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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0348 魔力欠乏症との戦い

 翌日になって、俺たちはアンジュを連れて迷宮に行く事にした。

聞けばアンジュはどういう訳だか、どんなに訓練をしてもほとんどレベルが上がらないという。

事実、現在のレベルはたったの3だ。

魔人だろうが、平人だろうが、16歳の娘としてはありえない数字だ。

何はともあれ本当にレベルが上がらないのか確かめてみようと思ったのだ。


「では、今日はアンジュを連れて迷宮に行こう」

「はい」

「前衛は、三人に任せて、僕はアンジュを守りながらガルドとラピーダと一緒に後衛に着く。

それでいいね?」

「「「 はい 」」」


こうして俺たちはアンジュを鍛えるべく、迷宮に潜った。

アンジュのレベルが低いので、俺たち以外にも周囲をタロスでガチガチに固めて護衛をしておく。

しかし結局一日迷宮にいて、わずかにレベル3だったアンジュが、レベル4になった程度だった。

これだけ魔物を倒せば、本来だったら軽くレベル50は越えているはずだ。

アンジュはおとなしくしていたので、キャサリンのように馬鹿な事はしないのだが、それでもレベルは上がらない。


「ふう・・・今日はここまでにしておくか?

また明日になったら続きをしよう」

「承知しました」


その俺たちの会話にアンジュが恐る恐る質問をする。


「あの・・・明日もこれと同じ事を?」

「うん?しばらくはこれで様子を見てみよう。

どれ位アンジュのレベルが上がりにくいのかも実際に見てみたいからね」

「はい、よろしくお願いします」


その夜は俺はエレノアと一緒に寝ていた。


「ねえ、アンジュのレベルはやっぱりずいぶん上がりにくいね?

僕も驚いたよ」

「ええ、今日もあれほど魔物を倒したというのに、上がったレベルはわずかに一つですからね」

「うん、確かにもっと上がらなきゃおかしいよねえ?」

「そうですね」

「まあ、明日はグリフォンでも倒しに行ってみようよ」

「はい」



 そして次の日も俺たちはアンジュと一緒に迷宮へ潜る。

二日目でようやくアンジュはレベル5になったが、魔力量は0のままだ。

しかも倒していた魔物はレベル150のグリフォンにも関わらずだ!

むしろ、レベルが200以上のシルビアとミルキィの方が、よほどレベルが上がったほどだ!

これほど訓練したならば、本来ならばアンジュのレベルも最低でも80以上になっているはずだった。

いや、すでに100を越えていても不思議は無い!


「う~ん、やはりレベルを上げれば何とかなる物ではなかったか?」

「そのようですね」

「そもそもレベル自体がほとんど上がらないしね?

ちょっと休んで、他の方法を考えてみようか?」

「はい」


俺たちは一休みを兼ねて迷宮を出ると、サクラ魔法食堂へと向かった。

立派な構えの食堂を見たアンジュが驚いて俺に尋ねる。


「ここは?」

「ああ、ここは僕が経営している食堂だよ」

「ご主人様が?」


驚くアンジュにエレノアが説明する。


「ええ、最近ロナバール中で評判なのですよ」

「そうなのですか・・・」


どうやらアンジュは魔人の村にいたので、この食堂の話は知らないようだ。


「まあ、ともかく食べながら考えようじゃないか?」

「はい」


俺たちが特別室「青薔薇」に行くと、そこで隣の部屋の「白ひげ」から出てきたジーモンと出会う。


「おう!シノブ!

これから食事かの?」

「うん、そうなんだ。

今日はちょっとさっきまで迷宮で鍛えていてね」

「くっくっく・・・御主、その若さでレベル300を越えておるくせに、まだレベルが足りないのか?

まあ、精進する事は良い事じゃ・・・

ん?そちらの娘は魔人か?」


ジーモンがアンジュに気づいたので俺が説明をする。


「うん、そうなんだ、少々事情があって、うちで奴隷として預かる事になったんだよ」

「ほう、魔人の奴隷とは珍しいのう・・・

まあ、エルフやケット・シーまで家臣にしているシノブじゃ。

何でもありじゃな・・

むっ・・これは!」

「どうしたの?」

「ひょっとしてこの娘は「魔力欠乏症」なのか?」

「そうだよ、よくわかったね?」

「おいおい、わしはこれでも医者じゃぞ?

まあ、確かに魔力欠乏症の魔人を見るのは始めてじゃがの。

この患者は恐ろしく珍しいからの」


そうだった、ジーモンは医者だった。

それならば何か治療法を知っているかもしれない。

俺はジーモンに聞いてみた。


「うん、実はそれで困っているんだ。

何か良い治療法はないのかな?」

「うむ、わしが知っているのは魔法力が高い男と一緒に生活をする事じゃが・・・

シノブと一緒と言う事は、それはもうしておるしのう・・・」

「うん、それはね」

「もう一つは・・・」

「まだ方法があるの?」

「うむ、もう一つはとにかくレベルの高い魔物と戦って、レベルを上げる事じゃ」


やはりそれか?

しかしそれもすでに実行している。


「うん、僕もエレノアにそう聞いて、やってみたんだけど、全然だめなんだ。

何しろグリフォンと何十回も戦ってみたんだけど、レベルが5までしか上がらないんだ」

「何と!それほどグリフォンと戦っても、それしかレベルが上がらないとは驚きじゃの!

しかしわしが聞いた話では、もっとレベルが高い魔物と戦わなければならないそうじゃ」

「もっと高い魔物?まさかドラゴンとか?」

「いや、さすがにそこまでは行かぬが、そうさな、せめてガルーダやフェンリル程度は必要と聞く」

「ガルーダか・・・」


ガルーダと言えば組合の等級で「黄金等級ゴールドクラス」の昇級試験魔物だ。

それと戦わなくてはならないとは中々厄介だ。

しかもただ見ているだけとはいえ、アンジュはたったのレベル5なのだ!

いくら俺たちがついているとはいえ、流石に危険すぎるだろう。

しかしここは何とかしてみるしかないか?


「わかった、後でちょっと試してみるよ」

「うむ、気をつけるのじゃぞ?」

「うん、ありがとう!」


ジーモンと別れると、俺たちは食事をしながら話した。


「では今のジーモンの話に従って、次はガルーダ狩りと行くか?」

「そうですね。

しかしその前にアンジュの装備を固めた方が良いでしょう」

「そうだね」


アンジュはまだたったのレベル5なのだ。

これではそれこそガルーダの火の粉がかかっただけでも死んでしまう!

耐熱装備は必至だ。

俺たちは食事を終えると、魔法協会へと行った。

そこで対炎熱効果の装備を購入した。

耐熱服に耐熱外套などだ。

それに俺の持っていた冷熱遮断の指輪も装備する。

赤い魔法士の服を着て、黒い魔法使いの帽子を被ったアンジュが、オレンジ色の耐熱服を着て、その上に赤い耐熱用の魔法外套を羽織れば、もはや見た目は完全に魔法使いだ!


「こんな高価な装備まで購入していただいて・・・」

「気にする事はないよ。

これでアンジュに魔法力が出るなら安いもんさ」

「でも・・・本当に治るかどうかわからないのですよ?」

「ダメならまた別の方法を考えれば良いさ。

気にする事はない」

「はい・・・ありがとうございます」


俺たちはアンジュの装備を整えると、ガルーダのいる場所へと向かった。


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