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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
202/1016

0195 昇降機設置会議

 俺たちは2・3日、家で設置作業の計画を練っていた。

そして多少の実験をするために、実際に迷宮に行って、壁や床の様子を調べてみた。

剣や斧や鶴嘴を使って、迷宮の壁や床を削り、色々と検証もしてみた。

その結果、様々な事がわかり、徐々に具体的な計画が出来あがっていった。

ほぼ計画が終えた所で組合に行くと、グレゴールさんから知らせが来た。


「シノブさん、例の件ですが、あちらに話をつけておきましたよ。

問題はないそうなので、好きな人員を引き抜いてください。

昇降機設置作業の間は組合うちへ出向扱いにするそうです」

「そうですか!

ありがとうございます!」


これでシルビアさんとエトワールさんを加える事が出来る。

正規の魔道士である、あの二人が加わってくれるなら心強い。


俺たちは魔法協会に行って、早速二人を勧誘した。


「許可が出たそうなので、誘いに来ましたよ!」

「ええ、こちらにも話は来ているわ。

昇降機設置の要請が来たら極力受けるようにとね」

「ええ、その間、こっちの仕事はなしで出向扱いだそうよ」

「それは良かったです。

では御二人とも参加していただけますね?」

「ええ、もちろんよ!」

「私も喜んで参加させていただくわ」

「それはありがたいです!」


実力があって、気心も知れているこの二人に加わってもらえるのは俺としても非常にありがたい。

俺が喜んでいると、シルビアさんが別の話を切り出した。


「あ、それともう一つお話があるのだけど?」

「何でしょう?」

「ええ、私達の知り合いで、今回のミッションに参加したいと言う人がいるのよ」

「そうそう、身元とか実力は私達が保証するわ。

何と言っても二人とも協会うちの職員で魔法学士だから」

「魔法協会の職員で魔法学士?二人もですか?」


俺は驚いた。

魔法学士が二人も加わってくれるとはありがたい。


「そうなのよ、二人とも今回のミッションにどうしても参加させて欲しいと言ってね。

良いかしら?」

「ええ、お二人の推薦と言うのでしたら問題は無いと思いますので、構いませんよ?

大丈夫だよね?エレノア?」

「ええ、協会の職員で、魔法学士でしたら頼りになると思いますので」

「良かったわ、じゃあその二人に伝えておくわね?

最初の会合はいつかしら?」

「次の自由日に午後1時からマスタークラスで1回目の会議を開く予定です」

「わかったわ、ではその時にその二人も連れて四人で行くわね?」

「はい、わかりました」


こうして二人の参加も決定となった。

しかも思いがけず、さらに二人の人員追加となった。

それも魔法学士ならば頼りがいがありそうだ。

バロンも男爵仮面から話が通って参加を表明してくれたようだ。

これで必要な人員は集まった!

いよいよ本格的に昇降機設置へ始動だ!


俺たちは組合のマスタークラスで、全員を集めて最初の本会合を始める。

ちなみに会合は5回までは組合が支払いを請け負ってくれるそうだ。


シルビアさんが連れて来た二人を俺たちに紹介する。


「シノブさん、こちらがこの間話したゼルさんとマドレーヌさんよ」


紹介された二人が俺に挨拶をする。

まずはがっしりとした中年の男性だ。

鋼鉄の剣と革の鎧を装備していて、見た目は魔法協会の職員というよりも、中堅の組合員といった感じだ。


「初めまして、私、魔法学士のゼルと申します。

今回はこの貴重なミッションに参加させていただいてありがとうございます」


その紹介にエレノアが少々驚いた顔をする。


「ゼル・・・さん?」

「はい、よろしくお願いいたします」


二人は無言で顔を見合っている。

あれ?これひょっとして魔法念話か何かしているのかな?

この二人は知り合いか何かなのだろうか?

まあ、いいや、俺はエレノアの過去を詮索しない事にしている。

エレノアが話してくれるのを待つのみだ。

むしろ、俺はこの隙にこの人を鑑定してみた。


平人 男性 レベル402 87歳


うほっ!レベル402だって?

今まで俺が会った人間で、これよりレベルが高い人間は、エレノアを除けば、後は組合長のグレゴールさん位だ。

しかも見た目は地球で言えば、50代前半程度にしか見えないが、実際には87歳か・・・

この人、一体何者?

俺がそんな事を考えている間に二人の無言の会話は終わった様子だ。


「・・・わかりました、ではゼルさん、よろしくお願いいたします」

「はい、お願いいたします」


続けて見た目が30代ほどの女性が挨拶をする。

こちらはシルビアさんたちと同じく魔法協会の制服姿だ。


「私はマドレーヌと申します。

このような事は初めてですので、よろしくお願いいたします」

「いいえ、僕も含めてほとんどの人間が初めてなので気にしないでください。

大丈夫ですよ。

みんなで仲良くやりましょう!」


俺がそう答えると、ゼルさんが話してくる。


「はい、ありがとうございます。

ところでせっかく参加を許可していただいたのに、大変申し訳ないのですが、私とこのマドレーヌは日によっては、どうしてもはずせない仕事もあり、参加不能な日がありそうなのです。

ですが、私達二人の必ずどちらかは参加させていただきますので、どうかそれで御容赦いただけないでしょうか?」

「ええ、それ位は大丈夫ですよ。

どちらか御一人は必ず参加していただけるのですね?」

「はい、それは保証させていただきます」

「わかりました。それを含めて計画を立てましょう」

「はい、こちらから参加を希望しておいてわがままを言って、申し訳ございません」

「いいえ、気にしないでください。

それでは会議を始めましょう」

「はい。よろしくお願いいたします」


集まったメンバーはマギアマッスル、男爵仮面、グレイモン、サイラス、ザイドリック、アレクシア、バロン、シルビア、エトワール、カベーロス、ゼル、マドレーヌの12人と、俺たち7人で合計19人だ。

予定した以上の人数が集まって、俺も一安心だ。

しかもこの面々は中々に心強い。

俺は簡単に魔法協会から来た四人を紹介すると、早速話を切り出す。


「皆さん、本日は昇降機設置ミッションの会議に集まっていただいてありがとうございます。

早速1回目の会合を開きたいと思います。

まずは計画の概略と各階の責任者を決めたいと思います」


俺は設置計画を話し始める。


「皆さんも御存知のように今回のミッションは、ロナバール北東の迷宮に昇降機を設置する事です。

ミッションの概略としては、まずは1階広場の設置、昇降機の設置、そして各階層出入り口での安全地帯の設置の3点です。

計画としては、まずは1階広場を作り、そこへ資材の搬入、次に各階層の壁を削り、安全地帯の設置、同時に各階層から上下への試作孔の穿孔、しかる後に1階から15階までの竪穴を作り、最後にそこへ昇降機ジャベックを作る予定です」


俺の説明に一同がうなずく。


「そして設置期間は2週間を予定しています」


その途端にうち以外の人員たちが騒ぎ始める。


「え?二週間?」

「たったの?」

「私は以前の南西の迷宮の時は、100人以上で3ヶ月はかかったと聞いていますが?」

「私もです」

「おう、俺も最悪半年位は覚悟の上だったんだけどよ?」


ある程度一同が落ち着いてくると、俺が説明を再開する。


「皆さんの懸念はもっともです。

この件に関して私はこのエレノアやうちの仲間と詳細に検討しました。

その結果、2週間で十分だろうという事になりました」

「ほう・・・」

「それは凄い」


俺は説明を続ける。


「まずは、南西の迷宮の時は確かにオリハルコン等級の人が指揮を執り、100人以上で設置を行いました。

そして設置にかかった時間は約3ヶ月です。

しかし調べてみると、全員がほぼ素人の初心者だったのです」

「初心者?」

「ええ、全員魔物退治には精通しているものの、過去に昇降機の設置をした人は誰もいなかったのです。

そして迷宮に昇降機を設置したのも初めてでした。

つまりすべてが手探り状態だったのです。

しかし我々は過去の記録を読んで、最も効率的な方法を考案しました。

そしてエレノアは昇降機製作経験者で、どのようにすれば良いか知っておりますし、それにうちには土木建築関係も、それなりにわかっている人材が多いのです」

「土木建築を?」

「はい、エレノアはもちろんの事、私とミルキィは金剛杉の伐採をした事があるのです。

実際に我々は迷宮の壁や床の硬度や頑健さを調べてみたのですが、どうやら金剛杉ほどは硬くないようです。

ですから金剛杉の伐採の時と比べれば、それほど大差は無いと思います。

それにポリーナはゴブリンキングを倒した時に、要塞を作った経験があるので、ある程度そういった事にも知識があります。

そしてフレイジオもノーザンシティでジャベックを使ったそういう作業をした事があるそうなので、こういった工事も、ある程度の知識があるそうです」


俺の説明に一同が感心する。


「なるほど、今回は素人の集団ではないという事ですね?」


ゼルさんの質問に俺が答える。


「はい、その知識を結集した結果、決して2週間という期間は、空想ではなく、現実的な期間として計算されました」

「さすがですね?」

「ええ、驚きました」


サイラスさんとアレクシアさんが感心してうなずく。

俺は話を続ける。


「今回、我々の事前調査で、もっとも驚いたのは、迷宮には再生能力がある事です」

「再生能力?」

「はい、文献にも書かれていて、実際に我々も実験してみたのですが、迷宮には自己再生能力があるのです。

実際に我々が小さな傷をつけてみると、翌日にはその傷が無くなっており、多少大きな傷をつけても、数日後には再生して元通りになっていたのです」


その俺の説明に数人が驚きの声を上げる。


「何と!」

「そんな事が?」

「それは初耳ですね?」

「うむ、私も初めて知った」


みんなが騒ぐ中、ザイドリックさんが話す。


「いや、確かに迷宮は再生するぜ?

俺は以前、間違って迷宮の角を結構派手にぶっ壊した時があったんだ。

俺は丁度いいんで、そこを目印にしていたんだが、それが段々小さくなって行って、1ヶ月位したら完全に元に戻りやがった」

「そんな事が?」

「それは驚きですね?」


一同が驚く中、アレクシアさんが話す。


「私も迷宮が再生するという話は聞いた事があります」


その意見にシルビアさんとエトワールさんもうなずいて話す。


「そうですね、魔法協会でもその話は聞いた事があります」

「ええ、そうね」


俺がその話にうなずいて説明を続ける。


「ええ、今ザイドリックさんやアレクシアさんが話した通りで、迷宮は再生能力を持っているのです。

私達も実際に実験をしてみたので間違いはありません。

昔、南西の迷宮で設置に時間がかかったのは、そのせいもあるようなのです。

ですから我々はその再生能力を上回る速度で工事をしなければなりません。

それが2週間で作業を終える理由の一つでもあります」


俺の説明に一同がうなずくが、ここでマギアマッスルさんが手をあげる。


「一つ疑問があるのですが?」

「はい、何でしょう?」

「迷宮に再生能力があるのならば、何故昇降機を設置できるのでしょうか?

南西の迷宮も昇降機前の広場などは強制的に壁を壊して広げて作ったと思うのですが、すでに何年も経っているのにそのままです。

なぜ再生しないのでしょうか?」


その質問に俺が答える。


「はい、我々もそこは疑問に思いました。

その件に関して色々と調べた結果、どうやら迷宮の再生力は完全ではないという事です」

「完全ではない?どういう意味なのでしょうか?」

「例えば、人間がちょっとした怪我をすれば、そこは再生しますよね?

しかし手や足を丸ごと失くしてしまった場合はどうでしょう?」


俺の質問に男爵仮面が答える。


「うむ、それは再生せぬな」

「確かに・・・再生治療呪文でもかけぬ限り、自力では手や足までは再生せぬな」


グレイモンの答えに俺はうなずく。


「その通りです。

つまり再生能力のある迷宮と言えど、完全に壁を中心部まで失くしてしまうと、そこまでは再生しないようなのです。

そのおかげで我々も昇降機を設置できるのです」


俺の説明に一同がうなずく。


「なるほど・・・」

「そういう事なのか?」

「はい、一部では昔から迷宮は生物の一種ではないかとも言われていますが、実際にそうなのかも知れません。

私もそれに関しては興味はありますが、今回はそこまでは追及しません。

我々としては迷宮を削った結果、昇降機が設置可能だという事が確認できれば、それで十分です」


俺の説明に一同もうなずく。


「そうですね」

「ええ、私もそれで構わないと思います」


一応、皆が納得したので、俺は話を先に進める。

次は各員の担当場所の割り振りだ。


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