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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0158 クラウスの仮卒業

 ゴーレム大会の帰りに俺たちはサイラスさんに出会った。


「やあ、これはホウジョウさん」

「ああ、サイラスさん。

あなたも決勝戦を観戦に?」

「ええ、色々と参考になる部分もありますからね」


そう言うサイラスさんは横に何体かのジャベックを連れていた。

その内の一体はこの間、ノーザンシティの展覧で見たジャベックと同じだ。


「それは先日購入したジャベックですか?」

「ええ、そうです。

リースと名づけました。

今日はこのリースに見学をさせるためにも来たのですよ」

「なるほど、確かにジャベックに戦闘を見せれば良い学習になりますからね」


ジャベックはタロスと違い、学習能力がある。

自分で戦闘をさせて経験をさせれば一番良いが、実際の戦闘を見させるのも重要な方法だ。

特に今日のあの大魔法合戦などは良い学習になっただろう。

サイラスさんも俺の言葉にうなずいて返事をする。


「はい、大変参考になりました。

 いよいよ来週からはこのリースを迷宮に連れて行き、訓練して、ある程度納得が行くようになったら組合に登録しようと思っています」

「なるほど」


ここで俺はふとある事を思い出した。

確かこの人は正規の魔道士の資格を持っていて、独学でジャベックを勉強していて、あと一歩だと言っていた。

だとすれば、この人も明日のジャベック講座に呼んでみたら良いのではないかと考えたのだ。


「エレノア?明日の講義にサイラスさんも呼んでも良いかな?」

「ええ、この方でしたら十分に理解できるでしょうから良いと思います」

「そうだね、サイラスさん、明日はお時間がありますか?」

「ええ、休日ですからね。基本的に私は休む事にしています」

「では、もし宜しければ、うちにいらっしゃいませんか?

実は明日はこのエレノアが何人か呼んで、新しいジャベックの講義をする予定なんです」

「新しいジャベックの講義?」

「ええ、そうです」


俺の誘いにサイラスさんも興味を持ったようだ。


「それは興味深いですね。

私が参加しても宜しければ是非、参加させてください」

「わかりました。

それでは明日の昼過ぎにうちにいらしてください。

7番通りの5番地です」

「わかりました」


こうしてサイラスさんもエレノアの講義に参加する事となった。

この人は独自でジャベックの勉強をかなりしているようなので、エレノアの講義を聞けば、何か得る物があるかも知れない。

そういった人にも講義を聞いてもらえるのも良いだろう。



そして家に帰るとサーマルさんが迎えに来て、クラウスも村に帰る事となった。

この数日間はクラウスにとっても充実した物だったようだ。

レベルも21まで上がり、魔法も基本の2つだけだが、ちゃんと覚えた。

最後に俺が仮の卒業試験としてコラージさんにお願いをする。


「コラージさん、ちょっとクラウスと戦ってあげてくれませんか?」

「え?俺がかい?

別に構わないけど?」

「お願いします。クラウスを鍛えると思って」

「ああ」


そう言って俺は今度はクラウスに話かける。


「じゃあ、クラウス、これが最後の仕上げだ。

コラージさんと戦ってみろ」

「え?コラージさんと?」

「ああ、但し魔法は禁止だ。

武器はこの中から好きなのを選んで良いぞ」


そう言って俺はそこに模擬戦用の木製の武器をズラリと並べる。


「魔法なしでコラージさんと戦うんだったら・・・」


クラウスは一生懸命考えているようだ。

やがてクラウスは2本の木製の短剣を手に取る。

正解だ。

強くなったとはいえ、はっきり言って、まだレベルも力もコラージさんには敵わない。

勝っている部分は魔法が使える事と素早さだけだ。

その魔法を禁じられたのならば、素早さで勝負するしかない。


「これで戦うよ」

「よし、ではコラージさんも、どれか好きな武器を選んでください」

「まあ、俺の場合は武器っていっても剣しか使った事がないからなあ・・・」


そう言ってコラージさんは普通の木剣を取る。


「二人とも用意は良いかな?」

「はい、先生」

「大丈夫ですよ」


二人の準備が出来た所で俺が合図をする。


「では、はじめ!」


戦いが始まると、クラウスは勢いよく飛び出してコラージさんを攻める。


「うわっとっと!」


コラージさんは慌てて剣で防ぐが、クラウスは素早く2本の短剣で連続攻撃を加える。

その素早さにコラージさんも大慌てだ。


「うわっ!ちょちょっと!」

「どうした!どうした!

 コラージ!押されているぞ!」


サーマルさんの野次にコラージさんは答える余裕すらない。


「そんな事言ったって!親父さん!

こいつ本当に・・・おわっ!たはっ!」


さらにクラウスが短剣2本で連続攻撃を続ける。

その様子はまさにミルキィの戦い方にそっくりだ。

ミルキィのように素早く動き、クルクルと回りながら器用に短剣を振り回す。

その速さについにコラージさんが防ぎきれなくなって、足をもつれさせて倒れる。

倒れたコラージさんにクラウスが短剣を突きつける。

鼻の先に木の短剣を突きつけられたコラージさんが降参する。


「参った!」


コラージさんが敗北宣言をしたので、試合はここまでとなった。


「ありがとうございました!」


クラウスが挨拶をすると、コラージさんも立ち上がって感想を述べる。


「いや~驚いた!

たったの数日間で、これほど強くなるとは本当に驚いたよ!」

「ああ、全くだな!」

「えへへ・・これもシノブ先生たちのおかげさ。

魔法だって使えるようになったんだよ!」

「魔法まで?」


驚くコラージさんに俺が説明をする。


「ええ、一番簡単な火炎魔法と治療魔法の二つだけですが、何とか使えるようになりました」

「そりゃ全く大したもんだ!」


コラージさんが感心すると、サーマル村長とマンリオさんも驚く。


「ううむ、全くほんの数日でここまで強くなるとは・・・」

「ええ、もう父さんや私何かよりも強いんじゃないですか?」


クラウスも嬉しそうに三人に話す。


「うん、シノブ先生も、エレノア先生も、ミルキィ先生も凄く分かり易くて丁寧に教えてくれたんだ!

おかげで僕、凄く強くなったんだよ!

でも慢心はダメだってシノブ先生に言われているから注意しなくちゃね!」


そのクラウスの言葉に三人が再び感心する。


「ほほう?慢心ね?

そんな言葉まで覚えるとは本当に大したもんだ」

「全くです」

「ああ、こりゃ、俺も慢心せずに、村に帰ったらクラウス先生に鍛えてもらうかな?」

「あはは、でも訓練だけじゃなくて、色々とシノブ先生たちとも遊んでもらったんだよ?

一昨日なんかはペロンやレオンと一緒に釣りにいったんだ!

凄い楽しかったよ!」

「レオン?そりゃ誰だ?」

「え~とね、メディシナーの偉い人」

「ほう?メディシナーの偉い人?」


サーマルさんが不思議がったので、俺が説明をする。


「ああ、メディシナーの当主と私が知り合いで、ちょうどその友人が時間が空いて遊びに来たので、みんなで川に釣りにいったんですよ」


そう、ゴーレム大会で忙しい中、一日休みが取れたと言って、レオンが遊びに来たので、俺も喜んで、ペロンやクラウスを連れて釣りに行ったのだ。


「メディシナーの当主?

そりゃ確か侯爵様じゃないですか?

 先生、そんな方とお知り合いなんですかい?」

「ええ、まあちょっとした事があって知り合いましてね」

「うん、レオンとペロンは凄く釣りが上手で色々と教わったんだよ」


そう、ペロンもさる事ながら、レオンも負けずに釣りがうまかったので、俺も感心した。

もっとも、レオン曰く、「旅の途中で腹が空いたから魚が食いたくなって、必然的に釣りがうまくなった」と言っていたが・・・


「レオンって・・・クラウス、お前なあ・・・侯爵様をそんな気軽に・・・」

「え?でもレオンがそれで良いって・・・」

「いくら相手が良いと言ってもだな・・・」


かなりサーマルさんが気にしている様子なので、俺が説明をする。


「ああ、大丈夫ですよ。

レオンは侯爵と言っても気さくな奴で、私とも仲が良いですから」

「そうですか?

それにしてもクラウスもえらい大人物と知り合いになったもんだなあ・・・」

「本当にたったの数日で変化が多すぎだね」

「全くだ!」


マンリオさんとコラージさんも呆れたように驚く。


「はは、まあそんな訳で多少クラウスも鍛えられたので、我々としても満足です。

機会があれば、また鍛えたいですね」

「そりゃ願ってもないこってす、先生!」

「本当にね」

「ああ、じゃあクラウス?村に帰るぞ!

先生たちにお礼を言え!」

「うん、御祖父ちゃん!」


サーマルさんに促されて、クラウスが俺たちに別れの挨拶をする。


「じゃあ、シノブ先生、エレノア先生、ミルキィ先生、さようなら!

本当にありがとうございました!

ガルドとラピーダもありがとう!」

「ああ、また来いよ、クラウス」

「もちろんさ!僕は先生の一番弟子だからね!」

「ははっ、そうだな。

サーマルさん、先ほど言った通り、ここ数日でクラウスを鍛えて剣の上達の他に、火炎魔法と、初歩の治療魔法だけは使えるように鍛えてみました。

ただし、クラウスは魔法使いとしては、かなり魔法量が少ないので、今はまだ火炎魔法を5回も使えばグッタリしてしまうと思います。

治療魔法は3回ですね。

帰りの馬車でも魔物には出会うでしょうから試しに魔法を使わせてみてください。

良い実戦経験になるでしょう。

ただ、本人にも言い聞かせてありますが、魔法使いは魔法を使いすぎると、気分が悪くなって、魔法力がなくなってしまうと気絶してしまうので、注意してあげてください」


俺の説明にサーマルさんが驚いて俺に質問する。


「気絶?そうなった場合はどうすればいいんですかい?」

「しばらく放っておけば、自然回復をして気がつきますから大丈夫です。

ただ一人で魔物狩りなどに行って気絶してしまった場合は、もちろん魔物に殺されてしまいますので、そこだけは徹底的に注意しないといけません。

本人にもよくよく説明はしてありますが」

「わかりました。

おい、クラウス、聞いただろうな?

魔法は一人の時は、どうしてもって言う時以外は使っちゃならないぞ?

命に関わるんだからな!」

「うん、もちろんさ」


祖父の言葉にクラウスが元気よく答える。

そこの部分は重要なので、実践で体に覚えさせたから大丈夫だろう。

さらに今度はエレノアが説明をする。


「それと一番の基本は教えましたが、この子は魔法学校に行かせた方が良いです。

幸い、ロナバールには良い魔法学校がございますから、時期が来たら、親御さんに許可を取って通わせた方が良いでしょう。

この子くらいの年齢は、他の子達と一緒に学ばせた方がよろしいので、是非魔法学校に通わせてあげてください」

「なるほど、わかりました。エレノアさん。

確かにうちの娘もこの子くらいの時に魔法学校に通わせ始めたので、良いかも知れません」

「ええ、そうですね」

「ああ、じゃあな、クラウス」

「うん、シノブ先生たちも元気でね!」


こうしてクラウスは祖父たちと共に村へと帰って行った。


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