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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0018 シルビアとエトワール

 外をフラフラと歩いている俺は一軒の食べ物屋を見つけた。

中は中々人で賑わっていて、みんなうまそうに飲み食いをしている。

俺はその店に入ってキョロキョロしていると、突然話しかけられた。


「あら、先ほどのお客様?」

「あ、さっきはどうも」


それはあの魔法協会のお姉さんたちだった。

例の黒髪の先生風なお姉さんと、もう一人の茶色の髪のやさしそうなお姉さんだ。

黒髪のシルビアさんは、制服から私服に着替えたせいなのか、あのキリッとした感じから、見た目がえらく変わっておとなしく見える。

最初は見間違えたほどだ。


「席を探しているの?ここで私たちと一緒にいかが?」

「いいんですか?」


こんな美女二人と席を相席してもらえるなら、こちらから頼みたいくらいだ。


「ええ、どうぞ」


俺の問いに茶色の髪のお姉さんも笑顔で応じる。


「では失礼して・・」


俺はその席に座ると、キョロキョロと壁に書かれた品書きを眺める。

すると、シルビアさんがお勧めを教えてくれる。


「ここはソーセージと黒パンがお勧めよ」

「はい」


俺はお勧めの通りに、ソーセージやいくつかの物を注文する。


「お客様はどちらからきたの?」

「お客様はやめてください。

シノブ・ホウジョウと言います。

出身は・・・何と言うか、凄く遠い場所です」

「シノブさんね、私はシルビアって言うの、覚えてる?」

「はい、もちろんです。

魔道士シルビアさんですね?」


俺がそう答えると、シルビアさんはちょっと恥ずかしそうにして、隣にいる茶色い髪のお姉さんはクックックと笑いを堪えている様子だ。

え?何で笑うんだろ?


「あの・・・何か僕、おかしい事を言いましたか?」

「いいえ、別に何も間違ってはいないわ」


シルビアさんは真顔で答えるが、それにしては何か変だ。


「そうなんですか?」


そもそも、その割には隣の人が笑いを堪えているのはなぜだろう?

俺がそう考えていると、シルビアさんが説明を補足する。


「まあ・・・ただ魔道士同士では、公式な場ではともかく、こういう場所では、あまり御互いを「魔道士」とはわざわざ呼び合わないのよ」


ん?ああ、そうか?つまり日本では大学を卒業すれば、その人間は全て「学士」だ。

しかし大学を卒業した者同士が、町の食堂で会って、

「やあ、久しぶりだね、学士山本君!」

「まったくだね、君も元気そうで何よりだ。学士田中君!」

とは会話しない。

そんな感じか?一応、確認のために聞いてみた。


「えっと、つまりこういった場所で、そんな称号で呼び合うのは恥ずかしいと?」

「まあ、そんな所ね」


笑いを堪えながら茶色い髪のお姉さんが説明する。

やはり、そうだったのか。

話題を変えようとシルビアさんが俺に質問をしてくる。


「ところで故郷が遠いって・・・そんな遠いとこなの?」

「ええ、日本と言って、ここからどれ位離れているかわからない位です」

「ニホンね、確かに聞いた事がないわ・・・「魔道士エトワール」あなた知っている?」


黒髪美女のシルビアさんが、もう一人の美女に問いかける。

どうやらこの人も魔道士で、エトワールという名前らしい。

そのエトワールさんが、思わず飲んでいたエールを吹き出しそうな勢いで返事をする。


「ちょっと!

あなたもその呼び方やめてよ!

恥かしいじゃない!」


そうか・・・やはり恥ずかしいのか・・・


「わかったわ、で?知ってるの?」

「いいえ、私も知らないわ」


エトワールさんも首を横に振る。


「ふ~ん、まあ、いいわ、それでどうして一人で旅をしているの?目的は何?」


この質問にはいきなり困った。

正直今の所、目的などないのだ。

正確に言えば、素敵なお姉さんを探してオネショタ生活を満喫する事が目的だが、まさかこの初対面の二人にそれを言う訳にもいかないしねぇ。

いや、いっその事、言っちゃおうかな?

この二人はまさに素敵なお姉さんなので、俺の彼女になってくれれば嬉しいんだけどなあ・・・

まあ、今はそこまで言うのはやめておこう。

俺はさしあたり無難な事を正直に答える事にした。


「正直、今の所、目的って言うほどの物はないんです。

ただ世間を知りたくて旅をしていて、強いて言えば、広い世の中を見聞するのが今の目的です。

それと将来、何かやりたい事や目的が見つかった時のために、困らないように、今のうちにできるだけレベルを上げておきたいのと、魔法をたくさん覚えたい。

それが今の目的ですね」

「なるほど~偉いのね」

「ええ、その年で感心するわ~」


見た目は可愛い12・3歳に見えるけど、中身は45のおっさんだけどね。

何かちょっと詐欺をしているみたいで心苦しい。



「それで昼は魔法協会を尋ねてきたのね?」

「ええ、ここの魔法協会はかなり大きいと聞いて、魔法を覚えるのにはどうしたら良いかと思って」

「まあ、魔法を覚えるのは昼に教えた通りね」

「はい、色々教えていただいてありがとうございました」

「いえいえ、どういたしまして」


機嫌が良さそうな所で、俺はシルビアさんに聞いてみたい事があった。


「あの・・・もし御迷惑でなければ、いくつかお聞きしたい事があるんですが?」

「かまわないわよ?」

「ありがとうございます。

魔法を覚える事はわかったんですが、これから僕が旅をしていくのに、他に何か助言はないですか?」


俺の質問にシルビアさんが考えながら答える。


「そうねえ、それはやはり仲間を集める事かしら?

レベルを上げるにしても、旅をするにしても、やはり一人では限界があるから」

「そうね、何かの時のために、信頼できる仲間はいた方がいいと思うわ」


エトワールさんも賛同する。


「仲間ですか・・・」


正直それは俺も感じていた。誰か良い旅の連れ合いでもいれば良いなと。

特に迷宮で一人は厳しい。

しかし、いかんせん、それにはどうすればよいか、全くわからなかった。


「仲間を集めるにはどうすればいいんですか?」


俺の質問にシルビアさんが、再び考えながら答えてくれる。


「そうねえ、仲間と言っても色々あるわ。

一般的には、こういった食堂や酒場で会った気の合う人間を仲間にしたりするわ。

後は魔法協会の掲示板や、組合の掲示板で仲間を募っている場合があるわ。

でも、坊やみたいな初心者にはお勧めできないわね」

「どうしてですか?」


いつの間にか坊や扱いされているが、気にしない事にしよう。

何しろ相手は素敵なお姉さんだ。

オネショタ趣味の俺にはむしろ大歓迎だ。


「相手も色々レベルとか、特殊技能の要求とかあるし、逆にレベル能力問わずって言う場合は、危ない話の場合が多いのよ」

「危ない話?」

「ええ、例えば最初から強い魔物に会った時に、逃げるための捨て駒にするつもりだったり、単なる使い走りや仲間とは名ばかりで雑用にされたり、ひどい場合には追いはぎが目的な場合とか、身包み剥がされて奴隷として売られてしまう場合だってあるわ」

「うわ~、それは確かにひどいですね?」


そんな場合があるのか?

さすが中世だ!

法も道徳もあったもんじゃないな!

俺が驚くと、エトワールさんも忠告する。


「ええ、だから気をつけなくてはダメよ」

「はい、ありがとうございます。他には?」

「そうね、後は・・・一番問題なのは・・結局、揉めるのよね~」

「揉める?」


そう聞いた瞬間、俺はつい目の前のお姉さんの胸を見てしまった。

うむ、この大きな胸は確かに揉みたい。

いや、そうじゃなくて・・・


「ええ、家族とか、主人と家来の関係なら、あまり問題はないけど、酒場なんかで集めた仲間って言うのは、早い話寄せ集めでしょ?

その時は気があって、仲間として一緒になっても、いざっていう時ほど、やっぱり、揉めるのよ~」

「いざって言う時?」

「そう、例えば、重要なお宝が出た時なんかはもめる基本ね。

お金なら均等に配分可能でしょうけど、貴重なアイテムだったりしたら、全員に分ける事はできないわ」

「そういう場合、どうするんですか?」

「優秀なリーダーなら大抵は最初から決めておくわね。

例えばリーダーがそのアイテムを買い取ったと仮定して、その金額を仲間に分配する方法や、欲しい仲間に買い取らせる事が一般的ね。

一番公平なのは本当に売ってしまって、そのお金を全員で分ける事ね。

でも、それでもやっぱり不平が残ったりするわ」

「なるほど」

「それ以外にも、例えば爵位や叙勲なんかで、揉める事があるわ」

「爵位?」

「ええ、どこかの王様から出た重要なミッションなんかをすると、爵位を授かる事があるの。勲章をもらったりもね。

その時に全員に同じ爵位をあげればよいのだけど、場合によってはリーダーだけとか、仲間で爵位に差がつけられるとかいう場合があるわ。

その時はやはり揉めるわね。

もっとも同じ爵位をもらったとしても、それはそれで、やっぱり揉めるのよね~

俺の方が活躍したんだから、俺の方が上の爵位になるはずだってね。

あとは叙勲される勲章の等級でも同じような事は起こるわ」

「ああ~~」


そのシルビアさんの話に俺は納得した。

それは確かにどちらもありそうだ。


「だから信頼できる良い仲間を見つけるってのは、意外に難しい事なのよ~」

「確かにそうですね。では他に仲間を見つける方法はないのですか?」


俺が聞くと、今度はエトワールさんが答えてくれる。


「奴隷を買う方法があるわ。

正直言って、こっちの方が、あなたにはおすすめね」

「なぜですか?」

「奴隷ならよほどの事がない限り、主人を裏切ったりしないし、戦闘用の奴隷なら頼りにもなるわ。

それにちゃんと信用のおける商館から買えば、安心もあるしね。

欠点としてはあなたが養わなきゃならない事。

あとは良い奴隷は買うお金が結構かかることかしら?」

「ボク、お金なら多少持っています」


その俺の言葉にシルビアさんが諭すように話しかけてくる。


「そうなの?

それなら優秀な奴隷を買うのがお勧めかもね。

でも、坊や、自分がお金を持っているなんて簡単に他人に話しちゃだめよ?

相手が私たちだったから良かったけど、そういうのを狙って近づいてくる人もいるんだから注意しなくてはだめよ?」

「はい、忠告ありがとうございます。

今後は気をつけます。

先生!他には何かありますか?」


調子に乗った俺の質問に再び、シルビアさんが答える。


「んふふ、よろしい!シノブ君は中々いい子ね、素直で良いわ~・・・

そうね、後は難しいけど、自分でゴーレムを作るか、ゴーレムを買う事ね」

「ゴーレムを買う?」


ゴーレムはすでに何回となく作っているが、買ったりするとは思わなかった。

あれって売り買いが出来るんだ?


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