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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0173 エレノアのサイン

「ええ、我々もまさにそれを教えるために教本を作ったんです。

エレノアと僕とで講義用に数字とジャベックの教本を作ってみました。

これですよ」


そういって俺は近くにあった数字と流れ図法の教本を渡す。

渡された本をパラパラとめくったオーベルさんが驚いて話す。


「ほほう?こんな教本を作ったとはね?

こりゃいい!

まさに我々が求めていた物だ!

この二つを出来ればいくつか分けてくれないか?」

「ええ、別に構いませんよ?

何冊位持っていきますか?」

「そうだね、とりあえず10冊ほどは欲しいかな?

全部でいくらになるかな?」

「10冊ずつですね?

別にお金はいりませんよ」


この人にはメディシナーで散々世話になっている。

本の10冊や20冊など、どうという事はない。


「そうかい?悪いね?ありがとう。

 でも後で大量に発注するだろうから、たくさん作っておいて欲しいな」

「わかりました、どれ位作っておけば良いですか?」

「そうさな、とりあえず千冊ってとこだろうな」

「千冊?わかりました。

でもロナバールに帰ってから本格的に刷りますから結構時間がかかりますよ?」


またもや大量発注が入って驚いたが、良い事だ。


「別に構わないさ。

 ところで、この本は君とグリーンリーフ先生の二人で作ったと聞いたが、2冊ともそうなのかい?」

「ええ、主に数字の方が私で、ジャベック学習法の方がエレノアが書きましたけどね」

「なるほど、それではグリーンリーフ先生にお願いがあるのですが?」

「何でしょう?」

「是非その本の裏表紙に「我が愛弟子レオンハルト・メディシナーへ エレノア・グリーンリーフより」と書いていただきたいんですよ」

「ええ、わかりました」

「ははっ!ありがたい!

これでレオンの奴、涎をたらしてその本を欲しがりますよ」


おお、なるほどそれはいい!

俺は本を作るので頭が一杯で、そんな事は思いつかなかったが、レオンも大喜びするだろう。

本当にこの人はそういう所、気が利いているな~。


「それに出来ればもう一冊、同じように「我が愛弟子レオニー・メディシナーへ」と言うサインもお願いできますか?」

「ええ、もちろん構いませんよ。

それでしたら、あなたとパラケルスの分もサインしましょうか?」

「それはありがたいです!

グリーンリーフ先生のサイン本を自らいただけるなんて、私も一生の宝にしますよ!

パラケルス様もお喜びになるでしょう!」

「では忘れないうちにこの場でサインをしましょう」


そう言うと、エレノアはそこにあった本にサラサラとサインをし始める。

俺たちもそれを見守る。

優雅に4冊分のサインを書き終わると、エレノアは本をオーベルさんに渡す。


「ありがとうございます!

いやあ、本当にありがたいです!

伝説の英雄でメディシナーの母である方に自らサイン本をいただけるなんて感激しましたよ!

間違いなく三人に渡しておきます!」

「ええ、頼みましたよ」


メディシナーでの伝説の英雄の生サイン本をもらえてオーベルさんは大喜びだ。

うん、何だか俺も欲しくなったな?

だが俺が言うよりも早く、ユーリウスさんがエレノアに頼み込む。

シャルルもだ。


「これは迂闊でした。

是非、私も先生のサインはいただきたいですね」

「僕にもお願いします!」

「わかりました、ではユーリウスとシャルルの分も書きましょう」


すぐにエレノアはさらに2冊にサインをして二人に本を渡す。

おいおい!何かもうエレノアは人気作家みたいだな?

こうなったら俺も負けてはいられないぞ!

でも、ちょっと恥ずかしいな・・・


「あ、あの・・・僕にも1冊、エレノアのサインを・・・」


俺がコソッとそう言うと、一瞬静かになったが、次の瞬間、全員が爆笑する。

オーベルさんが腹を抱えて笑いながら俺に話す。


「おいおい!シノブ君!

これは君が作った本じゃないか!」

「そうだよ、シノブ!

大体、君はいつだってグリーンリーフ先生と一緒じゃないか?」

「うう・・・そうなんだけどさ・・・」


でもなんかさ?

みんながエレノアのサイン本を嬉しそうに貰っていると、俺だって欲しくなっちゃうじゃないか!

俺だってエレノアの事が大好きなんだもん!

ただ一人、エレノアだけは俺を笑わずにいつものように微笑んで答える。


「構いませんよ?御主人様。

では御主人様の本には「我が親愛なる主、シノブ・ホウジョウ様へ」と書いておきましょう」

「うん!」


俺が子犬のように尻尾を振って喜ぶと、エレノアはまたサインをし始める。

今度は本に「我が親愛なる主、シノブ・ホウジョウ様へ あなたの忠実なるエレノア・グリーンリーフより」と書いてある。


「はい、どうぞ」

「ありがとう!エレノア!」

「どういたしまして」


エレノアからもらった本を俺もしっかりと抱きしめる。

大好きなエレノアのサイン本だ!

単純に嬉しい!


こうしてエレノアは無事にサイン本を作ったが、実はここでサイン本の発端となったオーベルさんは致命的な過ちを犯していたのだ!

そう、それはパターソン姉妹の分のサイン本をもらわなかった事だ!

確かにあの二人はエレノアの弟子ではないが、もちろん問題はそこではない。

後日聞いた話によると、オーベルさんはパターソン姉妹、特にドロシーさんから執拗に責められたと聞いた。

それこそいつものように何回も蹴られて、泣かれながら首を絞められたそうだ。


無事にエレノア先生のサイン会が終わると、ユーリウスさんが総括する。


「さて、では話を元に戻しまして、今までの事をまとめると、まずシャルル君をシノブさんの所に逃がしてそこで訓練をする。

その間、私達はそ知らぬ顔で講義を続けて、オーベルさんが内偵をする。

そして無事に講義が終わったらシノブさんたちはロナバールへ帰る、という事でよろしいでしょうか?」


ユーリウスさんの言葉に俺とエレノア、そしてオーベルさんがうなずく。


「はい、そうですね」

「わかりました」

「承知しました」


俺たちがうなずくと、それまではほとんど黙って話を聞いていたポリーナさんが、恐る恐る話を始める。


「あの、私も一つお願いをしてよろしいでしょうか?」

「はい、何でしょう?」


ユーリウスさんの問いにポリーナさんが答える。


「私もシャルルさんと一緒に鍛えていただきたいのです」

「え?それはシャルルと一緒にうちに来るって事?」


俺が尋ねるとポリーナさんがうなずいて答える。


「はい、私も訳あって自分を鍛えたいんです!

今、皆さんの話を聞いてエレノア先生は凄い人だと伺いました。

そんな方に鍛えていただける機会なんて二度とないと思います!

滞在中の生活費や訓練費は何とか出せると思いますし、下働きでも何でもしますので、どうかお願いします!」


そう言って、ポリーナさんは深々と頭を下げる。


「いや、そんな滞在費や訓練費なんて別にいらないけどさ、

どうだろう?エレノア?」

「そうですね・・・ポリーナさん?

伺いたいのですが、あなたは何故自分を鍛えたいのですか?」


エレノアの疑問にポリーナさんは勢いよく答える。


「はい、それは亡くなった高祖父とある約束をしているからです!」

「高祖父?アルマンさんですか?」


俺の質問にポリーナさんが答える。


「はい、その通りです!」

「一体、何の約束をしていたの?」

「それは「ゴブリンキラー」になる事です!」


え?「ゴブリンキラー」だって?

その突然のポリーナの言葉に俺たちは驚いた。


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