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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0131 ゴブリン退治

 ブルックス村に到着すると、村長以下、村人たちに大歓迎された。

かなり前から組合にゴブリン討伐を頼んでいたのだが、場所が遠いのと、貧乏な村で依頼料金を高く払えないので、引き受け手がなくて困っていたそうだ。

俺たちは村長にゴブリンが巣食っている詳しい場所を聞き、そこへ向かう。

場所は村の近くの森にある、使用されなくなった小さな古城のようだ。

魔物の規模は不明だが、ゴブリン50匹以上は間違いがないようだ。


古城に向かいながら俺は二人と相談する。


「さて、どうしたらいいかな?」

「もちろん、一番手っ取り早いのは城ごと破壊してしまうのが一番ですが、村長の話によると、攫われている娘もいるようなので、それを救出するとなると、そうも行きませんね」

「そうだね、救出も含めて一番効率的な方法は何だろう?」

「こういった場合のもっとも一般的な方法は、まずは十分な人数を集めて、出入り口を全て脱出不能に固めます。

その後に大規模な戦闘部隊と救出部隊を編成して、内部に突入するのが普通です。

我々の人数は三人ですが、全員ゴーレム魔法を使えますから、人数不足はタロスで補えます。

出入り口を固めたら、まずは戦闘タロス集団を攻め込ませて、ゴブリンを殲滅します。

同時に別部隊のタロス集団を中に入れて、人質を探し出し、救出するような命令を出して突入させるのがよろしいかと存じます。

さらにゴブリンは光を嫌いますので、古城内の照明係を兼ねて、タロスの集団の中に五体に一体ほどの割合で、照明魔法を仕込んで、光り輝くタロスを混ぜるのが得策ですね。

もちろん、外に出てきたゴブリンは殲滅します」

「わかった、それでやってみよう」


俺がエレノアの説明にうなずくと、ミルキィが質問する。


「私は何をすれば良いのでしょう?」

「御主人様に攻撃全般をしていただいて、私とミルキィは古城から逃げ出したゴブリンの掃討と、救出された人々の手当てですね」

「はい、わかりました」


航空魔法で古城の近くに到着して様子を探る。

小さな古城で規模は大した事はない。

出入り口は2箇所しかないようだ。

そのどちらにも特に見張りはいない。

俺は直ちにエレノアの案に従い、まずは古城の裏口にタロス30体ほど配置して脱出不能に固める。

次に戦闘タロス、救出用タロス、照明タロスを作り出して、正面入り口から古城の中へと送り込む。

相手の戦力が今ひとつわからないので、手を抜かずにレベル100の戦闘タロスを300体、救出用タロスを20体、照明タロスを60体だ。

この大きさの城ならば、いくら何でも相手は100匹はいない筈だ。

したがって予想されるゴブリンの3倍以上の戦力なのは間違いがない。

実際にはレベルを考慮すれば、おそらく戦力差は200倍以上だろう。

いや、500倍以上かも知れない。

完全にオーバーキル状態だ。

この戦力ならゴブリンどころか、相手がミノタウロス200匹でも圧勝だろう。

これが初ミッションとはいえ、少々気負いすぎたかも知れない。


タロスたちが突入すると、即座に中では叫び声が起こり、ゴブリンたちが騒ぎ出す。

しばらく外で待っていると、救出用タロスが何人かの村娘たちを抱きかかえて助け出してくる。

俺が古城の中の攻撃に専念している間に、エレノアとミルキィは救出してきた娘たちの傷の手当だ。

エレノアはもちろんの事、今やミルキィも初歩的な治療魔法は出来る。

そしてエレノアが裸の娘たちにタロスで作った、間に合わせな服を着せる。

使役物体魔法便利だな!

俺は改めてこの魔法の万能性に感心する。

さらにしばらく待ってみたが、救出タロスが手ぶらで出てきたので、もはや攫われた村娘たちは全て救出できたようだ。

中も静かになってきたので、俺とミルキィは念のために古城の中へ入って確認をする。

エレノアは救出した村娘たちの守りと、万一逃げ出すゴブリンがいた場合に備えて、外で見張りだ。


俺たちは古城の中へ入って、くまなく探索するが、どうやら全てのゴブリンは戦闘タロスたちで殲滅できた様子だ。

まだたくさんの戦闘タロスが残っていて、古城内をウロウロとしているが、戦闘音が聞こえない様子からして、まず全滅だろう。

残っている人質もいない。

玉座らしい場所で、戦闘タロスと戦い、死体となったメイジゴブリンを確認する。

おそらくこいつがここの主だったのだろう。

念の為に探知魔法を使ってみたが、隠し部屋などもないし、隠れている者もいないようだ。

これで全滅は確認できた。

安心して外に出てくると、逃げ出したゴブリンもいなかったようだ。


「この古城はどうしようか?」

「放って置くとまた魔物の住処になりかねません。

村人たちも利用はしないようですし、これ以上ゴブリンや魔物が棲みつかないためにも破壊しておいた方がよろしいでしょう」

「では、そうするか?

エスティンギ」


俺は中のタロスを消滅させると、風魔法と火炎魔法を混ぜた爆発呪文で古城を破壊する。


「フェブラ・ボンバルディー!」


轟音と共に古城は崩れ落ち、ゴブリンたちの壮大な墓場となった。

その後、俺たちは村へ攫われた娘たちを連れて帰った。

村長に依頼書の解決済みの署名をしてもらって、ミッション完了だ。

村娘やその親たちに礼の言葉を言われてから、ロナバールの組合へと帰って報告をする。

この間、3時間はかかっていなかった。

俺たちの報告を受けたアレクシアさんが驚く。


「え?もう、さっきのミッションを完了してきたのですか?」

「はい、メイジゴブリンたちは全て殲滅して、攫われた村人たちも救出してきました」


そう言いながら俺はブルックス村村長の解決済みの署名が入った依頼書を見せる。

その書類を見てアレクシアさんがうなずきながらも驚く。


「信じられないほどの早さです」


確かに俺たちの仕事は速かった。

もちろん、ミッション自体の時間もあるだろうが、正直移動時間も馬鹿にならない。

ミッションによっては、むしろ移動時間の方が時間を要する物もあるだろうが、その点俺たちは航空魔法があるので、徒歩や馬車で行く100分の1の時間も掛からない。

しかもその航空魔法も通常はせいぜい時速100から200カルメル程度なのに、俺たちは時速500カルメル以上で往復したのだ。

今回の件も、馬車か徒歩で村に向かっていたら、まだ現地に到着すらしていないだろう。

ロナバールからかなり遠い場所だったのも、引き受け手がなかった理由の一つだ。

アレクシアさんが驚くのも無理はない。


「はい、時間もまだ十分にある事ですし、次は何がありますか?」

「では、また窓口の方へいらしてください」


アレクシアさんは俺たちと一緒に依頼相談窓口へ行くと、ヘイゼルさんに嬉しそうに話しかける。


「ヘイゼル、この方たちは、さっきのミッションを終えたそうよ」

「え?もうですか?

だってあの村はここから150カルメルはあったはずですが?」


ヘイゼルさんも信じられないと言った表情で驚く。


「ええ、それですぐに次のミッションをしたいのですって、何があるかしら?」

「そうですね、では次はこれはいかがでしょう?」

「ああ、それね」


そう言ってアレクシアさんがうなずくと、ヘイゼルさんが書類を見せながら俺たちに説明をする。


「ロナバールからの街道沿いに殺人蜂が大きな巣を作って旅人を襲っているのです。

 最初は被害が少なかった事と、街道から少々離れていた事もあって、処理が遅れてしまっていたのですが、その間に巣が巨大になり、今や数百匹の魔物蜂を抱える、巨大な魔物の巣窟となってしまったのです。

これほど大きくなると少人数の組合員では手が出せないので、近いうちに二級か三級を指揮官として、七級前後の手勢を30名以上集めて、義務ミッションとして、一日がかりの大規模な掃討作戦をしなくてはと相談されている案件なのです。

なんと言っても街道近くで、公共性が高い場所なので、住民からの要望も多いのです。

報酬は金貨2枚なのですが、三人でも大丈夫でしょうか?」


魔物蜂の退治と巣の撤去か?

こりゃまた地味な上に、面倒そうな仕事だ。

それが数百匹もいるとは、確かに苦労の割に報酬も少ない。

先ほどのゴブリンもそうだが、レベルの低い魔物でも集団になると別物だ。

ましてや数百匹を超えるとなると、大集団だ。

しかし、恐る恐る質問するヘイゼルさんにエレノアが即答する。


「あら、私、昔ほとんど同じような案件を一人で処理した事がございます。

それも引受けましょう。

御安心ください、すぐに終わりますよ。

よろしいですね?御主人様」

「うん、もちろん構わないよ」

「本当ですか?ありがとうございます!

では終わりましたら確認物として、中の女王蜂を持ってきてください。

こちらは先ほどのゴブリン退治の報酬の大銀貨15枚です」


俺がうなずくと、ヘイゼルさんは嬉しそうに話しながら俺たちに報酬を渡す。

次の俺たちの仕事は殺人蜂の殲滅と巣の撤去となった。

俺たちはただちに航空魔法で魔物蜂の巣へと向かった。

でも正直に言うと、俺は蜂って、ちょっと苦手なんだよね。


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