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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
24/1014

0023 奴隷見学

 奴隷商人であるアルヌさんに実際に奴隷見学を言われて、俺は少々怯んだ。

なんと言っても昨日までは奴隷なんぞとは全く縁がなかった生活をしていた上に、前世では全くなじみがないのだ。

しかしこれもこの世界での経験とわりきって返事をした。


「う、そうですね、では後学のために」


返事をした俺に、アルヌは機嫌よく、扱っている奴隷の説明を始める。


「当館はこの町、ロナバールで、もっとも大きな奴隷商館でもあり、お客様の御要望に応じて、雑役用から始まって一般用、肉体作業用、戦闘用、性奴隷と、それぞれ男女各種族多岐に渡っておりますが、どのような種類の奴隷をお望みですか?」

「う~ん・・・奴隷の種類か・・・」


正直どれが望みと言われても、初めてなのだから、何もわからない。

しかしサラッと説明されていたが、御約束で性奴隷なんてのもやはりいるのか・・・などと考えて、俺は内心ドキドキした。

前世で女性に縁がなかった俺に動揺するなというのが無理だ。

考え込んでいる俺に主人が話しかけてくる。


「もちろん、多目的型もございますよ」

「多目的型?」

「ええ、まあ、一般用がそのような物ですが、一般用の中に戦闘に向いている者や、性奴隷にもできる者もおります。

お客様の利用目的を言っていただければ、こちらでその目的にあった者をお勧めする事もできます」

「まず一般用というのが漠然としすぎていて、よくわからないのですが・・・」


俺の質問にアルヌが淀み無く答える。


「一般用というのはいわゆる家庭の仕事全般ですね。

単なる雑用ではなく、炊事、洗濯、掃除、買い物、子守、小間使いなどです。

そして読み書きが出来て単純な計算、最低でも足し算と引き算が出来る者をさします。

読み書き計算が出来ない者は雑役奴隷として扱われます。

雑役奴隷は奴隷の中でも最も安く、通常金貨数枚程度ですが、一般奴隷は最低でも金貨10枚以上になりますね。

もちろん奴隷によって得意不得意もございます。

その件に関しましては御購入の際に説明させていただきますので、料理をさせたいのに、料理ができない奴隷を買ってしまったりなどという事はございませんので、ご安心ください。

お客様の目的を言っていただければ、その御希望に沿った者をご用意させていただきます。

多目的奴隷というのはその複合型ですね。

例えば事務計算もさせたいが、迷宮に連れて行き、戦闘もさせたい。

旅に出るのに護衛用に連れて行きたいが、旅先で料理もさせたいといった、複数の目的に特化した奴隷の事でございます」


なるほど、詳しく説明されてよくわかったが・・・しかしまたもや目的か・・・目的と言われても正直まだこれと言った物はない。

強いて言えば当分の間は、まだこの世界になれる事が自分の目的と言っていい。

なんと言っても自分はこの世界に転生したばかりで、まだまだこの世界はわからない事だらけなのだ。

そしてもう一つの目的はレベルアップだ。

こちらははっきりしている。

そうなると、広範な知識を持って旅を一緒にして、話し相手になってくれる友のような感じの奴隷がいい。

いや、待てよ?

俺の好みの御姉さんのような奴隷を買えば良いのか?

いかん、いかん!何かそれは方向性が違うような気がする。

そもそも友になる者を金で買うというのもどうかと思うが、それは多分、こちらの感覚の持ちようだろうと考えて、その希望を主人に伝えてみよう。

それにさし当たっては、魔物と戦ってレベル上げも目的としているので、戦闘向きの方が良いだろう。


「その・・・先ほども言ったように、実は私は非常に遠い場所から来たので、正直まだこの国に慣れていないです。

だからこの辺の知識に詳しくて、出来れば戦闘も可能な者が良いですね」

「知識とは・・・どれ位ですか?」

「さしあたっては、この辺の一般常識程度で良いのですが」

「それでしたらほぼ全ての奴隷が持っていますので、単純に戦闘用という事でよろしいですか?」


そう言って、アルヌが戦闘奴隷を薦めてくる。

言われてみればその通りなのだが、単なる戦闘用奴隷では、何か自分の求めている者と違うような気がする。

戦闘奴隷と言うと、どうも個人的には、古代ローマ辺りの屈強なあんちゃんや、顔にごつい傷がついている強面のおっさんを想像してしまう。

いや、それは偏見かも知れないが・・・やはり俺が求めているのとは違うと思う。

俺がその点を説明する。


「いや、単に戦闘だけではなく、多少は家庭的な事も出来て、出来ればなんと言うか、そう、良い話し相手になるような者が良いのですが・・・」


俺のわかりにくい説明の意図を汲んで、アルヌが考えてくれる。


「ふむ・・・となると、戦闘向きの召使型のような者ですかな?

戦闘も可能な執事や女中といったような?」


その説明を聞いて、かなり自分の希望に近くなってきた気がする。


「そうそう、そんな感じだと思います」

「そういう事ですと、一般用の中か上と言う事になりますね」

「一般用の中か上?」

「そうですね、一般用というのは先ほどもご説明した通り、一般家庭で必要な事が可能な奴隷で、それぞれ上・中・並の段階に分かれています。

それの並というのは先ほど説明した、もっとも一般的な奴隷で、お値段も雑務用に次ぎ安価です。

まあ家事全般ですね。

一般用の中というのは執事のようにある程度、知識と教養があって、家庭業務に卓越している者か、もしくは家庭作業は通常程度ですが、何かしらの付加能力がついている者ですね」

「付加能力?」

「ええ、例えば、計算能力が四則演算が可能で、戦闘にも長けているとか、他には何か特殊技術を持っているなどのですね」

「特殊技術?例えば魔法とか?」

「魔法は特殊技術の中でも特に珍しく貴重な部類になるので、中ではなく、もしいれば上の分類になりますね」

「なるほど」

「それに魔法使い自体が奴隷になる事が珍しいですから、一般用の奴隷に魔法を特殊技術としてつけて売る事はまずありませんね。

魔法使いの場合は魔法技術だけで高く売れますから魔法使いに一般作業をさせるなどもったいなくてできません。

ですから魔法が使える奴隷の場合は大抵「魔法使い」枠の奴隷として扱いますね。

多少の魔法使い程度なら一般用の上辺りになる可能性もありますが、「魔法士」や「魔道士」となれば、必ず魔法使い扱いになります」

「魔法士?」


それって、確か正規の魔法使いの一番下の階級だよな?


「魔法士というのは、独学や聞きかじりではなく、正式に魔法協会の魔法初等学校を卒業した者の称号です。

魔道士は中等学校を卒業した者の称号ですね」


そうそう、思い出した。

確かガイドブックの魔法編に、そんな事が書いてあったし、シルビアさんたちにも説明してもらったっけ。


「聞いた事があります。

確か魔法高等学校もあるんですよね?」

「ええ、魔法高等学校を出た場合は、称号が「魔法学士」となります。

もっともそんな高位の魔法使いが奴隷になる事は、まずありませんがね。

それどころか、魔道士が奴隷になる事も、まずありません。

それに一口に魔法使いと言っても、分野や等級によってもかなり値段にバラつきが出来ます。

火炎系の魔法使いやタロスの魔法使いはそこそこいますが、治療魔法や航空魔法の魔法使いは非常に重宝ですが、数がとても少ないですから極端に値段はあがるでしょう」

「なるほど」


その説明に俺はうなずくしかなかった。

確かに貴重な魔法使いに一般作業をさせるなど、無駄使い、牛刀で鳥を裂くような事。

例えるならプロ野球の選手や一流コックを雇って、わざわざ井戸からの水汲みをさせるようなものかも知れない。

それは確かにもったいない。


「そもそも正式な魔法士や魔道士でなくとも、魔法使いの奴隷自体が少ないので、滅多に奴隷商館にもおりません。

残念ながらわが商館でも魔法の使える奴隷は現在扱っておりません。

年に数回は入ってくるのですが・・・もし魔法使いの奴隷がお望みの場合はお客様のご連絡先を聞いておいた方が良いですね。

そうすれば入荷した場合、すぐにお知らせする事が可能ですから」


この奴隷商館はこの大きな町の中でも、一番大きな規模だと聞いた。

そこで年に数回しか入ってこないのでは、確かに魔法使いの奴隷というのは貴重なのだろう。

もっとも魔法使い自体が珍しいのだから当然だ。


「いや、現時点で魔法使いの奴隷が欲しい訳ではありません。

しかし参考までに伺っておきたいのですが、この国の人口に対する魔法使いの比率というのはどれくらいなのでしょうか?」


俺の質問に奴隷商人が考え込みながら答える。


「そうですね・・・あくまで私の主観ですが、人口数十人から百人に対して一人という所でしょうか?

ただこれはあくまで低位の魔法使いや非公式な者も含めてですから、正式な魔法士ならば200人に一人、ましてや中位の魔法使い、つまり本格的な魔道士となれば、千人に一人という所でしょう。

またこれは一般的な場所の比率ですから、少ない場所ではもっと少なくなるでしょうし、逆に帝都では多いでしょう。

特に魔道都市と言われているマジェストンなどに行けば、町の住民の三人に一人は魔法使いと聞いています。

また魔人の里などでは、村人全員が魔法使いだとも聞いております」


なるほど、この主人の言う事は、自分の読んだガイドブックやシルビアさんの話とだいたい合致している。

そういえば魔法使いがウヨウヨいる魔法都市などという物が、ガイドブックに書いてあったし、シルビアさんも説明していたのを俺は思い出していた。

そのうち行ってみたいものだ。

しかも村人全員が魔法使いの村があるだと?

何じゃ?そりゃ?そんな村があるのか?

反則みたいな村だな?


「わかりました。

ではその魔法使い以外の一般用の上というのは、どういう者なのですか?」

「それは一般用の事をかなり高度にこなせる上に、複数の技術を持つ者や、持っている技術が一種類だとしても、魔法のように非常に特殊だったり、高度な技術を持っている者ですね」

「なるほど、では、その一般用の中と上というのをみせてください」

「かしこまりました。

男女に分けてありますが、どちらをごらんになりますか?」


それを聞かれて俺は迷った。

まあ、この間は男部屋を見たから、今度は女部屋を見てみるか?

いや、決して女奴隷を見てみたい訳じゃないよ?


「・・・では女性で」

「かしこまりました、ではこちらへどうぞ」


そのままアルヌについていくと、近くの部屋へと案内された。


「ここが一般用中級奴隷の女部屋です」


なるほど、部屋の中には年齢はまちまちだが女性ばかりだ。

全部で8人ほどいる。

全員、簡単な貫頭衣のような物を着ていて、我々が部屋に入ると、座っていた者も立って出迎える。

その奴隷たちをアルヌが端から順番に説明していく。


「この者は以前食堂で働いていたので、料理ができますね」


一番手前にいた見た目が30代前半ほどの女性を説明すると、本人が自己紹介をする。


「はい、食堂と言っても大層な所ではなく、町の大衆食堂のような所で料理を作っていました。

それなりに料理はできますので、よろしくお願いいたします」


その女性の胸の部分には名前と年齢、特技が書いてあって、特技は料理と書いてあった。俺には鑑定の能力があるから必要ないが、一般人のためにわかりやすくしてあるのだろう。

もっとも俺の鑑定能力でも特技や趣味まではわからないので、ありがたい。

アルヌさんが次の女性を説明する。


「この者は事務仕事が速いです」

「はい、私は以前、大き目の商店に勤めていましたので、事務仕事はかなりできるとおもいます」


そういった感じで、アルヌさんが、部屋の中の女性を次々と紹介していく。


「一般中級はこんな所です。

男性の場合は、大工やパン職人などがいる場合が多いですね。

では次は上級の部屋に行きましょう」


その部屋を出て隣の部屋へ入る。

前の部屋と似たような部屋だが、もう少し広く、今度の女性たちは服装も簡単なブラウスにスカートをはいている。

上級のせいか、先ほどの部屋よりも中にいる人数は少なく、5人ほどだ。

また奥の方には何やら別の部屋の入り口らしい扉も見える。

アルヌさんが奴隷たちの紹介を始める。


「こちらが一般の上の部屋ですね。

この者は教師をしていたので、資産家のお子様の教育係りなどに向いていますね」


そう紹介された女性は20代後半の見た目の黒い長髪の女性で、結構美人だった。

ちょっと魔法協会のシルビアさんに似ている。

こっちの方がやさしそうだけど、胸はシルビアさんほどはない、と言うか、あの人、巨乳過ぎ!

まあ、俺は巨乳お姉さん大好きだからいいんだけど・・・

俺がそんな事を考えていると、その女性が自己紹介をする。


「クローネと申します。

以前、帝都の一般学校で教師をしておりました。

一般初等学校で教える基本的な事ならば、全て教える事ができます」


微笑みながら自己紹介する雰囲気は中々知的で良い感じだ。

なるほど、個人的な家庭教師用か。

いいなあ~俺もこんなやさしそうな美人教師に教わりたかったな~。

あ、俺は今この世界では十代の体だから、今からでも教われるか!

俺がそんな事を考えていると、その女性が微笑みながら自己紹介を続ける。


「お子様が御子息の場合は、夜の御世話もさせていただいて構いません」


そう言われて、胸の部分を見てみると、特技が初等教育全般(性教育も含む)と書いてある。

・・・え?・・・なんですと!

おいおい!

この美人女教師に勉強だけじゃなくって、夜も別の事を教えてもらえちゃうのか?

お子様にじゃなくて、本当に俺が買って教えてもらいたくなるじゃないか!

どうしよう!

うわあ~!うわあ~!本当にこの人買っちゃおうかな?

思わず興奮して購入意欲を掻き立てられた俺の気持ちも知らずに、アルヌさんが次の女性を説明する。


「この者は薬の調合ができます」


30代前半の女性が自己紹介する。


「以前、薬師の店で働いておりました。

簡単な薬の調合もできますが、調合をしていたせいで、計算もかなり複雑な物ができます」


なるほど、薬師見習いみたいなものか、確かにそれは高度な技術だな。

上に部類されるのもわかる。

そのようにして先ほどと同じように全ての女性の紹介が終わった。

でも俺はさっきのクローネ先生が気になってしょうがない。


「・・・以上で、一般用の上も終わりですね」

「なるほど・・・」


正直言って、後半の説明は上の空だった・・・御主人、せっかく説明してくれたのに、はっきり言って、俺はロクに聞いていませんでした!

すみません!

それほど俺としては先ほどの美人女教師の存在はでかい!

うん、もう本当にクローネ先生を買っちゃおうかな?

それでセンセーにこの国の事や、町の常識をやさしく教えてもらうんだ~。

だってボク本当に、何にもこの世界の事は、まだわからないんだもんね?

そして夜は別の事を教わって・・・えへへ・・・あはは・・・うふふ・・・戦闘は取りあえず、自分とゴーレムでやればいいんだし・・・魔物を倒して家に帰ったらセンセーがいて、御飯を作ってくれて待っていて、御飯を食べ終わって夜になったら・・・あははは・・・

イカン!

俺のオネショタ妄想に限りはない!

俺が半分以上本気でクローネ先生の購入を考え込んで、邪な妄想に耽っていると、突然、奥の扉があった場所の中から声が聞こえた。


「あら、私の紹介はなしですか?」


それはずいぶんと気品のある、美しい女の声の響きだった。

え?一体誰?


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