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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0203 ブリジットとホワイティ

 うちの屋敷にやってきて、俺たちの前に立った二人は元気よく挨拶をする。


「初めまして、ブリジット・ベーカーです!」

「ホワイティ・ベーカーです!」


二人とも感じが良さそうな娘で、年は17歳だそうだ。

という事は、ミルキィと同じ年か?

でも双子って聞いていたけど、思ったより似てないな?

二卵生なのだろうか?

ブリジットの方は黒に近い焦げちゃ色の短髪で、体育会系少女みたいに日に焼けているし、ホワイティの方は後ろで長い黒髪をまとめていて色白だ。

こちらは何となくのほほんとした御嬢様っぽい。

ともかく俺は話を始めた。


「よく来てくれました。

私がこの屋敷の主人のシノブ・ホウジョウです。

今回の仕事の内容は聞いていますか?」

「はい、大叔父から聞いております。

何でもとてもおいしくて、画期的な食べ物の販売とか!」

「私達二人ともおいしい物には目がないので、すぐに引き受けました!」

「計算とか、接客とかは大丈夫ですか?」

「はい、私達はパン屋で働いた事もあるので、大丈夫です!」

「パン屋で?ではパンなども作れますか?」

「はい、普通のパンでも菓子パンでも作れます」


それを聞いて俺は一安心した。

パンを作れるなら、まず中華まんも作れるだろう。

接客と計算が出来て、調理も出来るならありがたい。


「ではまず、実際にあなた方が売る物を食べてみてください。

これは「肉まん」と言う食べ物です」


ふかしたての肉まんを食べると、二人は狂喜乱舞した。

うん、ふかしたての肉まんはおいしいよね?


「これはおいしいです!これを売るのですか?」

「ええ、そうです」

「是非やらせてください!」


そしてもう一つ、実験で作ったあんまんも食べさせてみた。

こちらも大喜びだ!


「何ですか?これ?あっまーい!」

「これも一緒に売るのですか?」


二人が興奮して聞いてくるが、俺は首を横に振って答える。


「いいえ、今回売るのは先ほどの「肉まん」だけです。

こちらは「あんまん」と言うのですが、残念ながら材料がまだ大量に手に入らないので売るほどはないのですよ。

こうやって身内に少々食べてもらう程度です。

ただ将来的に材料の仕入れに目処がついたら一緒に売りたいと思っているので、御二人には参考に食べていただいたのです」

「ええ、是非これも一緒に売りたいです!」

「私もです!」


二人ともやる気満々の様子だ。

俺はさらに仕事の説明をする。


「仕事はこの肉まんを作って売る事です。

材料はこちらで仕入れて用意します。

最初は調理、販売だけですが、その内に会計、店の管理とやっていただいて、ゆくゆくは店を丸ごと一切任せたいと考えています。

自由日と休日は休みの予定です。

但し休日は完全に休みですが、自由日は場合によっては店は休みでも、研修などがある場合も多いです。

住み込み食事つきで、一ヶ月大銀貨5枚でいかがですか?」


その俺の言った条件に二人が食いついてくる。


「え?住み込み食事つきで、月に大銀貨5枚もいただけるのですか?」

「やりたいです!」

「ええ、是非やらせてください!」


この世界での人件費はかなり安い。

しかも住み込み食事つきなら、それだけで1ヶ月で一人頭、金貨2枚くらいの経費はかかってしまう。

それにさらに給料を払うとなると、大抵は大銀貨2~3枚程度だ。

大銀貨1枚も珍しくはない。

メディシナーで1番安い魔法治療士は、寮住み込み食事つきで、日給銀貨1枚だった。

それが仮に1ヶ月に20日働けば、月給は大銀貨2枚だ。

だから住み込み食事つきで、月に大銀貨5枚は破格といえる。

二人が喜ぶのも当然だ。

だが俺はあの店の忙しさなら、それ位は払っても良いと考えた。

それにこの二人は店長候補として呼んだのだ。

先行投資と考えて俺は奮発してみた。


「では、採用という事で仕事を始めていただきます。

ただ最初の一ヶ月は仮採用という事にしておきましょう。

その間に何か問題があった場合は、採用を見合わせていただきます。

そちらも仕事が合わない場合は申し出てください」

「わかりました」


一応、採用が決まったので、次は実習だった。

まずは数字を教える所から始まった。

二人とも魔法士なので、一応簡単な計算は出来たのだが、数字を覚えさせていた方が良いとおもったからだ。

二人とも1日ですぐに数字を使った計算を覚えたので、俺はホッとした。

次はいよいよ肝心な肉まん作りだ。

まずはうちで生地をつくり、肉餡を作る所からだ。

すでにキンバリーが肉まんを作れるようになっているので、二人を指導してもらう。

ジャベック冷蔵庫から肉を出し、挽き肉器でひき肉にして、みじん切りにした玉ねぎやキノコとともに調味料で味を調えて肉餡を作る。

それを生地の中に包み、竈で蒸し上げる。

2・3日もすると、二人ともだいたいできるようになったので、次は実際に店で実習だ。

今度の先生はポリーナだ。


「ポリーナ先生!よろしくお願いします!」

「はい、こちらこそ」


二人はポリーナよりも年上だが、素直にポリーナの言う事を聞いて、一生懸命に店での調理法を覚える。

家と店との違いは調理空間の狭さと、火ではなく発熱タロスで調理する事だ。

もっとも広さの方はともかく、発熱タロスの調理は火をおこして蒸すよりも、むしろ楽なので、二人は安心したようだ。

元々この二人は魔法士なので、この方がやりやすいらしい。

確かに薪と発熱タロスの調理では、竈と電磁調理器を使うほどの差があるだろう。

そしてこの頃には俺も蒸し器を改良して大型にしていた。

開店当初は丸型の4つしか入らない大きさだったが、今や16個も入る大型の四角い井型の蒸し器を使い始めている。

これを5段重ねで使っているので、一回で80個も肉まんを作る事が出来るようになった。

もちろん以前の小さい丸型も活躍している。

二人は肉まんをせっせと作って練習する。

数日もすると、完全に慣れて来たので、ブリジットは肉まんを作りながら、隣で一緒に作っていた俺に話しかけてくる。


「それにしてもこの肉まんはおいしいです!

これは街では売らないのですか?」

「うん、実はそういう話も来ているんだ。

是非、町でも売って欲しいって言われていてね。

だけど、やはり人手が足りなくってねぇ・・・

それで今回も君たちに来てもらった訳だけど」


俺がそうぼやくと、二人が目を輝かせて話す。


「あの、もしよろしければ、私たちの友人を呼びましょうか?」

「え?友人?」

「ええ、魔法学校で同級生だった友人たちです。

私たちと同じ魔法士ですから、ちゃんと魔法も計算も出来ます!

彼女たちも良い所に勤めたがっているのですが、中々良い場所がなくて困っているのです。

でもホウジョウ様の所なら、話せば誰でも喜んできますよ!」

「そうかい?」

「ええ、だって住み込み食事つきで、しかも月に大銀貨5枚だなんて、こんな良い条件はそうそうありません!」

「そうなんだ?

でも君たちと同様にちゃんと仕事も出来て、信用できるのかな?

その点は大丈夫なの?」

「大丈夫です!

みんな学生時代にも成績優秀で、卒業後も少し仕事を一緒にした事がありますから!」

「それに私達、そんな信用できない人間と卒業後まで付き合いません!」


この二人は想像以上に優秀だった。

その二人が推薦する友人たちなら同程度に優秀かも知れない。

俺はその友人たちとやらを呼んでみる事にした。


「そうか、じゃあちょっと呼んでもらおうかな?」

「かしこまりました!何人呼びましょうか?」

「え?何人くらい集められるの?」

「信用のおける人間でしたら6人位ならば大丈夫です!」

「じゃあ、6人呼んでもらおうかな?」

「承知しました!」


こうしてブリジットたちの友人たちも呼ぶ事になった。


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