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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0465 守護四石

 夏休みも終盤になってきた頃、当初の予定通り、バッカンさんがシャルルの視察を兼ねて大アンジュにやって来た。


「よう!シノブ!遊びに来たぞ!」

「御無沙汰しております、シノブ様」


俺はバッカンさんを歓迎する。

メイリンも一緒だ。


「バッカンさん、いらっしゃい!

メイリンもよく来たね!」

「実は土産に防衛ジャベックを作って持ってきたんだ。

だが、ここにはサイクロプスやサラマンダー級も出ると聞いてな。

そうなるとレベル300ほどは欲しい所だが、残念ながら俺自身のレベルが360程度なんでな。

そこまでのジャベックは作れん。

俺の作れる限界線はせいぜいレベル290辺りだ。

そこで俺なりに考えて対サイクロプスやサラマンダー用のレベル290のジャベックを4体ほど作ってみたよ。

四方位を守れるようにな。

これならサラマンダーにも勝てるはずだ。

もっとも逆に言えば本当に戦闘専用だ。

他の事にはほぼ使えないと思ってくれ。

一応、恥をかきたくはないんで、ここに来る前にサラマンダーを倒してきてみた。

4体全部だ。

だから間違いはない。

それと例の農地開拓ジャベックも四体ほど持ってきた。

これを全部シノブにやるよ」


そういって事も無げに8つのマギアグラーノを俺に渡す。

俺は驚いた。

単体でサラマンダーを確実に倒せるジャベックを4体もとは凄い!

うちでもそんな事が確実に可能なジャベックは、エルフィールとクレアス、ガルド、ラピーダだけだ。

レベル280もあるアメシスですら、単独でサラマンダー退治はギリギリだろう。

当然オリオンたちには無理な相手だ。

もちろんシャルルやエトワールさんでも、そこまでのジャベックは作れない。

さすがは伝説の名工と言った所か?

しかもこれから開拓をするのに開拓用ジャベックを四体ももらえるとは、これまたありがたい!

驚いた俺がバッカンさんに申し出る。


「え?そんなジャベックを四体も?

しかも農業開拓ジャベックまで?

それじゃその代金を払いますよ」

「な~に、頼まれてもいないのに、わしが気まぐれで勝手に作った奴だ。

代金はいらんよ」

「しかし、こんな凄いジャベックをいただいたのに・・・」

「そうだな・・・それじゃ代わりにお前さんが作ったジャベックをくれ。

それが代金の代わりだ」

「え?僕の作ったジャベックを?

だってボクはまだそんな凄いジャベックなんて作れませんよ?」


俺はバッカンさんよりもすでにレベルだけなら上だが、まだそんな大層なジャベックを作る事は出来ない。


「大丈夫だ!

シノブは色々とうまい物を作れるだろう?

ホレ、あのプリンとか、肉まんとか、羊羹とかな、うちに持ってきてくれるアレだ。

実はわしは毎回ありゃうまいんで楽しみにしているんだが、お前さんが来ないと食べられないからな。

一応、ロナバールに魔法食堂があるが、あそこはうちからはちいと遠いし、何よりお前さんが作るほど種類が多くはない。

だからお前さんが作れる料理を全部ジャベックに仕込んで、そのジャベックをわしにくれ。

お前さんのジャベックでも、エレノア師匠のジャベックでも何でも構わん。

とにかくお前さんの知っているうまそうな食べ物の作り方を全部仕込んで、そのジャベックをわしにくれ。

そうすればアレをいつでも食べられる。

あと、ここで農業もやるんだろう?

それもお前の菓子になる特殊な農作物の?

それが収穫出来たらその食材を届けてくれ。

わしはそれがいい。

実はそれが欲しくて農業開拓ジャベックを持ってきた訳でもある。

その料理ジャベック一体は、わしに取ってはこの8体に匹敵する」


なるほど、そう言う事か?

どうもミヒャエルたち同様、この人も甘い物には弱い様子だ。

買えばいくらするかもわからない、これほどの高性能な戦闘ジャベックを菓子で釣れるなら御の字だ。

俺はそれを快諾した。


「ええ、喜んで!」


そのジャベックを教育する間、バッカンさんにはしばらく滞在してもらう事にした。

バッカンさんからもらった四体のジャベックは東西南北の要として、4箇所に配置した。

名前は玄武、白虎、朱雀、青龍だ。

北を玄武、東を青龍、南を朱雀、西を白虎が守る。

この四体は全て戦闘用だったが、特に魔物用に特化していた。

各ジャベックは魔道士級の魔法を使う事が可能な上で、上級タロスを出す事が出来た。

しかも玄武は二級凍結魔法を放ち、青龍は二級雷撃魔法を、朱雀は二級火炎魔法を放った。

そして白虎は爆裂魔法を操る事が出来た。

これではさすがにサラマンダーもたまらない。

その戦闘能力に俺も唸った。


「これは凄いですね!」

「ああ、自分でも久しぶりに傑作を作ったと思っとるよ。

まあ、好きに使ってくれ」

「はい、ありがとうございます。

私はこれを大アンジュの守護四石しゅごよんせきと名づけて、守りの要にしようと思います」


この世界では高性能なジャベックには「石」をつけた名称をつけると聞いている。

俺はこの四体のジャベックに大アンジュの守りを任せるべく、名前をつけた。


「おう!もちろん構わないぜ?

守護四石しゅごよんせきか?中々いい名称じゃないか?

代わりにアレをよろしくな」

「任せてください。

ただ料理を仕込むのに少々日数がかかると思います」

「構わんよ。楽しみにしておる。

店の方はしばらく閉めてきた。

世話係にメイリンも連れて来たし、わしはしばらくここでのんびりさせてもらって、フレイジオの面倒でも見ているさ」

「はい」


そしてバッカンさんはシャルルの作った防衛ジャベックを見てうなずいていた。

さらにエトワールさんの防衛ジャベックを見て驚いたようだ。


「こりゃまた珍しいジャベックだな?

だが、筋は悪くないし面白い!

この線でもっといけるぞ」

「それじゃそれを製作者に教えてあげてくださいよ。

これを作ったのはエトワールさんですから。

ちょうど今ここにいます」

「ああ、あの嬢ちゃんか?

わかった」


俺はバッカンさんを大アンジュにあるエトワールさんの工房に連れて行き、ジャベックの改良点を指摘して、指導をしてもらった。

エトワールさんは伝説の名工に指導をしてもらって大喜びだった。


「ラッキーだわ!

あのユーリウスさんの師匠であるエレノア先生だけでなく、伝説の名工のバッカンさんにまで教えを受ける事が出来るなんて!

ゴーレム使いとしてこれほどの運はないわ!」


エトワールさんはバッカンさんの教えを受けて、ジャベック作りに余念がないようだ。


俺は1週間ほど時間を使って、ヒミコの3体、そしてメイドの6体に自分の知っている限りの菓子の作り方を教えて、そのヒミコ1体とメイド2体をバッカンさん用に、残りの物を自分用にした。

バッカンさんに渡す3体には、一緒に蒸篭や型抜き、泡立て器などの特殊な道具も渡した。

もちろん、ヒミコ型には発熱タロスなどの必要な魔法も教えてある。

そのために魔法が使える汎用ジャベックであるヒミコに料理を教え込んだのだ。

そして冷蔵庫ジャベックとアイスクリーム製造ジャベックも1つずつ上げた。

これで熱い物でもアイスクリームでも何でも作れるはずだ。

そして俺は教育の終えたヒミコ1体とメイド2体をバッカンさんにあげた。


「さあ、これで材料さえあれば、差し当たって大体の菓子は作れるはずですよ」

「おお、ありがたいな!礼を言うよ」

「それはこっちの方ですよ。

あんな高性能のジャベックを作ってもらって」

「な~に、構わんさ、お前さんにはフレイジオも散々世話になっているんだしな」

「はは、また新しい菓子を考えたら、教えに行きますよ。

ではロナバールまでお送りします」

「おう、頼むぞ」


後でシャルルに聞いた所によると、バッカンさんはいつでもうまい菓子を食べられるようになって大満足だそうだ。

気が向くと、自分の店を訪れる客にも菓子を振舞って、感心されているようだ。


バッカンさんのくれた守護四石は大活躍だ!

この四体とアメシス、ギガント、ザクの大群、そしてエトワールさんとシャルルの作ってくれている防衛ジャベックのおかげで大アンジュの守りも十分になった。

これでどうやら一区切りつけてマジェストンへ戻れそうだ。

マジェストンでは俺には大仕事が待っている。

そう、ついに使役物体魔法上級、ゴーレムでも最も難しいアイザックを作る時が来たのだ!



いよいよ明後日には旧作に追いつく予定です。


ここからは時間調整のために2時間おきの投稿とさせていただきます。


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