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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0410 解決方法はあるのか?

 その時、俺はハタと思いついた。


「そうだ、魔力回復剤がある!

あれや魔法結晶を作って売れば良いじゃないか!

君はもう正規の魔道士なんだから当然作れるだろう?」


魔力回復剤や魔法結晶は売れば結構な稼ぎになる。

魔道士の中にはそれで生計を立てている人間もいるほどだ。

これならば内職感覚だが、相当の稼ぎになるはずだ。

だがポルテは悲しそうに首を横に振る。


「忘れましたか?私は魔力量が三千もないんです。

ですから大きな容量の魔力回復剤はほとんど作れませんし、魔法結晶なら作れますが、学費に足るほど作るとなると、それだけで毎日の魔力がなくなり、本来の魔法の勉強に使う魔力量が残りません」

「ああ、そうか・・・では、他の町で稼ぐというのはどうかな?」

「御存知の通り、このマジェストンは他の大きな町からは離れています。

近隣の小さな町や村では魔道士の仕事はほとんどありませんし、あっても誰かがすでにやっています。

仕事があるような大きな町に行くには航空魔法でも時間がかかりますし、それでは勉強の時間が取れません。

しかも航空魔法で大きな魔力を消耗するので、遠い場所ならば往復だけで魔力量が尽きてしまいます」

「そうだねぇ・・・」


言われて見れば一々もっともだ。


「それにお金の事やレベルの事は別としても、私自身が、そうそう時間をかけてはいられないんです」

「なんで?」

「私がここにきた目的は単に魔法を学ぶだけではなく、私の村で、魔法協会の支部を作る事だったんです。

それがそんなに時間がかかっては・・・」

「ああ、そうか・・・」


魔法協会の支部が出来るには2つの場合がある。

一つは交通の要所や魔法拠点となっている場所で、魔法協会の声掛りで支部を作る場合だ。

これは魔法協会の上から声がかかって作るので、最初から土地、予算、人材が豊富にそろえられていて、問題なく支部を運営できる。

もう一つは個人的な理由で支部を作る場合だ。

この場合は支部を作りたい人間が人材を集め、土地を探し、資材を投げ打って一から作らなければならない。

それには当然、膨大な財力と時間がかかる。

大抵それをするのは領主や町の有力者だ。

町を発展させたいがために魔法協会の支部を誘致する訳だ。

しかし例え、小さな村でも魔法協会の支部を作れば色々とメリットがある。

おそらく村の発展にも役立つだろう。

そう考えて、この子も自分の村に支部を作りたいと考えたのだろう。

しかし魔法協会の支部を作るには、自分がそこの支部長になる必要がある。

それには最低でも魔法協会の魔法学士号を取得していて、何年間か、どこかの支部か本部で働く必要がある。

しかもその後にまず分所を立ち上げて、それから規定の数の魔道士を増やして、学問所や治療所などの魔法施設を増やして、やっと支部を名乗れるのだ。

この分所から支部に昇格するのが中々大変なのだ。

どれほどの年月がかかるかわからない。

それが学士号を取るのにそんなに時間がかかっては、支部を作るのがいつになるのかわからなくなってしまう。


「う~ん、確かに難問だねぇ」

「でしょう?」


ルーベンさんの時と同じように俺やエレノアがこの娘の「上げ屋」をやっても良いかも知れないが、それでもいつ魔力量が3000を超えるかはわからない。

レベル100を越えてもまだ達しなかったら、それこそこの娘はガックリ来てしまうだろうし、俺もいつまでかかるかわからない物にそうそう相手もしていられない。

それにそんな事が周囲に知れたら他の連中からも上げ屋を頼まれてしまうかも知れないし、もちろんそんな事を無制限にしていられない。

これは中々難問のようだ。


「何か解決法はないのかねぇ?」

「散々考えました。でも・・・」


そう言って力なく頭を横に振る。


「そうか・・・」

「ただ、唯一解決できそうな案が一つだけあって、特殊な魔法道具があれば、何とかなりそうなんですけど・・・」

「特殊な魔法道具って?」

「魔力量消費削減系の魔法道具です」

「え?それって例えば、魔法使う時に、使用魔力量が半分で済むとかいう奴?」

「そうです。

帽子とか、指輪とかで、魔力量消費半減効果とかのですね」


う、突然話が変わってきたな?

俺はその魔道具に関して聞いてみた。


「それって、あまりないの?」


恐る恐る聞く俺に対して、ポルテが興奮して話す。


「そりゃ、そうですよ。

ここは魔法都市ですから、魔法道具屋に行けば、そこそこそういう道具も売っていますけど、一番安い魔力25%削減の帽子型でも、金貨30枚はするし、半分削減の帽子型なんて金貨200枚、指輪なんか材質によりますけど、ミスリル製でも金貨250枚、オリハルコン製なんかだったら、場合によっては金貨500枚以上もしますよ!

とても手が出ません。

魔法道具屋で売っているのを見て、ため息をつくだけですよ。

まあ、それでも売っているだけましなんですけどね。

ここ以外の他の場所に行ったら多分売っているのを見つける事すらできません。

おそらくここ以外で売っている場所があるとしたら、後は帝都ぐらいでしょうね。

でも帝都では値段がもっと高くなっているでしょう」


うげげ・・・アレって、そんな高価で貴重な物だったんだ。


「そ、そうなんだ・・・じゃあ、消費効果十分の一とかだったら?」

「魔力九割削減の魔法道具ですか?

そういう品物があるのは聞いていますが、私も実際には見た事がありません。

おそらくあったとしても即競売などに出て、金貨1200枚以上は確実でしょうね」

「金貨1200枚?」


それって高級奴隷より高くない?って言うか、家屋敷が買える値段でしょ?

魔力量削減効果魔法道具って、そんなに貴重品なんだ・・・そういや忘れていたけど、俺も自分の指輪をエレノアに頼んで、金貨700枚位で売った事もあったっけ。

ロナバールの魔法協会にもいくつか売ったっけ・・・

売値はそんなもんだったけど、いざ買うとなると、金貨千枚を越すんだ・・・


「ええ、おそらく、もっと高くなっても不思議はないと思いますよ?

金貨2000枚を越えるかも知れません」

「そ、そうなんだ?」

「当然ですよ。

魔力半減だって凄いのに、九割削減なんて言ったら、魔力をほとんど消耗しなくてすみますからね。

戦闘や大量患者の治療に、どれほど役に立つかわかりません。

そして使役物体魔法なんて大量の魔力を消耗しますから、魔道士なら高位になればなるほど欲しい品物の一つでしょうね。

それにアレは人工的に作れない魔法道具の一つなんです。

だからどうしても金額が高くなるんですよね。

賢者になんかなったら必須魔法道具の一つでしょうから、あなたも、いずれ賢者になるのなら、今から入手を考えておいた方が良いですよ?

何しろ滅多に手に入らない物ですから、入手できる時には多少無理してでも入手した方が良いです」

「ああ、そう・・・なんだ・・・貴重な助言をありがとう」

「いいえ、どういたしまして」


あ~すみません・・・私、その魔法道具、マギアサッコにいくつも持ってます・・・。

しかももっと凄い効果が付いている奴をたくさん・・・

25%削減の指輪なんて、まだ1000個以上持っています・・・

指輪類は小さいから隙間にたくさん入ったんで、神様からたくさんもらっておいたんだよね。

あんまり数が多くて、エレノアも呆れていたけど。

この子の話を聞いて、エレノアが呆れていた理由がよくわかったよ。

どうしよう、それをこの子に一つあげようか?

でも25%削減じゃ、この娘の魔力量ではちょっと心もとないな・・・

・・・しかし、考えてみれば、それって試験に使っても大丈夫なものなのだろうか?

俺はそこが気になったので聞いてみた。


「え~でも、それって試験に使える物なの?

不正受験とまではいかないけど、進級試験に魔法道具なんか使っても大丈夫なの?」

「それは大丈夫です。

私もその点が気になって先生たちに聞いてみたんです。

例えば解毒魔法の試験に毒消し草を使ったり、炎の軽減魔法試験に冷熱軽減系の魔法道具をつけたりするのはだめですが、使役物体魔法を使うのに、魔力量が足りないだけなら、それの補助をするために消費軽減魔法道具を使うのは大丈夫です。

術式の補助や代わりをする訳ではないので、問題はないそうです。

ですからそれは確認済みです。

但し借り物なのではなく、あくまで本人の持ち物という前提が必要だそうです。

言うなれば目が悪い人が眼鏡をかけるような物です。

高い眼鏡ですけれどもね」


なるほど、それを使うのには問題ないわけか。

すると後はそれを渡すこちらの問題だが・・・エレノアにもあまり人に特殊魔法道具をほいほいと無造作にあげるのはよろしくないと言われているし、自分でもそう思うからな。

でもこの子は何とかしてあげたいし、さてどうしよう?


「なるほど、じゃあ、それがあれば、使役物体魔法の三級も合格できるんだ?」

「そうですね、私の魔力量はジャベックを発動させるギリギリ限界を下回ってますから、何らかの魔力量消費削減魔法道具があれば、間違いなく発動できると思います。

術式は間違っていない自信がありますから。

それは先生も保証してくれています」


そしてそれが発動すれば、使役物体魔法三級が受かり、それが受かれば、めでたく学士号も修士号の単位も取得できて、後は卒業試験さえ受かれば、高等魔法学校を卒業できて、支部を作る資格が出来るという訳か・・・う~ん、魔法道具一つで、ここまで人の人生を変える事が出来てしまうと考え込むなあ・・・


「そうか・・・親御さんや、その甥っ子も故郷で待っているかと思うと、確かに気持ちは焦るよね?」

「そうですね、私も意地を張って、少なくとも魔法学士になるまでは家に帰らない!と言って村を出てきたので正直辛いです。

ああ、皆元気にしているかなぁ、特にクラウス・・・

あの子も、もう11歳になるんだなあ・・・」


え?クラウスだって?

まさか、あのクラウスじゃないだろうな!?


いよいよ旧作に追いついて参りました!

当小説を面白いと思った方は、ブックマーク、高評価をお願いします!

ブックマーク、高評価をしていただくと作者もやる気が出てきますので是非お願いします!



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