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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0011 レベル上げ

 しかしベッドに入って、俺はある事を考えていた。

そう、今日俺は気づいてしまった。

あまりにも根本的な事に・・・なぜ、俺は魔物と戦わねばならないのか?

確かにこの世界に転生した時は、ゲームのノリで魔物は倒す物だと考えて、何の疑問も持たずに戦っていた。

しかしこれはゲームではない。

現実の世界なのだ。

戦って負ければ死ぬのだ。

それを俺は今日思い知ってしまった。

もちろん最初のレベルではこの世界では生きていけなかっただろう。

だから戦ってレベルを上げたのは正しい。

しかし今や俺のレベルは35だ。

メリンダさんの話によれば、町でもそこそこのレベルだと言うし、神様も通常の人間はせいぜいレベル50程度だと言っていた。

ならば今のレベルでもそれほど困る事はないだろうし、ミノタウロスの迷宮で、毎日戦えば、1週間もしないうちに、おそらくレベル50程度にはなるだろう。

果たしてそれ以上レベルをあげる必要があるのだろうか?

そもそもメリンダさんを始め、この村の人たちだって、レベルはせいぜい10から17程度なのだ。

まだ俺はこの村でレベルが20を超えた人を見たことがない。

それでもこの村の人たちは普通に暮らしているのだ。

つまり無理をしてまで、魔物と戦う必要などないのだ。


正直俺は今日怖かった。

生まれて・・・と言っても2回目だが、どちらにしても前世を含めて、これほど死の恐怖という物を味わったのは初めてだった。

そう、昨日までの俺は、どこかゲームの延長線上という感覚だったのだ。

しかし、今日これはゲームではない。

現実なのだという事を改めて思い知った。

幸いにして今回は運の良いことに相手を倒す事ができたが、いつか失敗する時が来るかも知れない・・・

そしてその時は自分が死ぬ時なのだ。

果たしてそうまでして迷宮を彷徨い、戦う必要があるのだろうか?

確かにレベルは高い方が良いだろう。

しかしその成長が死と隣り合わせの物だとすれば?

もちろん、もう少しレベルは上げた方が良いだろう。

しかしそれならばミノタウロスの迷宮で十分だし、あそこなら最強の敵でミノタウロスだ。

俺にはゴーレムもいるし、あそこでやられるという事はまずありえない。


そして幸いにして俺には神様からもらった金がある。

この世界の価値は、まだ今一つわからないが、単純に令和の世の日本の金に換算してみれば、よほど無駄遣いしない限り、優に人生を余裕で暮らせる額だと思う。

それならば、無理に戦う事などせず、その金で一生を楽に過ごす事もできるだろうし、地球での知識を生かした商売なども始めれば、うまく儲けられるかも知れない。

何も危険を冒さなくとも、そうした人生でも別に構わないだろうと思った。

しかし、どちらにしても、判断するにはまだこの世界の知識量が少なすぎる。

何と言ってもこの世界に転生してからまだたったの5日しか経っていないし、この村以外のどこも知らないのだ。

これでは判断のしようがない。

メリンダさんがこの村から馬車で1日ほどの場所に、かなり大きな町があると言っていた。

もう少しレベルをあげたらその町に行ってみよう。

そこで色々と見聞すれば、俺の今後も見えてくるだろう。

それまでは取り合えずこの村の迷宮でレベル上げにいそしもう。

そう結論すると、俺はようやく眠った。


 この世界に来て6日目、今日もレベル上げにいそしむために迷宮へと赴く。

どちらにしてもレベルを上げておくに越したことは無いからだ。

今日はレベル上げもさることながら、色々と実験をしてみる事にした。


ミノタウロスの間に着くと、まずはゴーレムを10体ほど出しておいて、もう一体を扉の場所に出して、固定して置いておく。

そうしておいて、俺も中に入り、祭壇の近くまで行ってみる。

しかし、扉は閉じず、ミノタウロスは出なかった。

そこで俺はもう一体、ゴーレムを出すと、扉に固定しておいたゴーレムを扉が閉まる位置まで持ち上げて移動してみた。

すると途端に扉は閉まり、ミノタウロスが発生した。

なるほど、やはり俺が予想したとおり、ボスの発生条件はパーティが完全に全員、部屋の中へ入り、扉が閉まる状態にならなければ出ないようだ。

とりあえず俺は突進すると、発生したミノタウロスに切りかかる。

昨日の最後で一撃ギリギリだったので、レベルが上がった今日は案の定、鋼の3倍剣の一撃でミノタウロスは四散する。

ミスリルナイフと回復剤が一つ手に入り、俺のレベルは37となった。


 一旦地上に出て、次にミノタウロスの間に着くと、例によってゴーレムを20体ほど出すと、今度は魔法のみでミノタウロスを倒してみた。

だが3発も火炎魔法を浴びると、ミノタウロスは光となって四散した。

ええ~~?これで終わり?

なんだ!こいつ、この程度の魔法で倒す事が出来たのか?

それなら慌てずにゴーレムで囲んで魔法を当てれば楽勝だったんだな?

まあ、しかしそれも結果論だ。

あの時はそこまで頭が回らなかったので仕方がない。

試験が終わってさんざん考えた問題の回答を見たら、あれ?こんな回答で良かったの?という奴だ!

ゴーレム軍団もレベルが上がっておかげですっかり強くなり、一度も補充しなくとも、俺が魔法でやっつけるまで、戦い続けていた。

これでレベルは39だ。


 そして本日3回目はついにゴーレムを出さずにミノタウロスと一対一の勝負だ。

今まででミノタウロスの動きは見切っていたので、俺は攻撃を十分に避ける事ができた。

そして今やミノタウロスに対して、圧倒的レベルとなった俺の一撃で、ミノタウロスは四散した。

レベルは40になった。

 

最後の4回目は余興と実験を兼ねた対戦だ。

ミノタウロスの間に入った俺はゴーレムを量産した。

その数は30体だ。

その状態でミノタウロスを発生させて、俺は高みの見物だ。

ゴーレムたちは今や20代後半のレベルなので、簡単にミノタウロスにやられる事はない。

途中で何体か追加をする事になるかと思ったが、ゴーレムを半分以上残した時点で、ミノタウロスは四散した。

俺のレベルは41となった。


たったの1日で、これほどレベルが上がるとは自分でも驚きだが、これも神様のくれた経験値30倍増のおかげだ。

確かに普通の状態ならば、一人で30倍、5人で戦うとして、この150倍の時間がかかるのだから、単純計算で5ヶ月前後かかる所を、一日で達成してしまったのだから驚きだ。

実際には食事や回復の時間、毎日迷宮にも行ってられないだろうから、そういった戦闘に関わらない時間までを計算すれば、おそらく通常の数年分を1日で達成してしまった事になるだろう。

 俺は4本のミスリルナイフと、多少のアイテムを持って、道具屋へと行った。

ミスリルナイフは1本を自分の記念として、1本をクラウスに上げる分として取っておいて、残りの2本を売った。

ドロテア婆さんは喜んで買い取ってくれたが、ため息をつきながら言った。


「それにしても、ここ数日は、あんたのおかげでずいぶん稼げたけど、今度はこっちが町にこれを売りに行かないと、明日はあんたに支払う金がなくなっちまったよ」

「ああ、それはすみません」

「なに、謝る必要なんてないさ。

こっちも儲けさせてもらったんだからね」

「そうですか」


宿屋へ帰ると、クラウスにミスリルナイフをあげた。


「わあ~ミスリルのナイフだ!はじめて見るよ!

いいの?ありがとう!シノブ兄ちゃん!」

「ああ、構わないさ、今日は迷宮の主を何回か倒したからね。

だから記念に君にあげるよ」

 

夕飯を食べて、その夜、レベル40を超えた俺は、そろそろもっと大きな町に行くか、それとも、もう少しここでレベルを上げて、50まで上がったらよその町へ行くかを考えているうちに寝入っていた。


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