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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
302/1018

0292 襲撃!

「御主人様、連中に動きがありました」


そうエレノアに言われて俺はガバッ!と起きた。


「そうか!」


敵の根拠地は全て昨日からずっと監視ジャベックとタロスで見張っているので、相手の動きはこちらに筒抜けだ。

月夜の道を静かにヒタヒタと120人ほどの集団がやって来るのがわかる。

それが俺の部屋に置いてある映像ジャベックに映し出される。


「なるほど、確かにかなりの人数だね?」


俺たちはゼルさんたち魔法協会組を呼んで迎撃準備をした。

そして襲撃隊がうちの屋敷の門に集まり、門を開け始めるまで静かに待っていた。

ちなみに向こう三軒両隣には今夜の事を通達して、少々夜に騒がしくなる事を菓子折りを持って、あらかじめ説明しておいた。

もっとも向かいと右隣は空き家だったので、話したのは残りの3軒だけだ。

壊されるのも嫌なので、今夜は門にかんぬきもかけておらず、簡単に門は開く。

門を開いて、賊共の半分以上が敷地内の庭に進入した所で、俺は命令を下す。


「よし、では予定通り迎撃開始だ!

迎撃作戦の指揮はエレノアに任せる!」


俺の命令を聞いてエレノアが指示を出す。


「承知しました、それでは各自計画通りに迎撃を開始しなさい!」

「はっ」

「かしこまりました!」


迎撃に当たるのはもちろん俺たち「外組」だ。

まずはエレノアが屋敷の表の両隣との境に大量のタロスを発生させて、賊を囲い込む。

これによって賊どもは早くも逃走が不可能となった。


「防衛ジャベック隊は照明球打ち上げ!」


エレノアが命令するとガルドが復唱する。


「はっ!照明球打ち上げ!

光量最大!持続時間30分!各自5連射!」


そしてオリオン、バルキリー、セイメイ、ヒミコたちが魔法の照明球をいくつも打ち上げて、辺りは眩いばかりの光に包まれる。

百近い照明球に照らされて、辺り一帯は、まるで昼間のようだ!

いきなり周囲が明るくなった賊どもは、慌てふためく!


「なっ!これは・・・!」

「ええい!構わぬ!突き進んで屋敷の中へ進入して奪い取れ!」

「おお~っ!」


しかし当然、そのような事が出来る訳がない。

エレノアが出現させたレベル100のタロス軍団によって、賊どもは即座に迎撃される。

さらにその賊どもにゼルバトロスさんの魔法が襲い掛かる!

たちまち飛び出して来た先頭の数人がなぎ倒される。

すると、後ろから親玉らしい男が出てくる。

先日、俺と魔法協会の広場で会ったあの男だ。


「ふん、なるほど、情報通り、そっちにも魔法使いがいるって訳か?」

「そういう事だ。

よう、久しぶりだな?おっさん!」

「ほう?あん時の兄ちゃんか?

よく俺たちが今日来るのがわかったもんだな?」

「まあ、あれだけ派手に動いていればな」


もちろん俺はデフォードの事など話さない。


「まあ、そりゃそうか?

ははっ!しかしわかったからってどうにかなるもんじゃないんだぞ?

いいか、兄ちゃん?

おとなしく俺たちの言う事を聞くなら今だ。

今回はこの間みたいに下がったりはしないぞ?」


俺も笑って答える。


「ははっ!何言ってんだ?

あんたたちは、もう引き下がりたくたって、引き下がれないんだぞ?」

「はっ!相変わらず威勢がいいな?

だが、これを見ても、まだそんな大口が叩けるかな?

おいっ!」

「へいっ!

おらっ!お前ら!前に出ろ!」


手下の一人が後ろに声をかけると、返事をして後ろの方にいた何人かが前へ出てくる。


「はい、承知しました」


その返事をして前へ出てきた三人には見覚えがあった。

赤い髪をした戦士風の男、黄色い髪をした魔戦士のような男、青い髪をした魔道士の女だ。


「へえ・・?これは?」


俺が少々驚くと、エレノア、シルビア、ミルキィがうなづいて答える。


「例のノーザンシティのジャベックですね」

「ええ」

「この間の大会で見た物と同じ物です」


並んだ三体のジャベックを見て俺は感心する。

それは間違いなく、この間のゴーレム大会でシャルルたちが売っていたジャベックだ。

赤い髪の戦士型ジャベック、黄色い髪の魔戦士型ジャベック、そして青い髪の魔道士型ジャベックだった。

その三体は無表情で並び、俺たちの前に立ちふさがる。

この高価で入手しにくいジャベックを三体も所有しているとは大した物だ。

俺は素直に感心して話す。


「へえ?これを三体も持っているなんて凄いじゃないか?

高かっただろう?」


俺の言葉に男は得意げに答える。


「まあな、だがそれだけの働きはするぜ?

今回はここにも多少魔法使いがいるってんで、ちっとばかり勿体無いとは思ったが、こうして全部持ってきてみた訳だ。

まあ、実際に実戦で使ってみないと、わからん部分があるからな?

悪いが、兄ちゃんたちは実験台って事だ」


俺は首を横に振って答える。


「いや、むしろこっちが感謝したいくらいだよ。

ちょうどこっちもそれで実験したかったんだけど、それは高いんで、使い捨てにするには勿体無かったんでね?

お前さんたちが持って来てくれたなら思う存分実験できるよ」

「あ~ん?どういう事だ?」

「こういう事さ、ラピーダ、あっちの戦士型と魔道士型を今すぐ破壊だ!」

「承知!」


俺の近くにいたラピーダは即座に飛び出すと、次の瞬間には槍の一撃で相手のジャベックを二体とも葬っていた。

レベル300のラピーダが相手では、いかにノーザンシティ産の高レベルジャベックでもひとたまりもない。

あっと言うまもなく、二体もの高レベルジャベックを破壊された相手は驚く。


「なっ!」


驚く相手に俺は命令する隙も与えず、さらに命令をする。


「オリオン8号、お前は最後に残った1体を始末しろ!」

「はっ、かしこまりました」


俺の命令でオリオンも飛び出し、最後に残った相手の魔戦士ジャベックを相手に戦い始める。

オリオン級はレベル160の魔戦士型ジャベックで、相手の魔戦士ジャベックはレベル150だ。

レベル差は10ほどしかないが、うちのオリオンたちは迷宮で戦闘経験を積んで学習しているのに対し、どうやら相手はこれが初めての実戦のようで、その差は歴然だ。

さすがにラピーダほどの速さではないが、明らかに戦闘経験の少ない相手のジャベックを翻弄し、あっという間に片がついて相手のジャベックは破壊される。

なるほど、大体想像していた程度の差はあるか?

瞬く間に3体もの高性能ジャベックを破壊されて、さすがに相手は驚く。


「馬鹿な!

このジャベックはノーザンシティ製のレベル150のジャベックだぞ?

それが三体もいて一瞬で・・・

こんな事が・・・」


そりゃあんな高いジャベックが三体もあって、それが何もしないうちに破壊されたら驚くわな?

呆然としている男を尻目に、ゼルさんが俺たちに申し出る。


「シノブさん、グリーンリーフ先生、せっかく来たのです。

ここは私に任せていただきませんか?」


戦闘指揮を任せてあるエレノアがうなずいて答える。


「ええ、よろしいでしょう。

頼みましたよ?ゼル」

「はっ、お任せください」


エレノアの言葉で、ゼルさんがズイッと前へ出る。

全身を銀と黒の鎧で覆われて、銀色の兜を被り、黒い仮面をして、銀色のマントを翻して相手の前に立ちふさがった。

超然と立つその姿は中々格好いい。


「トランザムのロドランか?

だがおれには勝てんぞ?」

「生意気な!これでも喰らえ!」


その男が命令をすると、後ろにいた数人の魔法使いから呪文が放たれる!


「デュアル・フラーモ!」

「フルモバート!」

「グラツィーオ!」


いくつもの魔法が放たれて、ゼルさんを襲う。

しかし、その魔法がゼルさんの鎧に当たってもビクともしない。

どうやらあの鎧は相当な魔法防御効果があるようだ。

それを見たロドランが叫ぶ。


「おかしいぞ、

この火炎魔法が効かんとは、

そうか?お前は鎧を着ているな?

卑怯者め!」

「何を言うか!

貴様など鎧がなくとも倒せるわ!

俺はロナバール魔法協会本部長・・・」


そう言うと、ゼルさんはグッ!と自分の顔を覆っている黒い仮面に手を当てて、バッ!とそれを兜ごと脱いで捨てる。

それと同時に着込んでいた鎧もパーン!と周囲に飛び散る。

え?その鎧って、一発で脱着パージ出来たの?

一瞬で鎧を外したゼルさんがトランザム組に対して名乗りを上げる。


「ゼルバトロス・コールドウェルだ!」

「なにぃ~ロナバール本部長だと?」


得意げに名乗りを上げるコールドウェル本部長に対して衝撃を受けるトランザム組。

おい、お前ら!驚きの余りに背景に稲妻走ってんぞ!

あの・・・ところでゼルさん?

俺、何か今の経緯を昔、漫画で見た記憶があるんですけど?

知り合いにウルトラ族とかいませんか?そうですか?

それに正体明かしてますけど、それもいいんですか?

一応、俺はそこを尋ねてみる。


「え~と?ゼルさん?

こんな奴らにせっかく隠していた正体を明かして良いのですか?」

「え?ああ、少々腹が立ちましたので、つい・・・

それにどうせこいつらはここでほぼ死にますから、別に構いませんよ。

残った者も全員重犯罪奴隷送りで、誰にも話す事は出来ませんしね」


先輩ッ!

今、サラッと怖い事を言いませんでしたか?

そんな俺の心の突込みを知らず、ゼルさんは襲撃者たちに大声で叫ぶ。


「貴様ら!我が敬愛する師匠と弟弟子を襲うとは良い度胸だ!

このゼルバトロスが相手だ!覚悟しろ!」


そのゼルさんの口上を聞いて襲撃者の数人が改めて驚く。


「なっ?ゼルバトロス?まさか雷撃のゼルバトロスか?」

「そんな!」


雷撃のゼルバトロスと異名を取るだけの事があって、ゼルバトロスさんはその辺一体に雷撃を見舞う。


「スティーミ・デュアル・フルモバート!」


バリバリバリ!


ゼルさんの雷撃呪文により、屋敷内の敷地の大部分が雷撃に覆われる!

その広範囲雷撃によって、賊のほとんどは壊滅してその場に倒れる。


「ぐわ~っ!」

「あぎゃ~!」

「げが!」


先ほどまで意気盛んだった敵の親玉も焦げて倒れている。

あの~?先輩?

この一撃でうちの敷地内に入って来た敵は、ほぼ一掃されちゃったんですけど?

わかっていたけど、何かもう呆れるほどに一方的だ。

一緒にエレノアの戦闘タロスも攻撃を受けるが、もちろん問題はない。

その大規模な攻撃を見て、俺の側にいた二人の警備隊長が笑いながら感心する。


「いやあ、さすが本部長、やりますなあ」

「では我々も・・・」


残った連中をロンブルさんとドロイゼさんの二人が前へ出て攻撃する。

二人の姿を見て賊たちが慌てふためく。


「ひっ!赤髪のドロイゼ!」

「氷結のロンブル!」


当然の事ながら警備隊長の二人の顔を賊たちは見知っていて驚く。


「ひっ、退け!退けぇ!」


残っている賊どもは慌てて逃げ出すが、もう遅い。

二人の呪文が襲いかかる。


「デュアル・フラーモ!」

「グラツィーオ・サーゴ!」


火炎球と氷の矢が周囲にばら撒かれて、逃げ惑う連中を襲う。

何人かが必死になって屋敷の外へ逃げるが、戦闘タロス軍団がそれを追いかける。

俺たちが何をするまでもなく、魔法協会組の三人の一撃だけで、ほぼ事は終わっていた。

予想通りとはいえ、なんだかな~・・・


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