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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0135 ミルキィと二人でミッション

 登録をしてから1週間ほどして、溜まっていたミッションの他にも、ミッションをいくつかこなして慣れて来た。

そんな俺とミルキィに、エレノアが言った。


「そろそろ御二人も色々な仕事になれてきたようですから、今日から数日間、御二人でいくつかミッションをこなしてみてきてはいかがでしょうか?」

「二人で?」

「はい、そろそろ御主人様も仕事の駆け引きになれてきましたし、ミルキィも戦闘にかぎらず、様々な仕事に慣れてきました。

私はちょうどジャベックに関する事で作成したい書物がございますので、数日間、二人で何かしてみてはどうでしょう?

たまには私抜きで色々とやってみるのも勉強です」

「そうだね」


確かに今まではいつもエレノアに頼っていたが、それでは親離れできない子供と同じだ。

エレノアもそう考えて、俺たちを二人で送り出そうと考えたのだろう。


「ええ、もちろん無理なミッションは避けてください。

自分の技量にあった仕事を判断するのも勉強です」

「わかった」


エレノアに言われて俺とミルキィは二人で街へ出て組合へと向かう。

確かにエレノア抜きで行動するのは初めてなので、少々緊張するが、ミルキィも今やレベルは135、俺に至っては286なのだ。

俺もこの街に慣れてきているし、まず何か問題が起こるとは思えない。


しかしそんな俺たちにいちゃもんをかけてきた者たちもいた。

組合に向かってミルキィと歩いていると、チンピラのような連中が話しかけてきた。


「おうおう!小僧!ずいぶんとベッピンな姉ちゃんを連れているじゃねぇか?」


おや?どこかで見たような記憶のある連中だ?誰だっけ?

しかしどう見ても、まともな連中には思えないが、一応、俺は何者かを尋ねてみる。


「え~と、あなたがたはどちらさんで?」

「俺たちか?俺たちはこのロナバールの東地区を仕切る、ブローネ党よ!」

「そしてこのお方が我らが当主のザジバ・ブローネ様だ!

よく覚えておけ!」


両脇に子分を従えてふんぞり返った若い男が真ん中で胸を張っている。

思い出してきた。

そういえば以前そんな名前を名乗る連中に会ったような記憶がある。


「はあ、まあ一応覚えておきましょう、それじゃ・・・」


俺がそう言って通り過ぎようとすると、慌ててその部下たちが止める。


「まてまて!お前、何を勝手に行こうとしてるんだ?」

「え?だって別にあなたがたに用事はないし?」

「そっちがなくともこっちがあるんだよ!」

「何の用事でしょう?」

「それはな!このベッピンさんをちょいと借りようってのさ」


そう言って一人がミルキィの手を引っ張って連れて行こうとするが、サッとミルキィが避けたので、チンピラの手は空しく空をつかむ。

俺がそいつをどうにかしようとするよりも早く、ミルキィがそいつの腹に軽く一発パンチを繰り出すと、その男は呻いてうずくまる。


「おほうぅ~!」

「私に触れて良いのは御主人様だけです!」

「何しやがる!このアマ!」

「あ、ザジバ様!こいつよく見たら、以前あのベッピンエルフと歩いていた奴ですぜ!」

「何?ではこいつはあの美形エルフがいながら、また別の女といちゃついておるのであるか?」

「そうです」

「そいつは許せんな!」

「確かに許せませんな!」


ブローネ党とやらの連中が俺とミルキィを囲む。


「御主人様、この連中は私が一人で始末をしますので、少々お待ちください」

「うん、わかった」


ミルキィの周囲を男たちがズラリと囲むが、もちろんミルキィは怯む様子はない。


「俺たちを一人でだと?上等だ!」

「このアマ!今からでも素直に従えば許してやるぞ!」

「あなた方のような愚かな無法者に従う意思はありません!」

「なんだと!てめえ、泣く子も黙る俺たちブローネ党に逆らおうってのか?」

「ブローネだか何だか知りませんが、私を甘く見ると後悔しますよ!」

「なんだと!このアマ!やっちまえ!」

「おう!」


男たちは一斉にミルキィに飛び掛るが、当然の事ながらレベルが130以上もあるミルキィとは話にならない。

風のように動くミルキィは相手が見る隙すら与えずにチンピラを倒していく。

チンピラたちはあっという間に一人残らず、なぎ倒されて地面に這い蹲られる。

何か以前にも、これと同じ光景を見たなあ・・・


「な、なんだ・・・この獣娘・・・」

「冗談みたいな速さだ・・・全然見えねえ」

「さあ、まだ相手をして欲しいならいくらでも相手をしますよ?」


可愛い顔で凄むミルキィに、チンピラどもは一気に逃げ腰になる。


「ひいっ!に、逃げろ~!」

「あ、兄貴~」

「覚えてろ!お前たち!」

「あっ!待て!お前たち!我輩を置いていくでない!」

「ザジバ様!早く逃げましょう!」


一人が逃げると全員が一目散に逃げていった。


「お疲れ様、ミルキィ」

「ええ、では、参りましょう」


 うん、何だか以前にも似たような事があった気がしたが、気にしないことにした。

考えてみればいつもはエレノアが護衛用のタロスを何体か出していたのだった。

今日はミルキィと二人きりだったので、うっかりそれを忘れていたのだった。


俺たちは組合に行って、二人にちょうど良い仕事を探す。

ミルキィと二人で掲示板を見るが、中々これと言った物がない。


「うん・・・これは普通に魔物退治か・・・

まあ、それでもいいんだけどねえ・・・」

「これは、商隊の長期護衛ですから1日では終わりそうにないですね」

「中々ちょうど良いのはないねぇ・・・」

「そうですねぇ・・・」


以前エレノアが言っていたように、元々ミッションというのは三人以上が前提の物が多い。

二人では中々良いミッションはないようだ。

俺たちが何か良いミッションはない物かと探していると、受付のアレクシアさんが声をかけてくる。


「あの・・・シノブさん?」

「はい、何でしょう?」

「今日は御二人なんですか?エレノアさんは?」

「ええ、彼女は家で仕事をしています。

たまには二人で何かミッションをしてみようかと思いまして」

「それでしたらちょうど、うちの組合から御二人にやっていただきたい事があるのですが・・・」

「私達に?何でしょう?」

「盗賊の囮退治です」

「盗賊の囮退治?」

「ええ、最近レベルが20から30程度のレベルが低い盗賊が急増しているのですが、中々逮捕に繋がらず、市の当局や魔法協会もやきもきしていて、うちにも盗賊退治の依頼が来ているのです」

「なるほど、でも何故それを我々に?」


盗賊退治なら、わざわざ俺たちに依頼しなくとも、かなりの組合員たちが引き受けているはずだ。

それともそんなにたくさん盗賊が出始めたのだろうか?


「実は、最近の盗賊はレベルが低い分、かなり用心深い者が増えておりまして、初心者ばかりを狙う盗賊が増えているのです。

本来は初心者は所持金も少ないですし、高価な品物も持っていないので、面倒がって、ある程度の盗賊は狙わなかったのです。

しかし、最近は儲けが少なくとも安全策を取る、本格的な盗賊と言うよりも、町のならず者たちが小遣い稼ぎに盗賊をやっているというのが多くなってきたのです」

「ははあ・・・」


俺がこういうのも何だが、盗賊の質も落ちたという事か?


「しかも、そういった連中は捜査官の網に掛かりにくいのです」

「なぜですか?」

「基本、魔法協会の戦闘法務官などは制服を着て巡回しておりますし、組合で依頼した盗賊討伐隊も強面が多いので、そういった人々をちょっとでも見ると、初心者狙いの、にわか盗賊たちはさっさと逃げてしまうのです。

何しろ普通の冒険者を見ても、警戒して逃げるほどのようです」


なるほど、臆病者でチキンな盗賊が増えているわけだ。

しかし、それなら盗賊などやらなければよいものを・・・

そういう連中には地道に仕事をするという頭がないのだろうか?


「しかし、こういっては失礼ですが、シノブさんとミルキィさんは、見た目がお若い上に、正直とても高レベルの冒険者に見えません。

ここの組合員たちには、すでにそこそこ有名ですが、盗賊たちには御二人は、まだほとんど知られていないでしょう。

エルフのエレノアさんがいれば、警戒もするでしょうが、年若い少年と少女の御二人だけならば、連中の警戒も緩むと思うのです」


なるほど、それは確かにそうかも知れない。

俺自身、そういった経験はこの街で何度もあるし、ついさっきも二人で歩き始めた途端に町で絡まれたしね。


「ですから御二人にはいかにも初心者のふりをして、盗賊の出没地帯を歩いていただければ、盗賊を捕まえる事ができるかと思うのです」

「なるほど、そういう事ですか・・・やってみるかい?ミルキィ?」

「ええ、やってみましょう!御主人様!」

「わかりました、では囮捜査を御二人にお願いいたします」

「承知しました」

「あ、できれば、貧弱ですが高価な装備で、そしていかにも金持ちの若い恋人同士という感じで、森や迷宮をウロウロすれば、盗賊も掛かりやすいと思いますよ。

ただし、連中は麻痺針や毒の吹き矢を使ったりもするので、その点は用心してくださいね」

「はい」

「それと馬車の無料券をお渡しするので、街から森の入り口までは、是非馬車で行ってください」

「馬車で?」


もちろん俺たちは森まで航空魔法で行けるが、わざわざ馬車で行くとは、何か理由があるのだろうか?


「ええ、どうも今までの捜査によると、連中は乗合馬車の中に仲間を紛れ込ませ、獲物を物色している節があるのです。

そうしてこれといった人に目をつけると、先回りをして仲間に知らせて待ち伏せするわけです」

「なるほど、では馬車に乗る時点で、初心者のふりをしていた方が良いわけですね?」

「その通りです」


そう言ってアレクシアさんは、俺たちをヘイゼルさんの所へ連れて行く。


「ヘイゼル、例の件をこの御二人が引き受けてくれたわ!」

「まあ、この御二人ならまさに適役ですね!」

「ええ、だから令状をこの御二人に渡してちょうだい」

「はい」


ヘイゼルさんが俺に捜査令状と、馬車の無料券をくれた。


仕事を引き受けた俺たちは、まずは街の武器屋に行き、少々それらしい武器や防具を買って、いかにも金持ちの初心者の雰囲気をだした。

さあ、これで盗賊たちがうまい具合に引っかかってくれると良いのだが・・・


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