表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
20/1014

0019 魔道士たちの使役物体魔法講義

 シルビアさんが俺にゴーレムの説明をしてくれる。


「ゴーレムを作ったり、買ったりって言っても、いわゆる普通のゴーレムじゃなくて「ジャベック」っていうのよ?知ってる?」

「はい、名前だけは」


ジャベックというのは、確か中級ゴーレムの名称のはずだ。


「ええ、いわゆる普通のゴーレムは、正確には「タロス」って言って、役目が終わるとすぐに魔素屑に戻っちゃうの。

ゴーレムって言えば、普通はタロスの事を指すけど、使役物体魔法の総称でもあるわ」

「そうですね、僕の作るゴーレムはそれです」

「あら、あなた自分でタロスを作れるの?凄いわね?」

「え?正式に魔法学校にも行っていないのに?」


二人は俺がゴーレム魔法を使える事に、かなり驚いたようだ。


「はい、でもそれじゃダメなんですよね?」

「ええ、ジャベックっていうのはね、かなり高位の魔法使いでないと作れないのよ。

だから使える人はとっても数が少ないの。

魔法協会で言うなら魔法学士レベルね。

私たち魔道士レベルでもジャベックは作れないわ。

だからあなたがそれを作るようになるのは、ちょっと難しいと思うわ。

そうなると、ゴーレム屋で買うのがいいけど、それもあんまりお勧めはしないわね」

「なんでです?」

「指図しなれてないと結局二度手間みたいな感じになるのよ。

所詮人形みたいなものですからね。

もっとも上等なジャベックになると、そういうのも大丈夫だけど、今度は値段が高いしね。

それに戦力とはなるけど、旅の仲間としてはちょっとね」


それは確かにそうだ。

エトワールさんも同意する。


「そうね、まあ確かに戦闘には良いけど、単純に戦闘ならタロスを買えばいいわけだし」

「え?タロス・・・普通のゴーレムも売り買い出きるんですか?」


俺は驚いて聞いた。

あんな物をどうやって売り買いするのだろうか?


「ええ、そうよ」

「どうやって?あの、タロスって、作り出してしばらくすると崩れちゃいますよね?

どこかで買っても、目的地に行くまでに崩れちゃいませんか?」

「ああ、それはね、作ったタロスはちょっとした魔法操作で封じ込める事が可能なのよ。

その封じ込めた空間にいる間は時間がとても遅く流れるので、ゴーレムはほとんど劣化しないのよ。

マギアサッコの魔法と使役物体魔法自体の複合応用なの。

そうやって持ち運んで、いざ使う時になれば、その場で開放するのよ」

「どうやって使うんですか?」

「大抵はその場で放り出して、短い解呪の言葉を唱えれば、開放されて動きだすわ」


なるほど、ウルトラセブンのカプセル怪獣みたいなものか?

それともポケモンかな?

とにかくそれは便利そうだ。

その方法を知っていれば、買わなくても、俺の場合は宿で作っておけば、戦いの時にすぐに出せるし、魔法力の消費もない。

それを覚えれば、恐ろしく便利そうだ。


「でも、タロスの場合は使い捨てね。

元の封じ込めた状態に戻す事はできないわ。

ジャベックは使った後で、また封じた状態に戻せるけど。

但し、魔法が使えるジャベックはマギアサッコに何も入ってない状態でないとグラーノには戻せないわ。

大抵はサイコロ型や正四面体の形で持ち運ぶわね、

でも戦闘用に一番便利なのは、ベルトや服に穴を作って、挿しておく場合で、マギアグラーノとか、ゴーレムグラーノって呼ばれているわ」

「マギアグラーノ?」

「ええ、「魔法のどんぐり」って意味よ、形がどんぐり型なのでね。

昔は「エイコーン」と言っていたらしいけど、今は「マギアグラーノ」とか、「ゴーレムグラーノ」って言うのが普通ね。

単に「グラーノ」とも言うわ。

ちなみに四角いのや三角なのは、「ゴーレムキューブ」とか「ゴーレムテトラ」と呼ばれているわ」


そういえばこの町の屋台で、サイコロみたいな物や、小さいピラミッドだかテトラパックみたいな物、ベルトに弾丸のような物をズラッとつけていた人を何人か見た記憶がある。

アレを見た時は、銃もない世界なのに、一体何なのだろうと思ったが、そういう代物だったのか!


「それって、町の屋台で見たような気がします・・・」

「ええ、屋台でも売っているわ。

でも、正直言って、屋台のは安いけど、不良品が多いし、結構当たり外れの大きい、いい加減な物を売っているからお勧めはしないわね」

「そうね、ちゃんとしたのはやっぱり街中で店を構えているゴーレム屋か、魔法協会で買った方が良いわ。店によっては保証もしているしね」


その二人の説明に俺もうなずく。

なるほど、確かに屋台のじゃ、いい加減なのが多そうだ。

ミスリルの短剣だって、あのざまだったしなあ・・・


「それって、いくら位するんでしょうか?」

「そうね、もちろんピンからキリまであるけど・・・

基準の一つとして、戦闘用タロスならだいたいレベルかける大銅貨1枚、

ジャベックならレベルかける大銀貨3枚ってとこかしら?」

「と、言うと、レベル20のタロスなら銀貨2枚、

ジャベックなら金貨6枚って事ですか?」

「そう、でももちろん、レベル1の物なんて誰も買わないから、実際に売っている物は最低でもレベル10位からかしらね?

 普通はレベル20以上よ。

それにレベル50を越えると、その2倍から3倍、レベル100を超えると、さらに値段は上がるわ。

あまり売っていないから。

それと、もちろんレベルが低くても汎用や複雑な動きをする物は高くなるわね。

例えばレベル30の日常的な事がこなせて、簡単な会話も出来る汎用ジャベックだったら金貨50枚から60枚って所ね」

「え?それって普通の奴隷よりも高くないですか?」

「ええ、そうね。

でも奴隷だと住む場所や食べ物も必要になるけど、ジャベックなら一度買えば、後は何もしなくてもすむからその差は大きいわね」

「なるほど」

「ま、だからタロスにしてもジャベックにしても、グラーノを買う時には気をつけた方が良いわよ。

変な物をつかまされないようにね。

安いからってうっかり買ったりしてはダメよ」

「はい、わかりました」


話を聞いて俺は納得した。

あれ?

そういえば、今思い出したけど、この人たちの昼の制服にも、そんな物があったような・・・


「そういえば、シルビアさんたちの魔法協会の制服にも、そんなような物がついていたような気が・・・確か胸の辺りに・・・?」


そう、制服の胸の辺りに、斜めに5本、それが装着されていたような記憶がある。


「ああ、気がついていたのね?

そうよ、私たち魔法協会の魔道士は、戦闘法務官と言って、町の秩序も守らなければならないの。

だけど、場合によっては、たった一人で、争いの調停や戦闘を強いられる時があるの。

だからその時のために、制服にはグラーノを最低でも5つは装備する事が規則で決められているのよ。

そうすれば長い呪文を唱える必要もないし、魔法力も使わないですむから。

それを目立つように制服の胸の部分に装備している訳、そうすれば相手もそれを見るだけで警戒するでしょう?

何しろ魔道士の持っているグラーノは一般的な物に比べれば強力だから。

もっとも胸に着けているのは、「見せグラーノ」みたいな物で、実際にはもっとたくさん持っている事が多いわね」

「ええ、それに実際には自分の呪文で戦闘タロスを生成する事の方が多いわ。

正規の魔道士なら必ず全員タロスは作り出せるから。

それとグラーノはマギアサッコに入らないから外に持っているしかないのよ」


シルビアさんの説明に、エトワールさんも補足してくれる。


「え?マギアサッコには入らないんですか?」

「ええ、マギアサッコとマギアグラーノは似たような魔法だから反発しあってマギアサッコの中にグラーノは入らないのよ。

さっき言った魔法を使えるジャベックがマギアサッコに物が入っている状態だとグラーノ化出来ないというのはそれが理由でもあるわ」

「なるほど」


しかしこれは便利な魔法だ。

例えマギアサッコの中に入らないとは言え、持っていた方が良い。

これを持っていればかなり便利なはずだ。

確かに俺もそれは使えるようになりたい。

俺がそんな事を考えていると、エトワールさんが、突然笑いながら話しかけてきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ