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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0446 グローザット組の半壊

 学業の方も一段落したので、俺は久しぶりにジリオ島に様子を見に行く事にした。

今回の俺たちはリンドバーグに乗ってジリオ島へと向かった。

アンジュや豪雷、疾風は初めてのグローザット行きだ。

そして今回はシャルルとポリーナ、エトワールさんも一緒だ。

ジリオ島のグローザットに着くと、まずはマーベル母子に会いに行く。


「やあ、久しぶり!

様子はどうですか?」

「はい、何も問題なく過ごしております。

この島は大陸から大分離れているとはいえ、町は大きく、様々な店もあり、施設も整っていて、生活に困るような事もありません。

生活の資金も十分にいただいておりますし、いただいたジャベックも大変重宝しております。

何も不自由なく、クリムと楽しく過ごしております」

「そうですか?

それなら良かった。

もし何か困った事があれば、そのジャベックに言ってもらえば、私にも話が伝わりますからね」

「はい、ありがとうございます」


どうやら二人は問題ないようだ。

次に俺たちは総合組合のグローザット支部へ向かった。

組合に俺たちが到着すると、すぐに俺たちを見つけた100番たちが迎え出た。


「これはホウジョウ様に皆様方!

お久しぶりでございます!」

「やあ、100番、みんなも元気かい?」

「はい、お蔭様で・・・」


しかし100番はそう答えるが、人数が少ない。

二人ほどいないようだ。


「あれ?人数が少ないようだけど?

・・・アルフォンとベータルはどうしたの?」


その俺の問いに残った5人が顔を見合わせて、代表してランバルトが返事をする。


「アルフォンとベータルはグローザット組を抜けました」

「そうなんだ?」


正直ある程度は予想していたので、俺にもさほど驚きはない。


「ええ、かなり引きとめはしたのですが・・・」

「いや、まあ、最初に言ったように別に強引に引き止める事はないんだけどさ。

でも、一応経緯は知りたいから聞いておこうか?」

「はい、我々は最初自分たちのレベルにあった場所で修行をしていたのですが・・」


ランバルトが言いにくそうにしていると、後をハイネが続けて説明を始めた。


「僕が途中でちょっとした事を思いついて実行しちゃったんですよ」

「ちょっとした事?」

「ええ、オリオンたちを「上げ屋」として使う事です」


オリオンたちはレベルが160もある。

しかもそれが三体もいるのだ。

迷宮の護衛としてだけではなく、慣れれば「上げ屋」としても十分に使えるだろう。


「ああ、なるほど、でも私は好きに使っていいって言ったんだし、別に構わないと思うけど?」

「ええ、それで僕もそう思って使っていたんですよ。

他の皆さんは最初少々渋っていたのですが、僕のレベルが毎日どんどん上がっていくのを見て、やっぱり一緒にそうする事にしたんです」

「なるほど」


そりゃ仲間の一人がどんどんレベルが上がっていくのに、指を咥えて見ているだけってのもやってられないだろう。


「それでも最初はこわごわ多少高いレベルの場所でやっていたんですが、段々慣れてきましてね。

最終的にはレベルが100を少々越える場所で訓練をするようになったんですよ」

「うん、それで?」

「何しろオリオンにしても、セイメイにしても、どちらもレベル160ですからね。

数ヶ月も経つと、僕らもついに全員がレベル100を越える状態になりました。

正直、これほどの短期間でレベル100になれるとは驚きです。

普通なら何年もかかる訳ですからね。

そして例の解禁の日が来たんですよ」

「解禁の日?」


何の事かわからない俺が聞くと、ランバルトが答える。


「エレノア様が我々を1年間降級した日の事です。

我々はその期限が切れる日の事を「解禁の日」と呼んでおりました」

「ああ、アレか」


エレノアは特級権限でドナルドの部下だった連中を5人まとめて降級させた。

その期間が1年だ。


「ええ、我々はその時、100番隊長を除けば、六級と七級でしたからね。

100番隊長だけが五級で、もっと上の等級にもなろうと思えばなれたのですが、五級以上はみんな一緒になろうと言って、等級を上げなかったんですよ。

ハンベイ殿もそれに付き合いました」

「ほうほう」


100番も中々部下思いになったようだ。

ハンベイも付き合いがいいな?


「それでその解禁の日に一気にみんなで2級にまでなったんです。

何しろ全員のレベルが100を越えていましたからね。

問題なく全員が2級になれました。

陶器等級ポッタークラスの7人が一斉に2級に昇格だったので、組合の審査官にはかなり驚かれましたがね?」

「まあ、我々もここではずっと地道に努力しているのは組合の上層部もわかっていたと見えて、特に問題視もされませんでした」


確かに登録証を見ると、全員が銅の板に青い玉だ。

仲良く全員が2級になっている。

下半分はハイネだけは銅板に緑の線で戦魔士だが、他の連中は全員銅の板に赤線で戦士の2級だ。


「へえ・・・それで?」


今度は100番が話し始める。


「そうしたらアルフォンの奴が舞い上がりましてね。

あいつ「もう俺は2級だ!こんな所とはおさらばだ!」と言って、いなくなっちまったんですよ」

「ははあ・・・」


そりゃ組合員で2級ともなれば、上級者の一歩手前だ。

浮かれてこんな場所にいたくなくなる気持ちもわかる。

元々ここには俺に半分強制的に来させられたんだからね。


「一応、私は恥を忍んで、奴がいなくなる前に、自分が九級になった時の話をして止めたのですが・・・

あいつ「九級の時のあんたと一緒にしないでくれ!俺は2級になったんだ!」と言って、どこかにいっちまいました」

「なるほど・・・」


まあ、七級からいきなり二級になったら舞い上がって、そうなっても仕方がないかもな。

何と言っても一気に5段階も等級が上がったんだ。

陶器等級ポッタークラスの一番下から中級の一番上だ。

軍隊的に言えば、伍長辺りから、一気に中佐か大佐になったようなものだろうか?

それならのぼせるのも無理はない。

今度はガンガーが話し始める。


「そして俺たちはある時にオリオンたち抜きでキマイラを討伐してみたんですよ。

人間6人だけでね。

そして何とか6人でキマイラを倒せたんです。

まあ、正直ハイネの力が大きかったですがね?

しかし、そうしたら今度はベータルが・・・」

「どうしたんだい?」

「ベータルはこう言いました。「自分たちは今まで高レベルジャベックのおかげでここまで来たと思ったが、自分たちだけでもキマイラを倒せるほどになったんだ!これならもうグローザット組なんてどうでもいい!だから自分はここを抜ける」とね」

「ふ~ん」


確かにキマイラは組合でも一級判定に使われるほどの魔物だ。

それを自分たちで倒したとなれば、舞い上がる気持ちもわかる。

そしてランバルトが再び話し始める。


「私もベータルに、ここまでこれたのはその高レベルジャベックのおかげ、ひいてはそれを貸して下さったホウジョウ様のおかげだ、この程度でうぬぼれてはホウジョウ様に見捨てられると言ったのですが、ベータルは「ここまでレベルが上がってキマイラを実力で倒せるようになれば、もうホウジョウ組なんてどうでも良い、こんな田舎の離れ島にはもういたくない」と言って、いなくなってしまったのです」

「なるほどね」


説明を聞いて俺は納得した。


「誠に相すみません」


頭を下げて謝るランバルトに俺は説明する。


「いや、構わないよ?

最初に抜けたい人間はいつ抜けても良いと言ったんだしね。

それで?

二人がいなくなった理由はわかったが、逆に君たちが残っている理由を知りたいな?

君たちだって、もうレベル100を越えて2級なんだろう?

うちにこだわる事はないんじゃないかな?」


その俺の質問に、まずはランバルトが即座に答える。


「私はあなたの部下になると言って、あなたにここで修行をしろと命令されました。

あなたが私を正式に部下にしていただくか、はっきりと部下には出来ないと言われるまでは、いつまでもここで訓練を続ける所存です。

それに貸していただいたジャベックのおかげで恐ろしくレベルも上がりました。

しかしまだまだ自分を伸ばす事が可能だと思います。

出来ればこのままさらに精進したいと思います」


うん、やっぱりこのオッサンは義理堅いな?

そして状況把握も的確だ。

是非ともうちに欲しい人材だ。

このオッサン一人なら、今すぐに部下にするのに。


「ハイネは?」

「僕は以前言った通り、頭をやるのや、一人で行動するのには向かない人間ですからね。

100番隊長やランバルトさんがここからいなくなって、ここの隊長をやれと言われたら逃げるかも知れませんが、そうでない限りはここに居ますよ。

それにレベルが100を越えたと言っても、まだオリオンたちよりも下ですからね。

このままオリオンたちと一緒に訓練をすれば、まだレベルは上がるでしょうから、残った方が得に決まっていますよ。

何しろこんな短期間でこれほどのレベルになれたんです。

もし、仮に抜けるにしても、せめて自分一人でキマイラを倒せる程度に、つまり実力的に一級になる位まではいたいですね。

そうした方が後々潰しも利くし、ここを抜けるなんていつでも出来るんですからね。

ここでオリオンたちと訓練していれば、他の場所での訓練よりも数倍の速度でレベルが上がって行くんです。

例え2・3年の間、ここで訓練していたって、長い眼で見れば明らかに得でしょう。

それが今の段階で抜けるなんて勿体無いですよ。

もちろん理想はホウジョウ様の配下になる事ですけどね」


なるほど、相変わらずこの兄ちゃんの理屈は少々情けないが、気持ちは俺もわかる。

正規の魔道士だし、剣の腕もそこそこ良い。

能力的には一人でも十分やっていけるくらいに優秀なのになあ・・・

本当に正直だな?

もっとも考えようによっては、俺だってこの世界に来てエレノアに会ってからは、ずっとエレノアに頼りっぱなしなんだからハイネの事を笑えない。

俺にエレノアから別れて一人立ちしろと言われても絶対にお断りだ。

それはある意味ハイネと同類だ。

いや、それ以下かも知れない。

だって俺は絶対にエレノア離れが出来ないんだもん!

実はこの男は俺に一番感覚が近いのかも知れない。

だからハイネの残留理由は俺も納得だ。


「100番は?」

「私はホウジョウ様に恩義がある身です。

それにこの1年で、ここグローザットで色々と学びました。

そして今までの自分がいかに愚かだったかを知りました。

ホウジョウ様からもジャベックの扱いや迷宮での心得など、様々な事を学びました。

確かにこのレベルならば、もう独り立ちを出来るのかも知れません。

しかしまだまだここで学ぶ事はあると思います。

それなのにここで抜けたら、また小賢しく九級に上がった時の自分と同じような気がしてなりません。

ですからホウジョウ様から見捨てられるのならともかく、自分からグローザット組を抜けるという事は考えられません」


うん、100番も今度はまともに考えているようだ。

ちゃんと残留理由が理にかなっている。


「ガンガーは?」

「私はこの中では一番レベルも低く実力も下です。

正直アルフォンやベータルの気持ちもわからないではないですが、私以外の四人がまだ続ける気でいるのに、一番格下の私が抜けるのは自惚れだし、愚かだと思います。

それが私がここに残っている理由です」


これも一応、筋としては通っている。

しかし残る理由としては今ひとつ弱く、これではその内にいなくなってしまうかも知れないな?

まあ、それもよしだ。


「ハンベエは?」

「拙者、ホウジョウ様に仕えると決め申した。

そしてここで修行しろと申し渡されました。

理由はそれだけでござる」


なるほどね?

ランバルトと似た様な理由な訳だ。

一応残留組の気持ちは俺も理解した。


「・・・なるほど。

君たちの気持ちはわかったよ。

だが今の私はまだ学生の身なんだ。

あと2年はマジェストンで学生を続けるつもりだ。

その間は組合の仕事も休止中なんだ。

しかし再来年になれば卒業だ。

今まで君たちをどうするか考えていたが、少なくとも期限は考えた。

あと2年、つまり卒業までだ。

その時になったら君たちを部下にするか、どうするかをはっきりと決めるよ。

それまではもう少しここで修行を続けてもらおうか」

「はい、承知しました」

「ただし、くどいようだが、その間に抜けたい者はいつ抜けても構わない。

いいね?

あと2年もここで修行なんてしていられないと思えば、その場で抜けて構わないんだよ?」

「はい」


その返事に俺はうなずくとグローザットを後にした。

さて、残り2年と少々後にはあの中の何人が残っているだろうか?


あと3日ほどで旧作に追いつく予定です!

当小説を面白いと思った方は、ブックマーク、高評価をお願いします!

ブックマーク、高評価をしていただくと作者もやる気が出てきますので是非お願いします!

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