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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0466 シノブ、アイザックを作る

 大アンジュが一区切り付くと、俺たちはマジェストンに戻って、俺とエレノアはそれぞれアイザックの仕上げにかかった。

以前から作業を進めていたアイザックをいよいよ完成させるのだ!

一応、現在は俺たちがいない時には二体のアメシスが大アンジュの街づくりの指揮をしている。

しかしやはりいくら汎用とはいえ、ジャベックでは心もとない。

そのための俺たちが不在の時に俺たちに代って町を造り、統制するための管理用アイザックを作る事になった。

いよいよ俺が初めて作るアイザックと言う訳だ。

そして一体では何かの時に危ないので、予備としてもう一体エレノアが作る事にした。

これは例の秘密基地でもそうで、あそこにもコンストラートの他にもう一体、コロネーロというアイザックがいるそうだ。


俺は以前からエレノアにどのようなアイザックを作るのか?と問われて考えていた。

正直最初は美人秘書型のお姉さんアイザックにも惹かれた。

昔の俺だったら間違いなくそういう者を作っていただろう。

しかし今の俺にはエレノアを初めとして、シルビアもいる、ミルキィもミルファもアンジュもいる。

信じられない事に、前世からあれほど望んでいた素敵なお姉さんが、今の俺には何人もいるのだ!

そのお姉さんたちに毎日のように甘えているのだ!

まさかこの世界に転生して、これほど早くこんなに俺のオネショタ趣味が叶うとは思ってもいなかった!

だから今のリア充の俺にはお姉さんアイザックは必要ない。

それに秘書やメイドのような者は、それ以外にもジャベックでもバルキリーやヒミコを初めとして色々といるし、いざとなればエルフィールやクレアスだっている。

もし人間が必要とあらば、今の俺ならば、場合によっては魔法食堂の方から人員を引っ張ってくる事も出来る。

昔の俺が聞いたら「リア充爆ぜろ!」と言われるだろうが、とにかく今の俺には必要ない。

むしろ最近の俺は自分が何人かいれば良いのにと感じた事が何回もある。

例の大実験以降になってからこっち、とにかく忙しいのだ!

何しろ学生なのだから学業が中心になる訳だが、大アンジュの町作りも忙しい。

食堂の経営の方も、全く何もしない訳ではない。

色々と経営者として、しなければならない事もあるのだ。

しかも大アンジュはマジェストンやロナバールからの距離が遠いだけに、移動の時間も馬鹿にならない。

もちろん、エレノアやシルビアたちが色々と代行してくれるが、何と言うか、もう少し俺っぽい者がいれば良いのにと思っていたのだ。

そう、例えるならパ○マンのコピーロボットのような存在だ。

それを以前から考えていた俺は、結局俺の代行のような感じでアイザックを作ろうと考えた。

可能な限り、俺と同じような行動をして、何かの時には俺の代わりも勤まるアイザックだ。

つまりエレノアに対するエルフィールのような存在だ。

そこで俺の初のアイザックはそういった物になった。

もっともエレノアに聞いた所、アイザックや汎用ジャベックは術者が自分の助手として働かせるために、自分を雛型にして作る事はよくある話だそうだ。

方針が決まったので、俺はエレノアに手伝ってもらってアイザックを作った。

もっとも御姉さん秘書型だろうが、自分の影武者だろうが、どちらにしても基本的な部分の作りは同じなので、ある程度はすでに作ってある。

さすがに日常で俺と全く区別がつかないのは困るので、エルフィール同様、通常は見分けがつくようにした。

見た目は俺にそっくりだが、髪は金髪で、瞳の色も青くした。

しかしエルフィールのように、何かの時には俺と同じ髪と瞳の色になり、影武者を務められるようにした。


そしていよいよそのアイザックの誕生の時が来た!

これは同時に特級の検定でもあるために、検定の確認としてマージェ学長自らが、検定認定者として来ている。

他にもうちの面々の他に、シンドラーさんにポルテやミランダなどの見学希望者がいた。

名前はあるじである俺の影なので、「影主エイジュ」とする事にした。

俺の目の前にある手術台のような魔法術台には、術式を書いた魔術書と動力源となる魔宝石、そして核となる俺の手が置かれている。

俺は長い詠唱を終わると、最後の起動呪文を唱える。


「よし、影主えいじゅ起動!」


俺の呪文と共に、術台の上にあった魔術書と魔宝石、そして核になる俺の手が光り、影主えいじゅが起動する。

そこには俺ソックリの金髪の少年が横たわっている。

成功だ!


「よし、お前の名前は影主えいじゅだ。

わかるか?」

「はい、大丈夫です。シノブ様」


そう言いながら影主えいじゅは半身を起こす。

そばにいたミルキィが半身を起こした影主えいじゅにとりあえず貫頭衣のような物を着せる。

うん、基本的に俺と同じ体の奴が全裸で衆人環視って、俺もいやだからね?

そんな変な趣味ないしさ。

こうして俺の副官兼影武者として影主えいじゅは完成した。

初アイザック完成にエレノアたちがお祝いを述べる。


「おめでとうございます。御主人様」

「アイザック完成、おめでとうございます」


そしてマージェ学長も祝ってくれる。


「おめでとう、ホウジョウ君、これで使役物体魔法特級検定合格よ」

「ありがとうございます、リビングストン学長」


続いてエレノアもアイザックを完成させた。


「起動!ヒジュウ!」


影主えいじゅの時と同じように術台が光り、そこに一人の男性型アイザックが誕生する。

影主えいじゅの時と同じく、ミルキィが貫頭衣を着せる。

名前は飛鷲ひじゅうで、見た目は厳しい中年男性軍人のような感じだ。

この名前は俺の好きな将棋の駒の名前から取った。

竜王が成った駒で、飛車や角よりも強い駒だ。

俺も前世では友人と中将棋を指す時によく使ったものだ。

あらゆる将棋の局面で活躍してくれるその駒と同じように、大アンジュで活躍してくれる事を願ってつけた名前だ。

起き上がった飛鷲ひじゅうが俺に挨拶をする。


飛鷲ひじゅうと申します。

よろしくお願いいたします」


そう言って挨拶する飛鷲ひじゅうは、まるで戦国武将のようだ!

う~む、渋い!

俺や影主えいじゅと並ぶと、どう見ても飛鷲ひじゅうが上司にしか見えない!

しばらくはこの二人は迷宮で訓練した後で、俺のそばで副官として学習をする事になる。

そしていずれは大アンジュと小アンジュを含めた俺の土地の管理をしてもらう事になる。

二人を見たキャロルがエレノアに質問をする。


「エレノア先生、今まで私が見た事のあるアイザックは全て人型ですが、アイザックという物は全て人型と決まっているのでしょうか?」

「いいえ、確かにほとんどのアイザックが人型ですが、別に人型である必要はありませんよ?

事実、私は人馬ケンタウロス型や、水中特化用の人魚マーメイド型のアイザックという物を見た事があります」

「なるほど、ではアイザックもジャベックやタロス同様、どんな形で作っても問題はないのですね?」

「ええ、基本的にはそうです。

しかし実際には、現実にあるアイザックは人型がほとんどです。

それは魔法協会の決めた「アイザック規定」という物があって、その規定に沿わないアイザックを作る事は魔法協会の魔道士には許されていないからです」


それを聞いたキャロルが驚いて質問をする。


「え?「アイザック規定」?それはどういう物なのですか?」

「それは「自分の意志で自由に移動が可能」で、「言語と文字の両方で人間と意思の疎通が可能」で、「手もしくはそれに準ずる物で物体の操作、扱いが可能」な物です。

この3つの定義にそぐわないアイザックを作る事は魔法協会では禁止されています。

何しろアイザックはジャベックやタロスと違って、自分の「意志」を持つ者ですからぞんざいに扱う事は許されません」

「なるほど、では逆に言えば、その3つを兼ね備えていれば、形態はどうでも良いのですね?」

「ええ、その通りです」


俺も影主えいじゅを作る時に、エレノアからこの「アイザック規定」というのを聞いた。

それを聞いた時に、俺は前世で読んだハインライン作の「ラモックス」という小説を思い出していた。

「ラモックス」は宇宙生命の様々な形態を考えたSF小説だが、その中で「白鳥座憲章」という物があって、それに俺は興味を惹かれたのだ。

「白鳥座憲章」というのは知的生命体である事の定義だ。

それは「言語及び操作可能な手を有する生命体は、特に反証がない限り、全て知的生命と認定される。したがって人間固有の権利は全て認められなければならない」という物だ。

俺はそれを子供の頃に読んだ当時、なるほどと思ったし、エレノアにこの「アイザック規定」というのを聞いた時にもそれに似ていると思った。

アイザックは確かに一種の知的生命体だ。

それを人間が創造するには万全の注意が必要だろう。

俺がそんな事を考えていると、そのエレノアとキャロルの話を聞いていたアンジュが何やらとんでもない事を口走る。


「では極端な話、立方体に耳と目と口と手足がついているような形態でも?」

「まあ、そうですが・・・」


アンジュの質問にエレノアも少々戸惑っている様子だ。

ふむ、アンジュは何かとんでもない形のアイザックを考えているのだろうか?

俺は一応釘を刺しておくことにした。


「とにかくアイザックはジャベックと違って自分の意志を持っているんだ。

アンジュも作った後で後悔するようなアイザックは作らないようにな?」

「ええ、もちろんです」


俺とアンジュの会話に少々心配したようにエレノアが話す。


「ごく少数ですが、魔法協会に属さない魔法使いで、この規定に従わないアイザックを作る者がいるとも聞いています。

御主人様やアンジュ、それにフレイジオもそのようなアイザックは作らないように注意してください」

「うん、大丈夫だよ」

「はい、もちろんです」

「私もです」


俺たちはエレノアの言葉にうなずいた。

どうやらアンジュもそれで納得はしたようだ。


無事にアイザックも完成したので、俺たちはしばらく影主えいじゅ飛鷲ひじゅうを迷宮へ連れて行って鍛えた。

そしてある程度レベルが上がると、大アンジュへ連れて行き、これからの事を教えて、街づくりの監督をさせる事となった。

監督をさせながら二人を1日交代でアメシスやオリオンたちと一緒に大森林へ行くように指示し、レベルを上げる作業も同時進行させる事にした。

農地の方もバッカンさんからもらった開拓ジャベックを中心に中々良い感じで進んでいる様子だ。

このまま開拓が進めば、来年の春には色々と種を撒き、様々な果樹なども植える事が出来るだろう。

そうなればいよいよ、かねてからの念願がかなって、各種の農作物が自給自足できるようになる!

米も小豆も大量に収穫する事が可能になれば、饅頭や米も食べ放題、ブリジットたちが開店当初から売りたがっているあんまんも売れるようになる!

それを考えると俺は嬉しくなって、ミヒャエルたちに報告したくなった。

ミヒャエルやジーモンたちには小豆の栽培を頼んでいるので、これからは自分の農地で出来ることを早く報告したかった!

しかしその報告によって、思わぬ方向に話が進む事になるとは、この時の俺はまだ知らなかったのだ!


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