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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0167 力の1号と魔法の2号

 俺は講義の準備で忙しい中も、毎日寝る前にハムハム2号をどう作るか、考えながら寝た。

そして少しずつハムハム2号の設計に取り掛かっていた。

ユーリウスさんの屋敷には来客用の研究室がいくつかあって、その一つを滞在中には好きに使って良い事になったので、寝る前の少しの時間を使ってそこで考えていたのだ。

前のハムハムは初めての物で、実験的な物だった。

あの時と比べれば、俺もずいぶんジャベックの知識が増えたし、レベルも上がった。

今度はレベルをもっと高くして、何かあっても、そう簡単にやられないようにしよう。

そして魔法を使えるようにして、言葉もたくさん理解して、可愛いだけでなく、ちゃんと使える子にしよう・・・そう考えながら俺は新しいジャベックを設計していった。


おお、ハムハムよ・・・必ずお前を蘇らせてやるからな!

力は十万馬力にして、空を飛び、目からはサーチライトの明かりで周囲を照らし、尻からはマシンガンで敵を倒す・・・俺は息子を失って、国の金で無茶なロボットを作った、どこかの有名なマッドサイエンティストのように、心をこめながらハムハム2号を作った。

・・・うん、でもそれは何か呪いっぽいからやめよう。


そしていよいよ数日後、ハムハム2号を起動する。

名前は「ムサビー」だ。

BGMにベートーベンの「運命」が欲しい所だ。


「起動、ムサビー!」


俺が起動呪文を唱えると、机の上に置いてあった魔結晶と術式書が光り、動き出す。

やがてまばゆい光の中から、一つのジャベックが姿を現す。

完成だ!

机の上には背中がこげ茶で、腹側が白い、ムササビ形態の小動物が可愛らしく、ちょこんと立っている。

人間の手のひらの上に乗る大きさだ。


「ムサビー、お前の名前はムサビーだ、分かるか?」

「うきゅ」


生まれたばかりのムサビーは俺の問いにうなずく。


十万馬力とはいかないが、ムサビーはレベル60で、いくつかの魔法を使う。

なりは小さいが、力もそこそこある。

使える魔法は、火炎と凍結、雷撃の3つの低位攻撃魔法と、低位治療、解毒、透明化、照明、そして浮遊と飛行推進だ。

この魔法により、空を高速で飛び、隠密で行動して、治療と解毒で仲間を助ける事も可能だ。

知能もかなり高く、俺が命令すれば、日常言語も多少話す。


「よし、ちゃんと言葉もしゃべれるか?

ちょっと話してみろ」

「はい、大丈夫でございます。シノブ様」

「うん、だけど僕が命令した時以外は話さないように。

周囲が驚くといけないからね」

「承知いたしました。シノブ様」


どうやらムサビーは設計通りに完成したようだ。


そして俺はもう一匹、同じようなジャベックを起動する。


「起動!ハムハム!」


今度はハムハムと見た目が全く変わらないジャベックが起動する。

そう、俺はシャルルの持ってきてくれた術書を作り直して、新しいハムハムも作ったのだ。

新ハムハム1号の誕生だ!

起動したハムハムがキョロキョロと辺りを見回す。


「よし、ハムハム、お前も自分の事はわかるな?」

「うきゅ!」


新ハムハム1号は見た目は全く変わらないが、レベル70で、以前より知能も高い。

前回同様、多少はランダムに動くようにはしたが、今度は俺が命令したら必ず言う事は聞くし、初見の人には飛び掛ったりしないように設計を修正してある。

そして以前と同じく、魔法は使えないが、レベルが高い分、力だけならムサビーより上だ。

俺はハムハムにも話しかけてみた。


「一応、お前も話せるようにしておいたが大丈夫か?」

「あたぼうよ!シノブ!

おめーがそういう風に設計したんだから当然よ!」

「う~ん、勢いのある擬似性格設定にしたんだが・・・

あの性格でしゃべれるようにすると、こんな感じになるのか・・・

まあ、大体予想通りだが、ちょっと雑すぎたか・・・」


本来、自我があるアイザックと違い、ジャベックに性格や感情などはない。

しかし、ある程度は擬似的な性格のような物を組み込める事を俺はエレノアから習っていたし、ユーリウスさんの研究室にあった書物でも学んだ。

それで俺は、今度作った二匹にはそういった擬似性格的な物を組み込んでみたのだ。

ムサビーの方は忠実で寡黙な執事、ハムハムの方は単純に一本気で突き進むような性格にしてみたのだが・・・


「何言ってやんでぇ!こちとらチャキチャキの江戸っ子でぇ!

これで当たり前よ!」


江戸っ子って・・・おかしいな?そんな知識を入れた記憶はないんだが?

でも俺、ここの所疲れていて、半分寝ながら術式書を作った部分もあったような気がするから、その時に変な知識を入れちゃったかな?

まあ、いいか?

横にいたムサビーが、ハムハムに呆れたように話しかける。


「ハムハムよ。我らが主に向かって、その言葉遣いはどうかと思うが・・・」

「てやんでぃ!気にするな!

これが俺の生き様よ!」


生き様って・・・大丈夫かな?こいつ?

少々心配になった俺が一応ハムハムに注意をする。


「・・・まあ、いきなり人に飛びついたり、知らない初めての人間に僕の許可なく話しかけたりはするな?

以前のお前はそれで消滅してしまったからな」

「おう!そんな無茶はしないから安心してくれ!」

「うん、それなら良い」


俺は改めて二匹に命令する。


「よし!ハムハム!ムサビー!

お前たちは今日から力の一号、魔法の2号だ!

レベルも高いから単なる愛玩用だけじゃなくて、日常でも役に立つように訓練をするからな!

一応、迷宮とかで戦闘訓練もするぞ?」

「ウキュ!」

「うきゅ!」


俺の言葉に2匹ともその場で立って、前足でビシッ!と敬礼をする。

よしよし、今度はちゃんと言う事を聞くな?

まあ、そう設計をしたから当たり前だけどね。


俺は早速二匹をみんなにお披露目する。


「みんなこれが新しい僕の作ったジャベックだよ。

こっちのハムハムそっくりなのは作り直した新しいハムハム。

名前もハムハムのままだ。

こっちの背中がこげ茶色の方はムサビーだよ。

さあ、ハムハム、ムサビー、ここにいる人たちは覚えておくんだ。

今ここにいる人だけの時はしゃべっても良いからね。

自己紹介してごらん」


俺がそういうと、ハムハムとムサビーがそれぞれ自己紹介をする。


「よう!俺がハムハムだ!よろしくな!」

「ムサビーと申します。どうか皆様よろしくお願いいたします」


いきなり自己紹介する小動物的なジャベックに皆驚いたようだ。


「御主人様、これは中々良い出来ですね?」

「ええ、とても可愛いです」

「これは素晴らしいですね?」

「うん、とても素晴らしいよ!」


どうやら皆にも好評のようで、俺も一応ホッとした。

今度の2匹は前のように簡単に消滅したりはしないだろう。


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