余が陛下に奏上すれば、そういった面倒な事はほぼ問題なく申告する事が出来るじゃろう。

憚りながら余にはその程度の力はあるつもりじゃからな」

「うん、頼りにしているよ」

「それに一番の利点はアムダール帝国から攻められなくなる事じゃ」

「!」


やはりそこか?

俺もそれはわかっていたが、あまり口に出したくはなかった。

しかし政治や国の事情というのはきれいごとではすまないのもわかっている。


「シノブもわかっていようが、シノブの土地から一番近いのは我がアムダール帝国じゃ。

そんな場所に新たなる町が出来れば、余は立場上、陛下に報告をせねばならないし、仮に余が黙っていたとしても、気付いた誰かが陛下に報告をするじゃろう。

それは止められるものではない」

「そうだね・・・」

「それを知った陛下は御主の土地を欲しがり、攻めようとするかも知れぬ。

もっとも陛下は英邁な方なので、いきなり攻めるなどという愚かな事はまず、すまいがな。

しかし例えば余に御主に対して服従するように命じる可能性は高い、

ましてや余と御主の関係を知れば尚更じゃ。

それでも余は陛下との仲は良好なので、その余が御主との交友を話し、そっとしておいて欲しいと頼めば陛下も何もしないでくれる可能性は高い。

しかし他の貴族はその限りではない。

御主の土地を知れば自分の領土とし、攻めようとする者はいくらでもおろうし、そこまでは陛下も止める事はできない。

何しろアムダール帝国と御主の所とは条約も何も結んでいないのだからな。

法的に見て御主の土地はいきなり出来た持ち主のない肥沃な生産地だ。

貴族どもは欲しがるに決まっておる。

必ずどこかの貴族が御主の土地を自分の物だと宣言をするであろう。

しからば陛下はそれを認めざるを得ない。

そしてそれが認められれば、そやつの軍隊が御主の土地を支配し、占領するために領軍を送るのは間違いない。

御主はそれと戦わなければならない事になる。

そうなればこれは御主とアムダール帝国との戦争となる訳じゃ。

だが、それは御主としても避けた方が良いじゃろう」

「そうだね・・・」


ミヒャエルの説明はわかりやすく、一々もっともだ。

そしてジーモンとガスパールもうなずいて話す。


「まあ、そういった理由で御主がどこかの国に身を寄せるのであれば、この帝国が一番という訳じゃ」

「それにはわしも賛成じゃな」

「そうだね。

それじゃうちでも一回みんなと検討してみるよ」

「そうじゃな、どうするか決まったら教えてくれ。

どう転んでも悪いようにはせぬぞ?」

「うん、ありがとう」


俺はロナバールの家に帰って、主だった者を集めて、話をした。

集めた者はエレノア、シルビア、アルフレッド、キンバリー、デフォード、ミルキィ、ミルファ、アンジュ、豪雷、疾風、影主えいじゅ飛鷲ひじゅう、ペロン、それにクレインとデイジーだ。

それにしてもうちの人員もずいぶんと多くなった物だ!

この屋敷にはじめて来た時は、まだ俺にはエレノアしかいなかった。

それがたったの2年ほどでこの人数だ!

これからの俺の長い人生で、どれほど俺の仲間は増えていくのだろうか?

さらに外部の意見として、エトワールさん、シャルル、ポリーナも参加している。


「そういった訳で、大アンジュと小アンジュを含めたうちの土地をどうするか決めたいんだ。

どこかの領地になるか?なるとすればどこの国が良いか?

それとも独立するか?それ以外の方法はあるのか?

みんなの意見を聞きたい」


その俺の質問にエレノア以下、全員が順番に意見を述べて行く。


「そうですね、私は現時点では帝国領にするのが最善の策だと考えます。

最大の国家である場所から攻められなくなる訳ですから」

「私もです」

「さようでございますな」

「私もその意見に賛成です」

「帝国の一部となれば、他の帝国の都市や町と同じ扱いになりますから、私もそれが良いと思います」

「そうね、そうすれば帝国領になる訳だから、うちの村みたいにどこかに攻められる事もなくなるわ」

「賛成です。

私の実家みたいに魔人の里とか名乗って、どこにもつかずふらふらしているより、よほど良いと思います」

「ま、それが一番無難な所だろうな」

「ボクはわからニャいので、御主人様の思った通りで良いと思いますニャ」

「食堂部門としても、独立国家になってしまうと、材料に対しての関税など面倒な問題が発生するのではないかと思います」

「そうですね。

それに独立国にした場合、店員たちをどこの国民にするかという問題も生じます」


どうやらほぼ全員一致で帝国領になるのに賛成のようだ。

それに誰の意見を聞いても帝国領になる方が独立するよりも困らないだろうという意見だ。

アイザックたちは特に意見はないようだ。


「エトワールさんとフレイジオやポリーナは何か意見はないかな?」

「ええ、私も帝国領になるのが良いと思うわ」

「僕もそれに賛成だね」

「私はよくわかりませんが、少なくとも独立国家となるのは大変だと思います」


外部の三人も、どうやら似た様な意見のようだ。


「わかった、では大アンジュと小アンジュを含めた土地は、帝国領の一部として登録をする事にする。

詳細はミヒャエルと相談して決めよう」


その俺にエレノアが補足をする。


「はい、但し、出来れば領地は自治領ドミニオンにした方がよろしいかと」

自治領ドミニオンに?」


自治領ドミニオンとは国家の中の国のような物だ。

アムダール帝国は一応一つの国ではあるが、いくつか帝国内でほぼ独立していて、事実上の国家扱いのような領地もある。

アムダール帝国で言えば、ロナバール、メディシナー、マジェストンなどがそれに当たる。

言うなればイギリス連邦のカナダやオーストラリア、ニュージーランドのような物だ。

ロナバールには市議会があって、有力貴族が数年毎に持ち回りで市長を務めて、合議制になっている。

その上に総督閣下たるミヒャエルがいて統括をしているのだ。

メディシナーはメディシナー一族が、マジェストンでは魔法協会がその任に当たっている。

そういった自治領ドミニオンが帝国内にはいくつかあって、そこは帝国内であるにも関わらず、ほぼ独立国扱いとなっている。


「ええ、そうなれば事実上の帝国内にある独立国家になりますから。

メディシナーやマジェストンと同じような扱いになります」

「そうですね、私も賛成です」


エレノアの意見にシルビアも賛成する。


「それはそうだけど・・・いきなりポッと出の町が、そんな事を認めてもらえるかな?」

「それに関しては私が交渉しますので大丈夫です。

おそらく自治領ドミニオンとして認めていただけるでしょう」


どうやらエレノアには何か考えがあるようなので、ここは任せよう。


「わかった。その件に関してはエレノアに任せるよ。

ではそれをミヒャエルに報告をするので、エレノア、シルビア、一緒に来てね」

「かしこまりました」

「はい」


こうして俺の土地は帝国領として申請する事になった。

翌日になって俺は豪雷と疾風の他にエレノアとシルビアを伴い、ミヒャエルを訪ねる事にした。


ついにあと2日で旧作に追いつく予定です!

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