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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
25/1014

0024 女奴隷エレノア

 その女の声に奴隷商館の主人が驚いたように答える。


「エレノアさん?

いや、こちらの方は始めての方で、とりあえず、ざっと奴隷を見てみたいという方なので、今回はあなたは関係ないと思いまして・・・」

「それでも良いですから、私にも紹介してください」

「はあ・・・それは別に構いませんが・・・」


その会話を聞いて俺は不思議に思った。

会話の内容から、どうやら声の主は奴隷のようだが、奴隷商館の主と奴隷の会話にしては変だ。

まるで奴隷の方が格上のような話し方だ。


「では・・・どうぞ」


奥の扉を開けて中に入ると、そこにはベッド、机など生活用具が一式そろっている12畳ほどの広さの小奇麗な部屋になっていた。

これが上級とはいえ、奴隷の部屋だろうか?と俺は不思議に思った。

しかも個室である。

そしてそこには一人立っている者がいた。

ここにいるからには女奴隷なのだろうが、ボロ切れでできたような茶色い服にフードをかぶっていて、顔や年齢はわからない。

せいぜいわかるのはその胸が大きい事くらいだ。

うん、この女奴隷、凄い巨乳だ。

乳を上げ底して騙していない限り、それだけは間違いない。

でも、なんで顔を隠しているんだろう?

いぶかしがる俺に、奴隷商人がその女奴隷を紹介する。


「シノブ様、こちらは特級奴隷のエレノアです」

「特級奴隷?」

「ええ、本来そのような等級は、うちの奴隷にないのですが、この人を売るにはかなり特殊な条件がございまして、例外として特級を設けました」

「特殊な条件?」


俺がいぶかっていると、その人物が奴隷商人に話しかける。


「・・・御主人」

「はい?」

「どうやらこの方が私の探していた人のようですよ」

「え?!」


奴隷館の若主人の顔はまるでこれ以上はないといった驚きである。


「本当ですか?エレノアさん?」


驚いて問いただす主人に女奴隷がうなずく。


「ええ、本当よ」

「では、この方に買っていただくという事に?」

「そうね、この人に買ってもらう事に決めたわ」

「そうですか、それは良かったです」


その二人の会話を聞いて俺は驚いた。

え?ちょっと待った!何で話が勝手に進んでいるの?

俺がいつ、この奴隷を買う事になったの?

驚いた俺が問いかける。


「ちょっと待った!

何で私がこの人を買う事で話が進んでいるの?

そもそもこの人は何なの?」


冗談ではない。

今までの話の流れから良心的な奴隷商人かと思ったら美人局だったのか?

これが目的で今まで俺に良心的な奴隷商人の演技をしていたのか?

まるで歌舞伎町のぼったくり風俗店だ。

これで帰ろうとすると、奥からごついおっさんどもがたくさん出てくるのか?

もっとも実際にそんな店には行った事はないが・・・


「これは大変失礼をいたしました。

私としても、あまりに突然の事で、ついうっかり、お客様をないがしろにして話を進めて申し訳ございません。

順番に説明させていただきます」


丁寧に頭を下げて謝罪する奴隷商人に俺も少々安心する。


「うん」

「実はこの方、エレノアさんは、かれこれ10年以上前、当商館の先代の頃からここに住んで自分を購入してもらえる御主人となる方を待っていたのでございます」

「10年以上前?」

「正確には15年前からでございます」

「15年・・・?」


それを聞いて俺も驚いた。

15年も奴隷になって、自分を買う人間を待っているとはずいぶんと気の長い話だ。


「はい、何でもある目的のための方を探していて、その方の奴隷となって、その方に尽くす事が目的で、自らを奴隷の身に落としたそうです」

「自分から奴隷に?なんでまた?」


どう考えても必要もないのに自分から奴隷になるとは普通ではない。

しかし首に奴隷の証である首輪をはめている以上、本当に奴隷なのだろう。

なぜそんな事になったのか、俺には全くわからなかった。


「そこからは私が話します」


そう言って、その人物は、今まで着ていた、自分のボロ切れでできたようなフードつきの奴隷服をスッと一気に脱ぎ捨てた。

そこには一人の女エルフが立っていた。

そう、何とエルフだ!

御約束通り、耳がとんがっている人!

神様からその存在は聞いていたが、この世界に来て初めて見る!


しかもただのエルフではない。

おそらく金髪長身はエルフにしては珍しい事ではないにせよ、顔の方はそれこそ超がつくほどの美形で、柔らかで気品のある微笑をたたえて立っている。

そしてその胸は・・・!

細身のエルフにあるまじき巨乳!

確かに先ほどの女教師も美人だった!

しかし比較して悪いが、このエルフの方がはるかに美形で巨乳だ。

いや、正確に言えば、俺好みの顔立ちだ。

しかも服装がまた薄手のローブのような物を着ていて、エロい事この上ない。

そしてその全身から匂い経つようなフェロモン感が尋常ではなかった。

これエルフじゃないよ!

エロフだよ!

エロ過ぎるよ!

驚く俺に、そのエロフ、いや、エルフが説明を始める。


「改めて私から自己紹介させていただきます。

私はエレノアと申します。

先ほどまでは姿を隠していて申し訳ございませんでした。

以前は普通に姿を見せていたのですが、私がこのような者だと見るや、こちらの意図とは関係なく、どうしても強引に購入しようとする方が後を絶たなかったために、このような方法をとらせていただきました。

どうか、お許しください」


うん、まあ、それはわかる。

こんな絶世美人のエルフを見たら、金持ちだったら金に糸目をつけないで買いたくなる奴がいるのは間違いないし、その気持ちはわかる。

それを防ぐためにはボロっちい格好をするのも仕方がないよな。

俺だって、もし金持ちだったらこのエルフを買いたくなるだろう。

あ、忘れてたけど、俺一応金持ちだったか?

それを思い出したら、ちょっとこのエルフを買いたくなるじゃないか!


「今この若主人が話したように、私はある目的で、人を探していたのです。

そして、それにはこの奴隷商館で、その人を待つのが良いと予測魔法に出たので、私はここで待っていました。

私は長い間、ここで待ちました。

そこについにあなたが来たのです。

あなたこそ私が求めていた方です」


ようやくある程度話が見えてきたが、一番肝心な事がまだわからない。


「その「ある目的」って?」

「残念ながらその目的はまだ申せません。

ただ私を購入していただけるなら、いずれお話しする事になるでしょう。

もちろん私はあなたに誠心誠意お仕えしますし、私は自分で言うのも憚りますが、かなり広範囲に渡って、物事をこなせますので、奴隷としても、とても使いではあると思います」


上級一般奴隷のさらに上級の特級・・・万能って事かな?


「万能型奴隷って事?」

「そう思っていただいて結構です。

この世の事、全てが出来るとは言いませんが、およそ大抵の事は可能なつもりです」


そのエルフの言葉を補足するように奴隷商人が説明をする。


「はい、この方はうちでも特別な奴隷です。

いえ、世界中探してもこのような奴隷はいないと断言できます。

一般的な家事全般はもちろんの事、戦闘、交渉、上級魔法までもこなします。

およそ出来ないことはないのではないか?と思うほどです」

「魔法まで?

でも、先ほどこの館には魔法の使える奴隷はいない、と言っていたはずですが?」


俺が奴隷商人に尋ねると、頭をかきながらアルヌは答えた。


「恥ずかしながら先ほどはこの人の事は忘れていたのです。

この人は色々と例外で、何しろ私が子供の頃からずっとここにいた人ですから・・・」


うん、15年も前からここにいるって言っていたもんな。


「あなたが子供の頃から?やはり、それは長い方なのですか?」

「もちろんです。

通常、よほど特殊な事情がない限り、奴隷は早ければ数日、長くとも数ヶ月以内には売れます。

半年以上、奴隷商館にいる奴隷などというのは、私はこの人以外に知りません」


それほど長い間ここで待っていたとは驚きだが、その待っていた人というのが自分とはもっと驚きだった。

ただ俺としては納得の行かない、不思議な事があったので、それを聞いてみた。


「ただ、どうしてその待っていた人が私だとわかるの?」

「それはあなたが私の捜し求めた条件に合致するからです」

「条件?なんでそんな事がわかるの?」

「はい、正直に言いますが、私は「鑑定」の能力を持っています。

ですからあなた様がどのような能力を持っているのかわかります。

私が見た限り、その能力は私が希望していた以上の物です。

ですから私はあなた様に私を買っていただきたいのです」


つまり、俺を待っていたというより、ある条件があって、それに合致する人間を待っていたという事か?

そして自分がたまたまそれに合致した人間だったと・・・なるほど、それならまだ納得できる。

確かに転生して神様に様々な能力を授けられている自分は鑑定能力で見れば尋常な能力ではないだろう。

・・・しかし、これは単なる偶然なのだろうか?

神様が何か絡んでいるのではないか?

そう思った俺はこのエルフに質問してみた。


「・・・それは私の転生とかに関係する件なの?」

「は?テンセイ・・・ですか?

いえ、それが何の事かわかりませんが、多分それは関係ない事だと思います」


どうやら転生した事はこの件とは関係ないようだ。


「ふ~ん、まあ、どっちにしても僕は奴隷商館っていうのはまだ2回目で、今日もどちらかと言えば、興味本位で来た方が大きいんだ。

確かに良い奴隷がいれば、買おうかなと考えては来たけど、まだこれと言って決めてはいないんだ。

ましてや自分で欲しくて選んだ奴隷ならともかく、そっちから勝手に売り込んできた奴隷を買う気には全くならないね」


そもそも誠心誠意と言いながら、最初からあからさまに目的も言わず、隠し事をしているのが怪しすぎる。

しかし俺の説明にもひるまず、そのエルフはまだ自分を売り込んでくる。


「おっしゃる事はごもっともで、その通りだと思います。

しかし私はあなたに買っていただきたいのです」


話は平行線だ。

確かにこのエロフ、いやエルフは万能系だと言うし、おそらくそれは嘘ではないだろう。見た目は美人だし、そういう意味では一晩お相手を願いたいくらいだ。

それに話した限りでは知的そうだし、交渉などにも活躍するという事は、知識や話術などにも優れているのだろう。

旅の供にも良いかもしれない。

しかし俺には当然の事ながら騙されているという不安はぬぐい切れなかった。

なんと言っても俺は騙されない男だからね!


「そりゃ、そちらとしてはそうかも知れないけど、こちらとしてはいきなり始めてあったエルフを奴隷として買ってくれといわれてもね・・・あれ?そういえばこの町に来てエルフという者をここで始めて見たけど、そもそもエルフって、平人へいじんに対しての人口比率はどれ位なの?」


平人へいじんというのはいわゆる普通の人間の事だ。

この世界では俺の前世での人間以外にも様々な人種がいる。

つまりエルフ、ドワーフ、獣人種などだ。

それらを含めての総称は「人間」だが、特に最も人数が多い「普通な人間」を「平人へいじん」と言う。

そして俺はこの町に来てから初めてエルフに会った。

実際には、この町どころか、この世界に来てから初めてだ。

俺が尋ねるとアルヌさんが答える。


「そうですね、私もよくはわかりませんが、平人へいじん千人に一人もいないんじゃないでしょうか?」


エレノアもさらに詳しく説明する。


「単純な比率で言ったら、だいたい平人へいじん千五百人に対して一人位のはずですわ」


え?千五百人に一人!そんな希少種だったのか!

それを聞いてますます俺は怪しむ。


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