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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0189 組合員ロメロの話 1

 無事に5件のゴブリン退治を終えた俺たちは、組合で食事と反省会をする事にした。

場所はハイエストやマスタークラスだと改まりすぎているし、デバーチャーでは周囲が騒がしいので、プロフェッショナルでする事にした。


「みんなお疲れ様!

ポリーナもフレイジオも初めてのミッションで大変だったでしょう?」

「いいえ、私は皆さんがついていただいたおかげでとても心強く、何の気兼ねもなく、ミッションを行えたのでとても助かりました」

「僕もだよ。

 みんなのおかげでとても楽しくミッションを行えたよ」


俺たちが食事をしながら一角で話していると、部屋のもう一方でも話し始めた連中がいる。

どうもゴブリンキラーが何とかと言っているようだ。

その話しに聞き耳を立てたポリーナが俺たちに話しかける。

当然の事ながら興味を持ったのだろう。


「あの、皆さん、私はあちらの話に興味があるので、聞いてきてもよろしいでしょうか?」


俺もその話には興味がある。


「ああ、構わないよ、こっちの話しは大体終わったし、僕たちも一緒に行くよ」

「はい、ありがとうございます」


俺たちがそちらの集団に近寄ると、一人の男が良い感じで軽く酔いながら、気持ち良さそうに話をしていた。

ここでは酒を飲めないはずなので、どうやらどこかで軽く一杯引っ掛けてきた様子だ。


「・・・まあ、そんな訳で俺はゴブリンキラーその人と共に、ゴブリンウイザード退治に出かける事になったという訳さ」

「へえ?あのゴブリンキラーとね?」

「奴はほとんど自分とそのジャベックだけでゴブリンをやっつけると聞いたぜ?

本当かよ?」

「もちろんだとも!

何しろ俺はそのゴブリンキラーさんに2回も御供をしてゴブリンをやっつけたんだからな!」

「何?2回?」

「ああ、そうさ!しかもその1回は、何と!あのゴブリンキングを討伐したんだぜ!」

「何?ゴブリンキングだと!」

「本当か?」

「確かにこの間ゴブリンキングをどこかの討伐隊が倒したと言う話は聞いたが・・・」

「もちろんさ!そら!これがその証拠さ!」


そういうと男は自分の胸につけている勲章のような物を得意げに見せる。

それには「ゴブリンキング討伐参戦章」と書かれているので、そこにいた連中が色めき立つ。


「うお!本当だ!」

「こりゃ、本物だぜ!」

「当然さ!何しろあのゴブリンキラーさんについて2回も一緒に戦ったのは、たったの20人程度しかいないんだぜ?

俺はそのうちの貴重な一人と言う訳だ!

これでも俺は四級組合員なんだ。

このロメロさんを甘くみないで欲しいな!」


その言葉に周囲を囲んでいた男たちも興奮して話しかける。


「確かにそりゃ凄い!

おい、もっとその話しを聞かせてくれよ!」

「おう!俺も聞きたいな!」

「おっとっと!これ以上はただじゃあ聞かせられないな!

なんと言ってもたったの20人しか知らない話なんだからな!

それにオリナスならまだしも、このロナバールじゃ俺一人だと思うぜ?」


そのロメロの話に周囲にいた男たちが今度は文句を言い放つ。


「なんだ!金を取るのかよ!」

「まっ!仕方がねぇか」

「確かに話は聞いてみたいからな」

「わざわざオリナスに行って話しを聞くと思えば安いか?」

「その代わり、ちゃんと細かく話せよ?」


ブツクサと文句を言いながらも、周囲で聞いていた男たちは大銅貨や銅貨の金を支払う。

その集まった金をジャラジャラと言わせながらロメロが呟く。


「何だ、銅貨と大銅貨ばかりかよ!

しけてやがるな?

まっ、いいか?」


男がぼやいている所で、ポリーナが近づいて話しかける。


「あの・・・私もその御話しが聞きたいです。

御一緒に御話しを聞いても良いですか?」


そう言いながらポリーナは銀貨を3枚差し出す。

思わぬ収入にロメロとやらは大喜びだ。


「おほっ!銀貨3枚とはありがたいね?

ああ、もちろんいいとも・・・・・えっ?」


銀貨を受け取りながらロメロはポリーナの顔を見る。

その瞬間、上機嫌だった男の顔がサッと青ざめる!


「ポッポポポッポッ、ポリーナさん?」

「あら?私の事を御存知なのですか?

そういえば、あなたの御顔には見覚えがあるような・・・」


途端にそれまで周囲に対して上から目線で話していた男が、ポリーナに向かってペコペコとし始める。


「おっ!覚えていただいて光栄です!

自分は四級組合員のロメロと申しまして、先日のアルマンさんのウイザード戦とキング討伐に参加したものです!」

「まあ、そうだったのですか?

どうりで見覚えがあるお顔だと思いましたわ?

その節は高祖父をお手伝いいただいてありがとうございました」


ポリーナが深々と頭を下げると、その男は首が回ってすっ飛んでいきそうな勢いで横に振って答える。


「とっ!とんでもございません!

私こそゴブリンキラーさんの戦いに参加できて光栄の至りです!」


途端にペコペコし出したロメロに、そこにいた男たちが不思議そうに尋ねる。


「なんでぇ?その嬢ちゃんはお前さんの知り合いなのか?」

「えらいペコペコしてんじゃねえか?」


その男たちの言葉にロメロは大騒ぎをする。


「ばっ!馬鹿!控えろ!

 この御方こそ、かのゴブリンキラーたるアルマン・パーシモンさんの玄孫で、唯一の弟子でもある、ポリーナ・パーシモン嬢だぞ!」

「何っ?このお嬢さんがか?」


そこにいた男たちが驚いてポリーナを見つめるが、その中の一人の男が呟く。


「しかし、いくらゴブリンキラーの娘といったって、この娘までがそんな凄い訳じゃないだろう?

何でそんな恐れ入る必要があるんだ?」

「何を言っているんだ!

そもそもあのゴブリンキングに止めを刺したのはゴブリンキラーのアルマンさんではなく、こちらのポリーナ嬢なんだぞ!

しかもその勲功でゴブリンキング討伐二等勲章まで授与されているんだ!」


え?ポリーナって、自分でゴブリンキングを倒しているの?

てっきり倒したのはアルマンさんだと思っていたよ!

それは俺だって驚きだ!

その説明に当然の事ながらそこにいた一同が驚く。


「何っ!キングに止めを刺しただと!」

「こんな14・5歳の娘がか?」

「そういえばこの娘!白銀等級シルバークラスだぞ!」

「何だと?」


それこそ蜂の巣を突いたような騒ぎようだ!

ポリーナが胸から白銀等級シルバークラスの登録証を下げているのを見て、一同も驚いたようだ。

ロメロにとってもそれは意外だったようで、ポリーナに問いかける。


「あ、あのポリーナさん?白銀等級シルバークラスになられたので?」

「ええ、そうです」

「しかし、確か数ヶ月前にはまだ組合員ですらなかったはずですが?」

「はい、それもこれもあちらにいらっしゃるシノブさんとエレノア先生のおかげです。

あの御二人のおかげで非才で未熟者の私でも、こうして短期間で白銀等級シルバークラスになれました」

「シ、シノブ・エレノア組・・・」


そこにいた一同が俺たちの方を見ると、意表を突かれたように驚く。

俺たちの事はこの組合でもそこそこ有名になっているようだ。

そして未熟者で才能のない者が数ヶ月で白銀等級シルバークラスになどなれるわけがない。

ここは四級以上しかいない場所なので、さすがに全員がその事をわかっているようだった。


「ポ、ポリーナさん、シノブ組の仲間になったのですか?」


ロメロに質問されると、ポリーナが慌てて首を横に振って答える。


「そんな!私がこの方々のお仲間なんて恐れ多い!

私は単に弟子の一人として鍛えていただいているだけですわ」


ポリーナは謙虚に言うが、白銀等級シルバークラスでゴブリンキングを倒した少女が普通の少女であろうはずもない。

それがわからないようでは、この部屋に入る資格はなかった。

一同がシーンとなった所で俺が口を挟む。


「まあ、その話は俺も聞きたいな。

詳しく話してくれよ。

礼は、はずむからさ」


そう言いながら俺は大銀貨1枚をロメロに渡す。

大きな収入を得て、男も機嫌が良くなる。


「お、おう!こりゃすまねぇな!兄さん!

こんなにもらっちゃ、俺の知っている事をとことん話させてもらうぜ!」


他の男がロメロを促す。


「ま、まあ、とにかくその話しを聞こうじゃないか?」

「お、おう、そうだな、頼むぜ?」


男たちが促すと、ようやくロメロは話し始めた。


「ことの始めはオリナスの組合支部長が突然触れを出したんだ。

ゴブリンキラーがゴブリンウイザードを討伐するのに緊急に部下を求めている。

我と思わん者は応募せよってな。

たまたまその時オリナス支部にいた俺は、以前からゴブリンキラーに興味があったんで、それに応募したんだ。

半信半疑だったがな。

そうしたら当日になったら本当にゴブリンキラーを名乗る人が来た。

俺は驚いたね!」


そこで一人の男が質問をする。


「こう言っちゃなんだが、本当に本物だったのか?

俺はゴブリンキラーは常に緑の色の髪の美女ジャベックを連れていると聞いているが?」

「アホッ!今目の前にまさにそのジャベックがいるだろうがよっ!」


そう言ってロメロがポリーナの後ろにいるヴェルダを指差す。

一同がそれを見てまたもや驚く。


「えっ?」

「何っ?こいつが?」

「本当だ!」

「え?じゃあこのジャベックが、そのゴブリンキラーの?」


ヴェルダはゴブリンキラーの僕として、その存在は今や伝説的な噂にはなっていると聞いているが、初めてそれを見た男たちが、またもや驚きの表情となる。


「ええ、そうですよ。

このジャベックが大御爺様が連れていたヴェルダです」


そこにいる一同がポリーナの説明に感心する。

ロメロが先を続ける。


「まあ、とにかく集まった連中を連れてゴブリンキラーことアルマンさんはウイザード討伐に出かけたんだ。

ゴブリンウイザードは強かった!

古城を根城にして何千ものゴブリンを手下にして、それまでの討伐隊を返り討ちにしていたんだ!

しかしそれをわずか1日で倒してアルマンさんは凱旋した!」


ロメロの説明に男たちはまたもや驚く。

もはや驚きの連続だ。


「なにっ!ゴブリンウイザードを1日で倒しただと!」

「俺は昔、どこかの支部長が組合員の半分以上を連れて討伐しに行って壊滅した例があるって聞いているぜ!」

「ああ、それは俺も聴いた事がある」

「ああ、その通りだ。

だがアルマンさんはそれをあっさりと討伐した。

正直俺たちなんか必要なくて、アルマンさん一人でも十分だったほどだ。

まさにゴブリンキラーの噂通り、いや、それ以上だ!

俺はそれで改めてゴブリンキラーのアルマンさんに惚れ直したね!

そしてそれからしばらく経った時に、今度はゴブリンキングの討伐令が帝国政府からじきじきに出たんだ」


ロメロの説明に一同がうなずく。

いよいよ話は佳境に入って来たようだ。


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