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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0017 魔法協会

 この町ロナバールはアムダール帝国の中でも帝都アムダルンに次ぐ町と言う事で、町と言うよりも、本当に都市という大きさだ。

まだこの町をちょっと見ただけだが、小さなサーマル村と違い、武器商店、防具商店、肉屋に魚屋に魔法協会の支部、靴屋に高級レストランと、何でもある。

俺は魔法協会ロナバール本部というのを訪ねてみた。

サーマル村長たちに魔法の事を聞くならここが一番良いと聞いたからだ。

基本的な魔法は知っているが、やはりもっと高度な魔法も覚えたい。

そろそろ、レベル的にも次の段階の魔法を覚えても良い頃だと思う。

そう考えた俺は魔法協会の門をくぐった。



受付には長い黒髪のお姉さんと、肩くらいまでの長さの軽くウエーブのかかった茶色い髪のお姉さんがいる。

どちらも美人だ。

茶色い髪のお姉さんは温和で優しそうな感じだ。

黒髪のお姉さんの方は、メガネをかけてキリッとしていて、いかにも才女か、有能な秘書かという感じだ。

魔法協会の制服なのか、黒と銀の服がキリッとした感じと相まって似合っている。

濃いオレンジ色のネクタイも格好いい。

しかもその制服でも隠しきれないほどの巨乳なのが伺える。

う~ん、凄いなあ・・・

思わず見とれる俺に、その長い黒髪のお姉さんが話しかけてくる。


「いらっしゃいませ、どういった御用事ですか?」


お姉さんの巨乳に見とれていた俺が、思わずギクッとして答える。


「えっと、僕は遠い場所から旅をして来て、ここに来るのは初めてなんですが、少し初歩的な魔法が使えて、魔法に興味があるんです。

それで、もっと色々な魔法を覚えたいのですが、そのためにはここに行けば良いと聞きました。

魔法協会というのが、どういった事をしている所なのか、知りたいんですけど?」

「あら、そうですか?では基本から説明しましょうか?」

「そうしてもらえるなら、うれしいです」

「ではそうしましょう、ちょっと後をお願いね」


そう言って黒髪美人のお姉さんは、受付にもう一人いた茶色の髪の女性に受付を頼む。

こちらも中々の美人なので、いつかお話をしてみたい。


「わかったわ」

「ではいきましょう」

「はい」


俺はその黒髪美人のお姉さんについて行くと、どこかの部屋に連れていかれる。


「ここは資料室です。ここで説明をしますね」

「はい、お願いします」

「申し遅れましたが、私、この魔法協会ロナバール本部で案内の仕事をしているシルビアと申します。

魔道士の称号も持っているので、ご安心ください」

「魔道士?」


確か、それって魔法使いの階級だったな。


「はい、簡単に申しますと、魔法協会には初等学校、中等学校、高等学校がございまして、そこを卒業すると、それぞれ魔法士、魔道士、魔法学士の称号が与えられます。

私は中等学校を卒業しておりますので、魔道士の称号を所持しております。

一般的には魔法使い、これは正式には魔術士と言いますが、それが魔道士の資格を持つと、その世界で一人前と見なされます。

また、魔道士の免許を持つ者は、魔法教師の資格もございますので、こうして魔法の説明をする事も許されております」

「そうなんですか?」

「はい」

「では、シルビアさんは「魔道士シルビア」と名乗れる訳ですね」

「はい、その通りでございます」

「魔法教師という事は、例えば僕がシルビアさんに魔法を教えてもらう事もできるという事ですか?」

「資格的にはもちろん、その通りなのですが、私はあくまでここの職員で、あいにく魔法を指導するという事は、現在しておりませんので・・・」

「なんだ、そうなんですか?

シルビアさんみたいな人が先生になってくれたら、僕はがんばれるのにな~」


それは本気だ、こんな巨乳美人に教われるのなら、ぜひ教えてもらいたい。


「それは残念ながら・・・ただ、この魔法協会では、たまに催し物などで、初心者のための魔法教室を開いていたり、魔法学校の教師が足りない時には、応援で教える事もありますが、普段はないですね」

「それはいつごろやっているのですか?」

「そうですね、そう言えば、以前はそこそこやっていたのですが、最近は職員が他の事で忙しくてあまりやらなくなりましたねぇ・・・ここ1年は全くやっていないです」

「それは、本当に残念です。

それでは僕が魔法を習うとしたら、その魔法学校へ行けば良いのでしょうか?」

「そうですね、それが一番お勧めですが、魔法を習うのには大きく分けて2つの方法があります」

「それはどういった方法ですか?」

「一つは今言った魔法協会が運営する魔法学校に入る事です。

初等学校に入れば、魔法の基本から教わり、学ぶ事ができます」

「なるほど」

「もう一つは、魔法教師の資格を持っている、町の魔法使いに弟子入りして、魔法を教わる事です。

こちらは特に限定する事無く、自分の好きな分野の魔法使いに教わる事ができます」


なるほど、学校に対する私塾みたいなものか?


「ただし、そちらの方は、私的に教わるだけなので、魔法協会の発行する、正式な称号は名乗れません。

魔法協会の称号でないと、世間や国によっては正式な魔術士として認められない場合が多いので、あまりおすすめはできませんね」

「なるほど」

「本来、大抵の国では魔法協会が認める魔法教師でないと、魔法を教えるのは禁じたい所なのですが、正直な所、現実問題として、あまりにも魔法教師の数が足りないのです。

ですから、中等魔法学校を卒業していない者にも、簡単な試験をして合格した者には、「代行教師」資格である「魔道士補」の資格を発行しております。

そして魔道士補である代行教師には、分野などを限定的ではありますが、魔法を教える事を許可しております。

魔道士補には1級・2級・3級の段階があり、それぞれの資格を取った者の名前が、魔法協会に登録されています」

「そんなに魔法の教員は足りないのですか?」

「そうですね。

正確に数えた訳ではないのですが・・・

たとえばこのロナバールはアムダール帝国でも人口二位で約50万人ほどの大都市ですが、そのうち魔法を使える人口は3万人ほどと言われています」


50万に対して3万人、なるほどせいぜい人口の6%程度か?


「つまり15人に一人位の人数ですね?」

「ええ、大体その通りです。

しかし正式な魔法士は、そのうち約1万2千人、魔道士は千七百人、魔法学士以上の資格を持つ者に至っては三百人程度しかおりません」


正規の資格を持つ者は、魔法使い全体の4割程度で、教師の資格を持つ者は1割未満か?確かにそれは少ない。


「確かに少ないですね」

「はい、それでもこのロナバールは大都市なので比率が多い方ですね。

普通の町ですと、魔法使いはもっと少なく、20人に一人程度ですから。

それゆえに代行教師に頼らざるを得ないのが現状なのです。

ロナバールにいる魔道士補は1・2・3級を全て合わせれば、おそらく三千人以上はいるでしょうから魔道士よりも多いはずです。

もっともここは大都市なので、魔道士や魔法学士の比率が大きい方ですが、それでも確かに正規の魔術師の数は少ないですね」

「正規と非正規の差はそんなにあるのですか?」

「そうですね、残念ながら非正規の方は、実力的にあまりにも散らばりがあるし、また心構えが違いますね」

「心構え?」

「ええ、魔法学校ではただ魔法を教えるだけな訳ではないのです。

魔法を使う者としての義務や道徳的精神、社会的な意義などを教育します。

非正規の場合は、そういった教育はせずに、ただ魔法の習得をするだけですから」

「なるほど、では教師資格を緩和するという訳にはいかないのですか?」

「当然、そういう意見も出されたのですが、粗製乱造をしては魔法協会の質を落として、結果としては自らの首を絞める事になりかねません。

それでしたら正規の教員の資格は緩めずに、代行教員を増やして生徒を増やし、その中から見所のある者が、少しでも正規の魔法士として誕生すれば、という判断に至った訳です」

「なるほど、魔法協会も大変なのですね」

「ご理解いただきありがとうございます」

「ではやはり基本から学ぶなら魔法学校に入学した方が良いという事ですね?」

「はい、その通りです。

お客様が、魔法学校に入学を御望みならば、こちらで手続きをする事もできますよ」

「魔法学校には誰でも入学できるんですか?」

「一応、初等学校には入学試験のような物はあります。

そこであまりに魔法適性がないと判断された方は、残念ながら入学が認められない場合もございます。

しかしお客様はすでに初歩的な魔法を使えるという事ですので、そういった問題はないでしょう。

また中等学校は初等学校卒業証、高等学校は中等学校の卒業証がないと、基本的には入学できません」

「そうなんだ・・・」

「ええ、もしよろしければいつでもどうぞ」

「はい、ありがとうございました。どうするか考えてみます」

「はい、魔法協会は魔道都市といわれるマジェストンに総本部があり、アースフィア全世界に支部を250ほども持ちます。

 支部がある場所には必ず初等魔法学校はあるので、そこで学ぶ事は出来ます。

ここロナバール本部は、その中でもかなり大きい方で、ロナバールにいくつかある支部のまとめ役でもあり、近郷の支部の管区支部でもあります」

「管区支部?」

「ええ、近郷一帯を取り仕切る、大きな支部の事です」

「ではここは相当大きな支部という事ですね?」

「はい、そもそも本部が置かれる場所は、その都市、町などに複数の支部がある場合に限り、そのような場所はアムダール帝国内には、ここロナバール以外では帝都アムダルン、治療都市メディシナーなど、現在のところ、8箇所しかございません。

 後は他の国の首都などに設置されております。

管区支部の方は全世界で30箇所ほどですね。

また、管区支部や本部が置かれるような場所ならば、必ず中等魔法学校もございます。

そこで学んで卒業すれば、正規の魔道士となり、高等魔法学校に入学する資格も与えられます。

ちなみに高等魔法学校がある場所は、現在、帝国内では魔道都市マジェストン、帝都アムダルン、治療都市メディシナーの3ヶ所だけでございます」

「なるほど」


高等魔法学校ともなると、広いアムダール帝国に3箇所しか無い訳か。

結構少ないな。

もっともそれだけ魔法学士になれる人間も少ないという事か。


「魔法協会の支部は、契約をしている各国に置かれ、大抵はその国の統治者と協力し、魔法の法令制定や教育、司法、治安維持、消防なども行っています」

「そんなに色々と?」

「ええ、小さい国などの場合は、支部が委託されて役所の代行をしている場合もございますね」

「それでは魔法協会が世界をまとめていると言っても過言ではありませんね?」

「そうですね。

あくまで主権は各国にありますが、アースフィア全体に広がる組織としては最大にして唯一の組織ですね」

「魔法協会は国ではないのですか?」

「はい、魔法協会はあくまで一組織です。

確かに総本部のあるマジェストン、そして治療都市メディシナーでは自治が行われ、双方ともアムダルン帝国の一部にあり、ほぼ独立国家のような状態ではありますが、国ではなく、あくまで一つの組織です。

もっとも世界的には、かなり影響力のある組織ではあります」

「では、表向きはともかく、実質的には魔法協会が世界を支配しているという事ですか?」

「いいえ、魔法協会の主義信条は、「平和・博愛・教育」の3つで、決して世界を支配する事ではありません。

各国が武力衝突などをした場合は、調停や交渉などはしますが、あくまで一つの組織であり、教育機関のような物ですね」

「なるほど」


この魔法協会というのは、この説明どおりならば、ずいぶんと規模は大きいが、平和的な組織なようだ。


「魔法協会の全体的な役割はだいたいわかりました。

それで、ここロナバール本部では具体的にどのような事をしているのですか?」

「それは、まずは魔法教育、そして治安維持が主な役割ですね」

「魔法教育と、治安維持?」

「はい、魔法教育に関しては先ほども説明した通り、初等魔法学校で魔法士を育て、中等魔法学校で魔道士を育成いたします。

また、魔法物品の売買や流通、査定なども行っていますね」

「ここで魔法関係の売り買いもしているのですか?」

「はい、このロナバール本部の一階では、魔法関係の案内と各資格や魔法教室の受付と申し込み、一般魔法物品の販売を行っています。

その他、一般的な食堂兼休憩所、それに各種掲示板もございます。

二階は物品の鑑定と購入、迷宮で入手した物の買取などもこちらで行っております。

三階は職員の事務室と防犯関係、そして魔法士、魔道士など協会員のための専用サロンとなっております」

「協会員?それはどうすればなれるのですか?」

「初等魔法学校を卒業して、魔法士になれば、自動的に魔法協会の準会員、魔道士になれば正会員として登録されます」

「なるほど」

「そして四階は上級魔法物品の販売と鑑定。

五階は上級職員事務室、六階は本部長、副本部長などの役付職員室となっております」

「なるほど、大まかな事はわかりました」

「今、私が説明した事は、こちらの小冊子にも書かれておりますので、持ち帰って検討してください。

御一緒に魔法学校の案内一葉紙いちようしもお渡ししておきますね」


そう言って、シルビアさんは俺に数ページ印刷されたパンフレットと、折り畳まれた1枚の紙を手渡してくれる。

ああ「一葉紙いちようし」ってリーフレットの事なのね?

「はい、ありがとうございました」

「では、またわからない事がございましたら、遠慮なくいらしてください」

「はい、わかりました」


俺はシルビアさんから一通りの魔法協会の説明を聞いて魔法協会案内の小冊子と、魔法学校案内をもらうと、ためしに一階の食堂に行ってみた。

 そこは人々でごった返していて、それぞれが食事をしたり、色々と話し込んでいた。

壁には様々な掲示板があり、魔法教室の案内や、職員の募集、仲間の求人、物品の売買希望など様々な物が貼られていた。

それらを一通り見た俺は魔法協会を出て、オルフォン亭に戻った。



 宿に戻った俺は、もらった小冊子や、学校案内の一葉紙を読みながら自分の部屋で考え込んでいた。

(う~ん・・・魔法学校か・・・)

確かにそこで魔法を学ぶのが一番王道で間違いはないだろう。

しかし、もう少しレベルを上げる作業もしておきたい。

どちらを優先させるかを俺は迷った。

ふと、外を見ると夕闇が迫っている。

どうやら宿に帰ってきてから、随分長い事、考え込んでいたようだ。

(ちょっと気分転換してみるか!)

そう考えた俺は外で夕食を食べようと宿を出た。


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