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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0407 エレノアの課外授業 4

 休憩後に闘技場に着いたレノアが再び説明を始める。

ここは魔法学校の闘技場で、ロナバールの組合にあった闘技場と同じような作りだ。


「では、まず見本として高等魔法学校生徒のシノブ・ホウジョウ君に模範演技をしていただきます。

彼はレベルが300を超えているので、もちろん普通に戦ってもキマイラを倒せますが、ここは忠実にグレイモン戦法を見せていただきましょう。

彼はこの戦法を考案したグレイモン伯爵とも友人で、すでにこの戦法を本人からも直接聞いて精通しており、この戦法を応用してマルコキアスさえも倒した事があるので、良い見本になると思います。

皆さんはよく御覧下さい」


う~ん、昨夜エレノアから模範演技を頼まれたけど、そこまで言われると緊張しちゃうな?

まあ、相手がキマイラなら今の俺なら楽勝だから大丈夫だけれど・・・


俺は基本を忠実に守り、剣を4本、盾を3つ装備して闘技場に出る。

準備が出来ると、このために用意してあったキマイラが放たれる。


「アニーミ・ツェント・エスト」


俺は基本どおりに4本腕のタロスを100体出してキマイラを襲う。

キマイラの全身に取り付き容赦なく短剣を突き刺していく。

俺は持っていた剣と盾をその場に捨て去ると再び呪文を唱える。


「アニーミ・トリデク・エスト・アターコ!」

「アニーミ・トリデク・エスト・デフォンド!」


次に俺は攻撃主体のタロスを30体、防御主体のタロスを30体生成する。

そのタロスたちはただちに剣や盾を拾ってキマイラの攻撃にかかる。

タロスたちは激しくキマイラを攻撃して、ものの5分ほどで俺のタロスによって倒される。

それを見ていた観衆たちが感嘆の声を上げる。


「おお~!」

「これは凄い!」


エレノアが俺を労い話を進める。


「はい、ホウジョウ君お疲れ様でした。

今見たようにこの戦法は相手が単体の魔物の場合はかなり有効です。

しかし実際にはあのような装備で迷宮などへ行く事はありえません。

これは等級試験のためにのみ考案された方法です。

そこで今度は現実に即して、この戦法を多少改良して、純粋にタロスのみで攻撃をしてもらう事にします。

次の模範演技は魔法学校中等部の生徒のポリーナ・パーシモンさんです。

彼女はまだ魔法士ですが、すでにレベル160を超えていて、キマイラも倒した事があります。

また、彼女はポリーナ式針鋲陣しきしんびょうじんという物を考案しています。

今回はそれとグレイモン戦法を併用した方式を見せていただきましょう。

それではポリーナさん、どうぞ」

「はい」


ポリーナは通常の魔法士の装備でキマイラと対峙する。

戦いが始まると、まずは俺と同じく4本腕のタロスを100体ほど出す。

さらにその次にはポリーナ式針鋲を出現させて、キマイラの周囲に針鋲陣を布陣する。

そして攻撃用タロスと防御用タロスを生成してキマイラを攻撃し始める。

そこでエレノアが解説を加える。


「はい、これがポリーナ式針鋲陣と言われる物で、こうして四角錐のそれぞれの頂点に針をつけた物です。

これはどう置いても針が上を向く事となり、それを踏んだ場合、御覧の通り、足と言わず、体と言わず、全身に穴が開きます。

これを大量に布陣する事により、相手は動きを制限されます。

これは魔力量に余裕がある魔術士が使うと非常に有効な技です」


エレノアが説明している間にもキマイラは動いて全身が針だらけとなって行く。

その間もタロスたちは攻撃を続ける。

そして今度は3分ももたずに絶命する。

やはり針鋲陣を使った分、こちらの方が倒すのが早いようだ。


「おお~っ!」

「凄い!」

「これほど簡単にキマイラを?」


うん、ポリーナも白銀等級シルバークラスを取得した時とは比較にならないほどの手際の良さだ。

レベルが高いとは言え、まだ正規の魔道士でない魔法士であるポリーナがあっさりとキマイラを倒し、見ていた者達は驚きの声をあげる。

エレノアが解説をする。


「今までの二人はレベルがキマイラの120を超えていて、実際にはグレイモン戦法を使わずともキマイラを倒す事が出来る人たちでしたが、次は実際にレベルが80のジャベックでキマイラを倒して見せます」


今度はレベル80の魔法ジャベックが出てきて、タロスを出してキマイラと対峙する。

このために訓練を施した模擬訓練用の戦闘ジャベックだ。

ジャベックはポリーナと同じように四本腕のタロスと攻撃用、防御用タロスを出してキマイラを攻撃し始める。

さすがに時間は10分ほどかかったが、それでもレベル80のジャベックがキマイラを倒してみせたので、見学していた観衆は感心する。


「おお~っ」

「レベル80程度の魔法ジャベックでキマイラを倒せるとは・・」

「これなら魔法学士ならまずキマイラを倒せるな?」


ここでエレノアが実習をする者を募る。


「では、以上の模範演技を踏まえて、どなたかに実際にやっていただきましょう。

どなたか実際にやってみたい人はいませんか?」


ここで即座に一人の少女が手を挙げる。


「あの、私でも良いでしょうか?」


それはキャロルだった。

おやまあ、申し出たのは良いが大丈夫か?

そう思って、俺はキャロルを鑑定してみる。

レベル67で魔力量は57000ほど、うん、まだこのレベルで魔法士にしては、随分と魔力量が多い。

さすがは魔人と言った所か?

これならタロスも300体以上出せるし、何とかなるだろう。

それにいざとなれば我々がいるのだ。

問題はない。

エレノアも鑑定して、そう判断したようだ。


「構いませんよ?

やってみますか?」

「はい!」


エレノアの許可を得てキャロルは意気揚々とキマイラと対峙する。


「さあ、いっくわよ~!

アニーミ・ツェント・エスト!」


呪文を唱え、大量の4本腕のタロスを出してキマイラに向かう。

しかしまだレベルが低いだけあって、キャロルのタロスはキマイラの攻撃がかすっただけでも消滅する。

火の息一つでも数十体があっさりとやられる!

とてもキマイラに取り付くどころではない。

やはりいくら何でもキマイラに挑むにはレベルが低すぎたか?

キャロルもそれに気付いたようだ。


「ちょっと!ちょっと!私のタロス、やられすぎじゃない?」


そう言いながらもキャロルは再びタロスを出現させる。


「アニーミ・ツェント・エスト!」


しかし再びタロスを100体出すが、こんどは普通の人間型で、しかも剣は長剣を1本しか持っていない。

言うなれば通常の剣士型戦闘タロスだ。

これでは1回キマイラを傷つけたら終わりだ。

グレイモン戦法の利点を無くしてしまっている。

しかしキャロルはその剣士型タロスを突撃させる。


「いっけぇ!」


剣士型タロスは突撃するが、当然ほとんどのタロスがキマイラにやられる。

しかしかなりの数のタロスがキマイラに傷を負わせたようだ。

そしてタロスたちはことごとくキマイラに潰される。

しかし俺はここで不思議な事に気付く。

タロスがやられているのにキマイラに刺さった剣が消滅しないのだ?

タロスは魔素で構成されていて、作り方にもよるが、大体その3割から半分程度が消失した時点で全体が崩壊する。

だから人間型のタロスならば、腕が一本位無くなった程度ならば消滅はしないが、胴体をぶった切られれば全体が消失する。

ましてや剣などタロスの一部分でしかない。

それなのに本体である体の部分がなくなったのに、付属部分である剣の部分が残っているとはありえない。

見学をしている学生たちもそこに気付いたようで、ザワザワとしてくる。


「おい?何であの剣の部分は消えないんだ?」

「ああ、あそこもタロスだよな?」

「ああ、実剣ではないはずだ」


違う!わかった!

これは剣が本体で、体の部分の方を付属として作ったタロスだ!

キャロルは剣の方に魔素を集中させて、体の方は突撃させるだけの最低限の動きだけで作り上げたのだ!

これは逆転の発想だ!

これならばいつまでも剣が刺さったままなので、単に傷跡が残るだけよりは相手の傷は大きい!

・・・しかし残念ながらそれでもまだキマイラ相手には決定打にはならない。

キャロルもそれはわかっているようだがどうするつもりなのか?

ここでキャロルが三度呪文を唱える。


「ええ~い!これでどうせ最後よ!

アニーミ・ツェント・エスト・フルモバート!」


先程と同じく1本の長剣を持った大量のタロスたちが突撃する。

キマイラも迎撃するが、先程の長剣が何本も刺さったままなので、動きが鈍い。

そこへ新たな長剣が大量に突き刺さる!


「グオォォ~」


キマイラは絶叫し、しばらくその場で動かなくなる。

しかもその全身には僅かに電撃が走っているのが見て取れる。

やがてしばらくすると、キマイラが絶命し、四散する。

突き刺さっていた剣もその場に落ちるが、それも消失する。

キャロルの勝利だ!


「ふう・・・ギリギリだったわ!」


エレノアが感心してキャロルを褒める。


「御見事です。

少々応用も利かせて大した物ですね?」

「はい、ありがとうございます!グリーンリーフ先生!

私はレベルが低いので、その分タロスを大量に出して一撃の攻撃をより大きくして攻撃してみました」

「なるほど、それは良い案ですね。

しかも最後の攻撃には電撃も混ぜていましたね?」

「はい、二回目のタロス攻撃で、これではキマイラに勝つ事が出来ないと思って、最後の手段として剣のタロスに電撃を仕込んでみました。

キマイラはある程度魔法を無効化しますが、体の内部は別だと思って・・・

あの方法がだめなら私もお終いでした。

もうほとんど魔力がありません」

「見事な応用ですね。

あの短時間でそこまで考えて実行するとは大した物です」

「はい!これもアンジュ御姉様の御役に立つ事を考えて一生懸命やってみました!」


それを聞いてエレノアも苦笑してアンジュに話しかける。


「おやおや・・・アンジュ?中々けなげな友人がいますね?

良かったではありませんか?」

「はあ・・それは良いのですが・・・」

「アンジュ御姉様!これでキャロルも御役に立てますよ!」

「うう・・・」


おおっ!あの横暴なアンジュが振り回されている!

キャロルってある意味凄いな?

しかし確かに今回のキャロルの戦い方は凄かった!

これはもはやグレイモン戦法の応用ではなく、キャロル戦法と言っても良いのではないだろうか?


こうしてエレノア先生の特別授業は終わった。


いよいよ旧作に追いついて参りました!

当小説を面白いと思った方は、ブックマーク、高評価をお願いします!

ブックマーク、高評価をしていただくと作者もやる気が出てきますので是非お願いします!



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