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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0170 決断と対策

 ユーリウスさんの質問に俺は首を横に振って答えた。


「いえ、ここまで話を聞きましたし、それにシャルルはもう私にとっても友人です。

その友人の一生を左右するような話とあっては、私も放っておけません。

私もお手伝いさせていただきたいと思います」

「しかし、よろしいのでしょうか?

このまま話が進めば、万一危険な事にならないとも限りませんし、そのシノブさんには大切な・・・」


そういってユーリウスさんはエレノアとミルキィを見る。

ああ、この人は奴隷であるエレノアとミルキィの身もちゃんと心配してくれているんだな?

エレノアは自分の師匠であるから当然にしても、俺の奴隷であるミルキィの身まで心配してくれるとはありがたい。

しかし確かにそれは俺も心配だ。

もちろんエレノアは百戦錬磨だから心配はないにしても、ミルキィがね。


「エレノア、ミルキィ、これは僕が勝手にする事だから、今回の事は君たちは付き合わなくても良いからね?」


しかし俺の言葉に即座に二人が反応する。


「とんでもございません。

御主人様が友人のために事を起こそうとしているのに、奴隷である私が何もせずにいるとお考えですか?」

「その通りです!」

「いや、奴隷であるとかそういうのは関係なく、僕は大切な君たちを危険な目に会わせたくないんだよ」

「御主人様?メディシナーで私が同じ事を言った時に御主人様は私に何と言いましたか?」

「う・・・」


そうか、これはあの時と言わば逆の状態か・・・

そう考えた俺はエレノアを説得するのは諦めた。


「わかった・・・エレノアには協力してもらうよ。

ではミルキィは安全を考えて、この話には加わらないように・・・」

「とんでもありません!」


俺が話す途中でミルキィが抗議の声を上げる。


「え?」

「確かに私は御二人に比べればレベルも低いし、役立たずかも知れません。

でも必ず何かのお役には立ってみせます!

どうか私にもお手伝いさせてください!」

「いや、僕はミルキィの身が心配なんだよ」

「それほど私の身の心配をしていただけるはありがたいですが、私はそれ以上に御主人様とエレノアさんの心配をしているのです。

それにこれでも一応私も一級の組合員です。

御二人に教わって魔法もある程度覚えましたから、自分の身を守れないと言う事もありません!

どうかお手伝いさせてください!」

「わかった、ではミルキィにも手伝ってもらうよ」


俺も納得してミルキィも手伝う事となった。

ユーリウスさんがうなずいて話し始める。


「では我々が一致協力して事に当たるとして、具体的にはどうしましょう?」

「そうですね。

まずはこの事をシャルルに話して、彼がデニケンの事を信じると言うのであれば、私としても何も手を出す事はありません。

その時はポリーナさんに従いましょう」

「ではもし彼がこの話を信じたら?」


そのユーリウスさんの質問にしばし俺が考えながら答える。


「彼が今回の話を信じたら・・・そうですね・・・

まだ彼とは知り合って数日の付き合いしかない友人ですが、それでも彼が真摯で義理に厚い事は知っています。

そして彼が父親であるシモンさんを非常に尊敬しているのも知っています。

それを合わせ考えると・・・やはり父の仇を討とうとするのではないでしょうか?」


そう、そういう人柄だからこそ、俺もシャルルに惹かれたのだ。

それに彼は初対面の俺のためにわざわざ心配して様子を見に来た上に、ハムハムの術書まで持ってきてくれたのだ。

俺はあの時本当に嬉しかった。

だからこそ俺もまだ付き合って間もないシャルルのために、動く気になったのだから。

今度は俺の番だ。

俺が彼を手伝ってやらねば、俺の気がすまない。

俺の説明にエレノアとミルキィもうなずく。


「私も御主人様に賛成です。

おそらく彼はそう動くでしょう」

「私もそう思います」


ユーリウスさんもうなずいて答える。


「そうですね、私もそう考えます。

しかしそうなった場合、私達に何が出来るでしょうか?」


そう言われて俺も考えた。

何しろ仇を討つといっても、何も証拠がないのだ。

いきなり仇討ちでござる!と言って屋敷に乗り込んで全員でデニケンを囲んでブスリ!という訳にもいかない。

それではこちらが犯罪人になってしまうだろう。

そもそもまずはシモンさんがデニケンに殺されたという証拠集めから始めなければならない。

シモンさんやアルマンさんを信用しない訳ではないが、何かの勘違いや逆恨みという可能性もゼロではないのだ。

そこはきっちりと調べてからでなくてはならない。

しかもそれはすでに何年も前の話なのだ。

証拠を集めると言っても、どこから始めたら良いのかもわからない。

それはシャルルも同じだろう。

俺がそう考えていると、エレノアが話し始める。


「その場合はとにかく、まずはシャルルをデニケンから引き離す事ですね。

デニケンが彼の父親を殺したのが事実だとすれば、現状で彼をデニケンのそばにおいておくのは得策ではないでしょう。

そしてそれによってデニケンの様子がわかります。

もしこのポリーナの話どおりならば、デニケンはシャルルがいなくなった事を相当驚き、焦るはずです」

「確かにね」


大切な秘密を握って手元においておいた物がいきなり自分の下を去れば驚くはずだ。

ヴェルダの話どおりならば、慌ててシャルルの事を探し始めるはずだ。


「そうすれば何かボロを出す可能性も高いです」

「なるほど、しかし彼をどこに匿いましょう?

私の屋敷では真っ先に疑われそうですし、他に良い場所が思い浮かびません」


ユーリウスさんの言葉に俺がある決意をして返事をする。


「それは僕の家でしばらく引き取ります」

「シノブさんの家に?」

「ええ、うちだったら、しばらくの間はデニケンもまさか気づかないだろうし、場所も知らないでしょう。

ここからロナバールは遠いし、時間も稼げるはずです。

そして家にいる間にシャルルを僕とエレノアで鍛えますよ。

少なくとも今のミルキィ程度にね。

そうすれば極端な話、一人でも冒険者として暮らしていけるようになるでしょう。

それにレベルが上がって、魔法もたくさん覚えれば色々と行動もしやすくなるはずです。

そしてその間にもゆっくりとデニケンを調べれば、事情もわかるし、証拠なども見つかるようになると思います。

18歳まではまだ3年ほどある訳ですから、その間に色々と調べれば、かなり状況がわかるはずです」


俺の意見にエレノアとユーリウスさんも賛成する。


「ええ、そうですね。

彼の能力なら魔法もかなり覚える事は確実ですし、私もその方法が良いと思います」

「なるほど、確かに現状下ではその案が良さそうですね?

しかしシノブさんにそこまでお任せしてしまってよろしいのですか?」

「はい、彼は友人だし、困っている友人を見捨てるほど、腐ってはいないつもりです」

「わかりました。では我々はそうする事にしましょう。

しかし、まずは彼をどうやって呼び出しましょうかね?

下手に呼んでデニケンに感づかれるのも避けたいですし」

「それなら僕に任せてください。

僕が呼べば単なる遊びの誘いに出来るから問題はないはずです」

「そうですね。それが良さそうです。

ではシノブさんにお願いしましょう」

「任せてください」


こうして俺はシャルルを呼び出すためにデニケン宅へと赴いた。


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