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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0012 旅立ち

 俺が異世界に転生してから7日目の朝が来た。

朝食を取った後、昨夜寝ながら考えていた通りに、今日も迷宮に行って、レベル上げにいそしもうかと俺が考えていると、誰かが訪ねてきた。

見た目は40代半ばの屈強そうなおっさんだ。

この家の者と知り合いらしく、親しげに話し始める。


「やあ、メリンダ、クラウス、元気にしているかい?」

「あっ、おじいちゃん!」

「あら、お義父様、こんにちは、何か御用ですか?」


どうやらこのおっさんはクラウスのおじいさんらしい。

祖父にしては若いが、メリンダさんも若いし、早婚な世界なのかな?・・・

いや、違う!

確かここは平人、つまり普通の人間の寿命が200歳まである世界だった。

するとこのおっさんは、実際には還暦過ぎか?

そう考えて俺は鑑定をしてみた。


平人 男性 48歳 レベル21


なんだ、やはり見た目相応の年だったか。

そんな俺を無視して、このおっさんはとりあえず話しを進めていた。


「いや、急にロナバールの町に行くことになったんだが、生憎コラージも、マンリオもいなくてね。

流石に俺一人じゃ町まで行くのは無理なんで、どうしようかと考えていたんだ。

ところが、さっきドロテア婆さんの店に行ったら、ここに結構なレベルの旅の人がいると聞いてね、それでやってきたと言う訳だ」

「まあ、そうだったんですか?」

「それで、その御仁はここにいるのかな?」

「ええ、いますわ」

「そうか、では呼んできてくれないか?」

「いえ、今お義父様の目の前にいます」

「え?」


驚いたおっさんが、始めて目の前にいる俺を見て、さらに驚く。


「ひょっとして、このお嬢さんが?」


おっさんのその言葉を聞いて俺がこけそうになる。

まあ、もっともそう設定したのは俺なのだから仕方がないか。


「お義父様、その方は男性ですよ」

「え?いや、こりゃ失礼、あまりに華奢に見えましたもので、それであなたがその旅のお方で?」

「ええ、シノブと申します」

「私はサーマルと言います。

それでいきなりで失礼ですが、レベルの方は?」

「41です」


俺が淡々と答えると相手が驚く。


「41?そりゃ凄い!

俺やコラージの奴より、全然上じゃないか!」

「ええ、そうなんですよ」


メリンダさんが俺の代わりに答える。


「どうしてこの村に?」

「ええ、ちょっとレベル上げの修行にと思いまして」

「では、森の迷宮に?」

「ええ、今日もこれから行こうかと考えていた所です」

「どれくらいまで潜っているんですか?」

「昨日は地下5階まで、ほぼ1日中一人で潜っていました」

「一人で地下5階をですって?」

「ほらね、この人は凄い人でしょ?

昨日なんて迷宮の主を、何回も倒したそうですよ」


メリンダさんの説明におっさんも驚く。


「主を一人で?ううむ、全くだ、そりゃ凄い!

あなたに少々仕事をお願いしたいのですが、よろしいですかな?」

「どういった事ですか?」


もちろん仕事の内容もわからずに引受ける訳にもいかない。


「まあ、平たく言えば、護衛というか、用心棒ですな。

実はこれからロナバールに行きたいのですが、途中に魔物が出ますのでね。

さすがに私一人では心もとないんですよ。

いつもは息子や腕っ節の強い奴がいて、そいつらに頼んでいるんですがね、

折悪しく、ちょうどいない者ですから。

何、片道で結構です。

町に行けば、あいつらがいる筈なんで、帰りは息子たちと一緒に帰ってきますから」


なるほど、そういう事か?

ロナバールと言うのは、確かメリンダさんの言っていた、凄く大きな町だよな?

考えてみたら行き方も知らないし、連れて行ってもらえるなら、この機会に行った方が良さそうだ。

レベル上げはそこだってできるだろうし、さほど問題はないだろう。


「そうですか?ちょうど私も町に行ってみたかったので構わないですよ」

「そりゃ助かる!それじゃ報酬は大銀貨1枚でどうです?」

「はい、構いません」


こちらとしては、むしろ町まで連れて行ってもらえるので、ただで引き受けても良い位だが、報酬をくれるなら、断る理由もない。

そもそもこの人だってレベルは21だ。

それで大丈夫なら、俺だってその町に行っても、馬鹿な事さえしなければ大丈夫だろう。


「いや、助かります。

今日は朝早くから息子たちはドロテア婆さんに頼まれて、町に品物を売りに行くと言って、出かけちまったもんで・・・

その後で急にこっちも町に行く事になりましてね。

困っていたんですよ」


え?ドロテアさんに頼まれて?

じゃあ、それって俺の品物を売りに町に行ったんじゃ?

それじゃ、ますます俺が行かないと、この人に悪い気がするなあ。

まあ、それにここの迷宮は攻略し終わった事だし、もう少ししたら一回大きな町に行こうかと考えていた所だったから、ちょっと早いけどちょうどいいか・・・

俺がそんな事を考えていると、サーマルさんは、すでに行く気満々だ。


「よし、それじゃ早速出発だ。ついてきてくだせぇ」

「はい、それじゃメリンダさん、クラウス、御世話になりました」

「いっちゃうの?」


クラウスが悲しそうに話す。

もう少し遊んであげれば良かったかな。


「ああ、また来る事もあると思うよ」

「そうだね、また来てね」

「ああ、そうだ、ちょっと待って」


俺はそう言うと、マギアサッコから銅の2倍剣を出した。


「これをクラウスにあげよう」


こういう場合を想定して、実は銅の2倍剣は9本持っていた。

これなら良い記念になるし、高価すぎるほどの物ではないと思ったからだ。


「わあ、銅の剣だ!いいの?」

「ああ、君にあった記念にあげるよ。世話にもなったしね」

「ありがとう!僕、昨日もらったミスリルナイフ以外には、銅の短剣しか持ってなかったから嬉しいな!」

「ただ、実はその銅の剣は、特別な銅の剣なんだ」

「特別?」

「ああ、これは滅多にない、特別な銅の剣で、下手な鉄の剣より強いんだ。

だから村の外に出る時には、お守り代わりに持っていて、いざという時に使うといい」

「そうなの?」

「クラウスは今どれ位の強さなんだい?」

「え~と、角ウサギなら結構簡単に倒せるよ。

大芋虫だとちょっと危ないかな」


大芋虫というのは、たしかレベル5のはずだ。

なるほどレベル7のクラウスならそんな物だろう。


「おそらく、その銅の剣を使えば、大芋虫くらいは一撃で倒せるだろう。

だけどそれで自分が強くなったと思っちゃいけないよ。

それはクラウスが強くなったんじゃなくて、この銅の剣が特別だからなんだ。

だから自分が強くなったと勘違いして、間違っても森になんかいっちゃいけない。

それはとても危険な事なんだ。

わかったかい?」

「うん、わかった!」


実際にはこの銅の2倍剣を使えば、クラウスでもギリギリでアプロを倒せる位にはなっているだろう。

しかしそれを言ったら、この子は実際にアプロに挑戦しかねない。

それは言わないで戒めておいてちょうど良い位だろう。

これで少なくとも、この村の周辺をうろついている分にはクラウスは安全なはずだ。

メリンダさんも安心するだろう。


「それじゃ、御母さんの言う事を聞いて、無茶な事をしないようにね」

「うん、シノブ兄ちゃんも元気でね」

「ああ」

「ありがとうございました。

どうかお気をつけて行ってください」

「はい」

「ははっ、クラウス、良い物をもらったな?

でもこの人の言う通り、無茶するんじゃないぞ?」

「うん、わかってるよ、おじいちゃん!」

「では、行きましょうか?」

「はい」


こうして俺は世話になったメリンダさんの家を離れてロナバールの町に行く事になった。


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