表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
276/1018

0267 マルコキアス

 マルコキアス!

それは俺も百科事典や魔物図鑑で見て知っていた!

それは魔物の中でも上位に相当し、いわゆる「悪魔」と言われる物だ。

一般にこの世界で「悪魔」と言われる物は魔物の中でも知能が高く、人語を解する物をさす。

「悪魔」と言われる物はかなり低位の物でも人語を解し、体力があり、魔法耐久力にすぐれている。

もちろんそこら辺の腕っ節が強い程度の一般人に相手が出来る代物ではなく、中級の組合員でも相手にはならない。

上級組合員でも相手に出来るかどうかという所だ。

特にマルコキアスという種類の悪魔は、かなりの上位悪魔で、大きな黒い犬の姿をしているが、背中に白い翼を持ち空を飛び、口からドラゴン並みの火炎を吐く。

そして人間に精神支配的な攻撃を仕掛けてくるらしい。

他の上位悪魔と比較すれば、多少魔法は効くらしいが、それでももちろん舐めてかかれる相手などではない。

「悪魔」の中でもかなり上位で、猛将マルコキアスの名でも知られている。

こいつを相手にするには、最低でも特級組合員でなければ無理だろう。

それも白銀等級シルバークラス黄金等級ゴールドクラスではなく、アレナック等級クラス以上だ!

俺もその存在は魔物図鑑で見て知ってはいたが、その名を実際に聞くのは初めてだ!

滅多に出現する魔物ではない。


「マルコキアスって、あの上位悪魔の?」


俺の質問にヘイゼルさんがうなずいて答える。


「はい、そうです。

ここからかなり遠い場所なのですが、その辺りの支部ではマルコキアスに対抗できる組合員がいないために現在、ロナバール総本部うちやマジェストンから討伐隊を出すか、国軍を出すか、上で検討されているようです」


それを聞いたエレノアが即座に答える。


「国軍の可能性は低いでしょうね。

マルコキアスに大軍で当たっても意味がないはずです」

「え?どうしてですか?」


俺も不思議に思ったが、先にヘイゼルさんがエレノアに尋ねる。


「マルコキアスというのは人間に対して精神支配の攻撃を仕掛けてくるのですが、それはかなり広範囲に渡り、しかもその範囲全体に及ぼすのです。

よほどレベルが高い者か、レベルが低くても屈強な精神抵抗力を持つ者ならば耐えられますが、通常の兵程度では耐えられません。

ですからその範囲に入れば、たちまちマルコキアスの精神支配下に置かれ、敵対行動を取るようになります」

「そんなに?」


俺もその事は知っていたが、それほどなのかと驚いた。


「ええ、その精神支配に耐えられるのはよほどレベルが高いか、元々精神抵抗力が大きい者、そして精神こころを持たないジャベックとタロスだけです。

アイザックでもレベルの低い者は危ないです」

「アイザックまでも?」


俺は驚いた。


「はい、アイザックは人間同様、自我があり、精神が存在するので、レベルが低い場合はマルコキアスに操られてしまいます」


基本がゴーレムであるアイザックまでも操られてしまうとは厄介だ!


「つまり、我々がゴブリンの指輪で操られたゴブリンみたいな状態になるって事?」

「そうですね、私のレベルは600を越えていますから大丈夫ですが、マルコキアスのレベルは320から350前後ですから御主人様でもギリギリでしょう。

但し、マルコキアスは広域的な精神支配をする他に、人の心を読んで特定の方向へ個別に精神支配する場合もありますから、それは注意しないと危険ですね。

そしてレベル的にシルビアやミルキィは正直危ないです」


エレノアの説明にヘイゼルさんがうなずいて答える。


「そうなのですか?

それで国軍も出すかどうか検討中なのですね?」

「ええ、そうだと思います。マルコキアスに大軍は無意味です。

操られて同士討ちをするのが関の山ですから。

もし国軍を出すとしたら、レベルが350以上の者を指揮官にして、なおかつレベルが300以上のジャベック数体で討伐隊を編成しなければ討伐は無理でしょう。

しかしそんなジャベックはおそらく帝国にもないでしょう。

ですから国軍を出すとしたら、高レベルのアイザック部隊でしょうね。

帝都アムダルン、魔法協会総本部のマジェストン、そしてここロナバールには高レベルのアイザックが存在しますから、その3箇所のどこかへ国からの要請が行くでしょう。

後は魔法協会の高位魔道士か、席次の高い審判の騎士ジャッジメントナイトに頼むか、他の国と連携して高レベルアイザック部隊を構成して討伐する位しか方法はありません」


そんなレベルの高い面々を派遣しなければならないとは中々厄介だ。

しかし相手が上位悪魔では、それもいたし方が無いだろう。


「なるほど・・・

それで我々に勝ち目はあるのかな?」


俺のその質問に、エレノアはあっさりと答える。


「はい、それは大丈夫です。

まず、我々がマルコキアスに負けると言うことはありません」

「そうなの?」

「はい、まず私にはマルコキアスの精神支配は効きません。

そしてガルドやラピーダにもです。

正直に言えば、この3名でマルコキアスを討伐するのが正解でしょう。

それで間違いなく討伐は可能です。

マルコキアスは上位悪魔ではありますが、上位悪魔にしては魔法耐性が低く、中位魔法以上であれば大抵は効きますし、雷撃であれば初級魔法でも通じます。

ですからマルコキアスは他の悪魔と比較しても魔法使いには弱いです。

私程度の魔法使いであれば、必ず勝てます」


いや、「私程度」って、「エレノア程度」だったら、マルコキアスに限らず、どの悪魔でも勝てんじゃね?

それ、どう考えても比較対象がおかしいでしょ?


「しかし今回はあくまで御主人様を中心とした「青き薔薇ブルア・ローゾ」として討伐に赴きます。

そうなりますと、微妙な所です。

ただし、全員の安全だけは保証できます。

御主人様やシルビア、ミルキィの3人が、正直マルコキアスの精神支配に耐えられるかどうかはわかりませんが、万一3人が精神支配されたとしても、そうなった場合、私が即座にガルドとラピーダに命令し、三人を連れてその場を離れます。

マルコキアスは縄張り意識が強いですが、それは裏を返せば、決して自分の縄張りの外へは出ないと言う事です。

ですからある程度逃げれば、追っては来ないでしょう。

そして精神支配の効果範囲から抜け出せば、精神は正常に戻ります。

ですから仮に勝てなかったとしても、我々が全滅する心配はございません」

「なるほど、つまり最悪でも我々は全滅はしないのは間違いないと言う訳か?」

「はい、そうです」

「精神支配の後遺症が残る事は?」

「基本的にはそれはありません。

ただし一旦されていた精神支配から逃れれば、その事を思い出せば、恐怖としては植え付けられるかも知れませんが・・・」


なるほど、トラウマになるかもしれないと言う事か?

それは確かに困るかもしれないな・・・


「どうする?みんな?このミッションを受けてみるかい?」

「私は御主人様にお任せいたします」

「私もです」


俺の質問にシルビアとミルキィは即座に答える。

俺はヘイゼルさんに現状を尋ねてみた。


「ヘイゼルさん、今の所の討伐状況はどうなっているのですか?」

「何組かの戦団ブリガード及び、単独の組合員が討伐に赴いていますが、現在までの報告では全て全滅か、マルコキアスの支配下に入っているそうです」

「支配下?つまりそれはマルコキアスを討伐しに行けば、その人たちも我々の敵になると言うことですか?」

「はい、そうです」

「その人たちの等級は?」

「こちらに入っている報告では全員一級以上で、中には白銀等級シルバークラスや、黄金等級ゴールドクラスの人もいるようです」

黄金等級ゴールドクラスまで?

それは流石に厄介ですね?

少々待ってください。

こちらでも検討してみます」

「はい」


さすがに2級や3級以下でそんな上級悪魔に挑む愚か者はいなかったとみえて、最低でも一級とは予想通りだが、逆にその分、状況は厳しくなった。

マルコキアス一体でも大変なのに、その配下に黄金等級ゴールドクラスだの、白銀等級シルバークラスだのの組合員がいては、たまったもんではない。

それではこちらがやられてしまう公算だって大きい。

ロッテさんやヘイゼルさんが言い渋ったのもそういう事か?

せっかく戦団ブリガードを結成したのに、その最初のミッションで全滅したり、相手の支配下に入ってしまっては、俺たちの名にいきなり傷がつく。

さっき、そういう戦団ブリガードがあると聞いたばっかりだもんな。

それを考慮してこのミッションを俺たちに言い憚ったのだろう。

もっともな事だ。

これはもっと慎重に検討をしなければならないだろう。

俺たちは窓口から離れると、全員で話し合った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ