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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0016 奴隷商館

 翌日になって、今度は4人で市場を回った。

サーマル村長の息子のマンリオさんは、温厚で親切な人物だ。

何も知らない俺に、色々な事を丁寧に説明してくれて、俺も大いに助かった。

俺は屋台で串焼きのような物を買って食べてみたり、オレンジジュースを飲んだり、着替え用の服などを買ってみた。

今度は昨夜のような事もなく、普通に買い物をして一旦荷物を置くために、宿に戻った。


「さて、次はいよいよ奴隷商館だな」

「そうだね、シノブさんも奴隷商館に一緒に行きますか?」

「奴隷商館ですか?」


正直、俺の前世は奴隷とは縁がないし、良い印象もない。

あまり、奴隷商館という場所に行くのは気が進まなかった。

少々引き気味な俺にマンリオさんが問いかける。


「ええ、行った事はないんですか?」

「そうですね、私の居た場所では奴隷という者がいなかったので」


その俺の答えに3人が驚く。


「奴隷がいない?」

「それでよく労働力が足りますね?驚きだ」

「まあ、では物は試しです。一緒に行ってみてはいかがですか?」

「そうですね」


まあ、確かに言われる通り、物は試しだ。

そして百聞は一見にしかず。

おそらくこの世界で生活するのならば、いつかは経験する事だろう。

それならこうして説明してくれる人たちがいてくれる時の方が良いに決まっている。

こうして俺も奴隷商館なる物を体験すべく足を運んだ。



4人で町の中央部分に行くと、大きな建物がいくつも並んでいる通りにでる。

その中でもかなり大きな建物の前で一行が止まって、マンリオさんが俺に説明をする。


「ここはこの町でも一番大きく、信用のある奴隷商館なんですよ」

「へえ」


なるほど建物の横には大きく「バーゼル奴隷商館」と書いてある。


「奴隷商館と言っても、やはり色々ありますからね。

その点、ここは信用できます」

「そうなんですか?」

「ええ、では入りましょう」


中に入ると客間に通されて、少々待つ。

しばらくすると主人らしい人間が入ってきて挨拶をする。


「これはサーマルさん。御久しぶりです、今日は何の御用事で?」

「ええ、一人ちょっと買いに」

「なるほど、そちらの方は?初めて御見受けいたしますが?」

「ああ、こちらの方は旅の方で、わしの恩人です。

奴隷商館は始めてで、見学をしたいと言うので、御連れしました」


サーマルさんの説明に若い主人が大きくうなずいて答える。


「なるほど、見学、大歓迎です。

見ていただければ、うちの奴隷の質や公正性をわかっていただけるでしょうし、

いつかうちの御得意様になっていただけるかも知れませんからね」


この若主人は中々気さくで商売人のようだ。


「私はこのバーゼル奴隷商館の主をしております、アルヌ・バーゼルと申します。

以後お見知りおきを」

「始めまして、シノブ・ホウジョウと申します。

今回は勉強をさせていただきます」

「どうぞ、いつでもいらしてください。

ご覧になるだけでも大歓迎ですからね」


そう言ってからサーマル村長の方を向くと商談に入る。


「それではいつも通り、一般用を?」

「そうですな。頑丈そうな奴を頼みます」

「では、こちらへどうぞ」


案内された部屋は20畳ほどの部屋で10数人の男たちがいた。


「はい、みんなお客様ですよ!立ってご挨拶を!」


部屋にいた男たちが立ち上がると、それぞれ会釈をする。


サーマル村長は何人かを見比べた結果、屈強そうな30代ほどの男を目に付ける。

筋肉も隆々としていて、確かにサーマルさんの希望通り頑丈そうだ。


「ふむ、ではこの男をもらおうか」

「ありがとうございます。

金貨20枚になります」


多少の書類手続きをして、俺の見ている前で、意外なほどあっさりと奴隷の売買は終わった。

俺は初めて人身売買という物を目にしたが、それは普通の買い物と、何も大差なかったように見えた。

売る方も買う方もごく紳士的で、普通の商品を売買するのと全く同じだった事に、逆に違和感を感じたほどだった。

商品である奴隷の男も、まさに今、自分の身が売り買いされている事に疑問も持たず、文句も言わずに、淡々と手続きが終わるのを待っている。

正直、俺は自分が売られるとなったら、騒いだり暴れたりするのではないかと考えていたのだが、そんな事は全く無かったようだ。

(まあ、これがこの世界では当たり前の事なんだろうな)

俺はそう考えて納得した。



外に出た俺にマンリオさんが話しかける。


「いかがでしたか?奴隷商館は?」

「そうですね、思ったより清潔で、良い所でした」

「あそこは良心的な店ですからね。

奴隷にも良い場所です。

中にはもっとひどい場所もあります」

「そうなんですか?」

「ええ、そういう場所の奴隷はあまり質もよくないので、気をつけた方が良いですよ」

「はい、ありがとうございます」

「さて、我々はこれで村に帰りますが、先生はどうされます?」


サーマル村長に聞かれて俺は答えた。


「そうですね、私はもう少し、この町にいようと思います」


この2日だけでも、驚くほどの体験をした。

この町にはまだまだ様々な事があるだろう。

しばらくはそういった事を色々と体験して、この世界の見聞を広げたい。


「わかりました、もし何か困った事があれば、わしの所に来てください。

出来る限り力になりますぞ!」

「ありがとうございます」

「では、またいつか」

「さようなら」


こうしてサーマル村長たちと別れた俺はブラブラと町を歩いていた。

さて、日もまだ高いし、これからどうしようか?


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