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おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!  作者: 井伊 澄洲
おねショタ好きな俺が転生したらエロフに騙された!
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0991 火炎激愛団の危機 

 大アンジュで忙しく働いている俺に、ロナバールにいるミヒャエルから緊急の相談が入った。

何でもあの「火炎激愛団」が存続の危機だそうだ。

その話を聞いて、俺よりもアンジュが気にした。


「火炎激愛団の危機とあらば助けたいです!

何と言っても「心の団員」ですからね!」

「ああ、そうだな」


元より俺もその気だったので、俺はエレノアとシルビア、ミルキィに留守を任せて、数人を連れてロナバールへと向かった。


 詳しい話はわからないが、例によって間引きをする仕事を受けたらしいのだが、何でも今度魔物を間引きする場所がかなり広い上に、強力な魔物が出て来る場所らしいのだ。

しかも今回の仕事に失敗すると、火炎激愛団が解散のうきめに会うと聞いた。

俺はミヒャエルに要点を聞いた。


「そもそも何だってそんな事になったのさ?」

「うむ、余も詳しくは聞いておらんのだが、何でも火炎激愛団がある貴族の仕事で少々失敗してのう、それでその貴族が激怒して、無茶な仕事を要請したらしいのだ。

例え火炎激愛団が全滅しようとも、その仕事を遂行しろと言ってな?

しかしいくら全員が火炎魔法を使える戦団ブリガードと言っても、今回の場所はちと無茶な場所でのう・・・

範囲も広い上に、恐ろしく強力な魔物も出る場所だと聞いた。

下手をすれば、解散どころか、全滅の可能性もあるような事態になってしまったのじゃ」

「ふむ、では要はその今回の仕事を成功させればよいのだね?」

「そうじゃ、しかし余は今回事情があって動けないのでな?

それでお主に頼んだ訳じゃ。

何しろ余もあの戦団ブリガードが無くなると困るのでな?

お主も知っての通り、火炎激愛団関係でシルバーマスクの正体を知っているのは団長のグスタフとお主だけなのじゃ。

何とか助けてやってはくれぬか?」

「わかったよ、火炎激愛団ならうちも知らない訳じゃなし、特に「心の団員」までいるんでね?

是非助けようと思う」

「おう、頼むぞ」


俺は一緒にロナバールに行った者たちに事情を話し、さらに人数が多い方がより良いと言う事なので、ロナバール部隊レギオの連中にも声をかけた。

そして当日になって、その全員でゾロゾロと集合場所へと向かった。


「やあ、グスタフ団長!

お久しぶりです!」


俺を見たグスタフ団長は嬉しそうに叫ぶ!


「おお!お前は・・・!え~と誰だっけ!

すまん!格好は覚えているんだが、名前はアカカカ・・・」


俺はずっこけながらもこの人らしいと思って改めて自己紹介をした。

それに考えてみれば、最後に火炎激愛団の仕事に参加したのは、高等魔法学校入学前だから、もう10年ぶりくらいだ!

覚えてないのも無理はない。


「はい、本当に久しぶりです!

今日はまた飛び入り参加に来ました!

仮面の魔法使い赤影です!」

「あ~そうだった!そうだった!

今回はとにかく数が必要なんで助かるぜ!」

「ええ、そう思って、今回は私の仲間もたくさん連れてきました!」

「そうなのか?」

「ええ、ホラ!みんな!」


俺が促すと、まずはガルドとラピーダが挨拶をする!


「同じく2号!」

「同じく3号!」


うん、この二人はぶれないな!

もちろんガルド以下、全員が怪しい黒装束に赤い仮面をつけている。

そしてエレノアとシルビアとミルキィは留守番なので、いきなりアンジュが自己紹介だ!


「同じく7号ですっ!」

「同じく7号Bです!」


ここで火炎激愛団の連中がざわつく。


「おい、ナナちゃんはわかるが、7号Bって誰だ?」

「さあ?でも背格好は似ているわね?」

「ちょっとまって!ナナちゃんって、確か天賢者のアンジュ様でしょ?

それと一緒にいるって事は・・・」

「まさか!あの殲滅のキャロル?」

「えっ?あの高等魔法学校のアムダルン校の生徒を一人で殲滅したっていう?」

「ああ、天賢者のアンジュ様の副官で、いつも一緒にいると聞いている」

「そういや、魔道士年鑑にもアンジュ様と一緒に載っていたわ」

「まちがい無さそうだな・・・」


そして俺たちは次々に名乗りを上げて行く。


「同じく8号!」

「同じく9号!」

「そして10号だっ!」

「10号Bでございます」

「10号ブイスリャーッ!」


おいおい、V3よ、そこは10号Cだろうに?

そしてまたもや相手が驚く。


「あれ?あのちっこい連中は?」

「ああ、以前参加していた、あのひょろ長い連中じゃないのか?」

「今度は二人に分かれて来た訳か?」

「でも3人いるぜ?」

「あいつら3人もいたっけ?」

「いや?下に何かいたのは覚えているが、二匹だと思ったんだが?」

「じゃあ、また一人増えたのか?」

「まあ、増える分にはいいんじゃないのか?」


さらに俺の副官であるラウールとレティシア、それに護衛のヒカリとハゼルも参加だ。


「同じく11号です」

「同じく12号です」

「13号っす!」

「14号・・・」


さらにケント副団長以下、ロナバール部隊レギオも参加する。


「え~と、じゃあ俺は15号で良いのかな?」

「では私は16号で」

「17号です」

「18号だぜ!」


さらにマーヴィ、レウコン、ロッソが名乗る。


「同じく19号です」

「同じく20号」

「21号です」


俺はふと心配になって近くにいたケントに話しかける。


「そう言えば、20号レウコンって白竜だけど、火炎魔法って使えるのかい?」


白竜は治療系や凍結系は得意だが、個体差があって、火炎系は全く出来ない連中もいる。


「ああ、低位火炎フラーモでしたら問題なく使えますよ」

「そうか」


そして全員が名乗りをあげると、グスタフ団長も驚きながらも喜ぶ!


「おっほ!こりゃ今回はずいぶんと仲間を連れて来てくれたもんだな!

助かるぜ!

何しろ今回は場所は広いし、相手も強いって話を聞いているんでな!

特にナナちゃんが来てくれたのは嬉しいぜ!」

「ええ、是非お力になりたいです」

「ええ、何しろ私は「心の団員」ですからね」


そして例によって団員たちはこそこそと話している。


「なあ、赤影1号って、確かホウジョウ伯爵様だよな?」

「そうだけど、あんな忙しい人が何でこんな所に来ているんだ?

まあ、今回は助かるけど・・・」

「じゃあ、あの2号から21号までって全員?」

「ああ、当然伯爵様の部下だろうな?」

「凄いな?」

「ああ、特にナナちゃんなんて天賢者だぞ?」

「頼りになるな?」

「それにしてもちゃんとナナちゃんも覚えてくれていたんだな?」

「ああ、さすがは心の団員だ!」

「ちゃんと私たちの危機に駆けつけてくれるとは頼りになるわね?」


そうして全員で馬車で現地へ行き、魔物退治が始まった。


「さあ、いつものように行くぜ!

何しろ今回はうちの存続もかかっているんだ!

好きなだけ火炎魔法を撃て!」

「「「「「 おお~ッ! 」」」」」


グスタフ団長の掛け声に、いつも以上に気合が入り、全員で火炎魔法を撃っていると、右前方からドラゴンの一種、暴君竜が現れる!


「おいおい!暴君竜だぜ!」

「ここにはあんな魔物までいるの?」

「あんな奴、低位火炎フラーモじゃ倒せないぜ!」


ここで7号アンジュが名乗りを上げる!


「ここはこの7号にお任せください!」

「おおっ!さすがナナちゃんだ!」

「頼りになるぅ!」


しかしこの時、左前方からも似たような魔物が突進してくる!

暴君竜の近隣種、破滅竜だ!

それを見た火炎激愛団の連中が驚く!


「おいおい!こっちは破滅竜だぞ!」

「ちょっと!いくら何でもそれは無いでしょ!」


しかしここで慌てず、もう一人が名乗りでる!


「大丈夫です!

ここはこの7号Bにお任せください!」

「おお!さすがせんめつ・・・いや、何でもないです」


7号と7号Bがそれぞれ暴君竜と破滅竜に対して火炎魔法を放つ!


「「 大火炎呪文グランダ・フラーモ! 」」


巨大な炎が巻き起こり、二匹の竜の魔物は消滅する!

しかし間を開けず、今度は正面から突進してくる魔物がいる!

巨大なサイ型の魔物、ビッグライノだ!


「うお!今度は正面からだ!」

火炎呪文フラーモ!」

「だめだ!ビクともしねえ!」


ここで赤竜のロッソが俺に問いかける。


「ホウジョウ様?確か今回の仕事は魔法ではなくとも、火炎で処理するならばよいのでしたな?」

「ああ、そうだよ」


俺がそう答えると、ロッソが周囲に呼びかける。


「失礼、皆さん!

危険なので少々私の周囲の場所を開けてください」

「おっ?何だ何だ?」

「どうしようっての?」


そう言いながらもみんなが場所を開けると、ロッソは一言吠えて赤竜となる。

突然の赤竜の出現に周囲が驚く!


「なっ!ドラゴン!」

「この人、竜人だったの?」


そして赤竜となったロッソは、ビッグライノへ向かって激しい紅蓮の炎を吐く!


バヴォオウッ!


その激しい火炎によって突進して来た魔物は黒焦げになってそこで消滅する!

無事に魔物を倒したロッソは再び元の姿に戻る。

それを見た団員たちが大喜びで21号ロッソに声をかける。


「おおっ!あんたすげえな!」

「私も竜が火を噴く所なんて初めて見たわ!」

「大したもんだ!」

「え~と、名前は何だっけ?」

「21号です」


全員が湧いている所に、いきなり精神攻撃が来る!

グワーン!と威圧が来て、ほとんどの者が動けなくなる!


「これは・・・」

「動けない!」

「まさか・・・!」

「悪魔の威圧か?」


まさにそれは悪魔の威圧だった!

ビッグライノの焦げた塊の後ろから、いつの間にか人型の悪魔がこちらへゆっくりと歩み寄って来る。


「ふっ!まさかこんな所で邪魔が入るとはな?

まあ、しかし余が全て片付ければ済む事よ」


それは上位悪魔のサルガタナスだった!

貴族の将軍然とした格好で、大きな3本角を持った悪魔だ。

上位悪魔の威圧はすさまじく、ほとんどの者が動けなくなる。

しかしアイアさんの「霊」の修行を受けた俺は、もちろん別だ。


「こりゃ驚いたな!

まさか、お前さんみたいな悪魔まで出て来るとは思わなかったよ!」


俺が普通に話しかけると、相手はかなり驚いたようだ。


「ぬっ!貴様何者?

人間の分際で、何故余の威圧下で動ける?」

「まあ、それは気にすんな!

そしてこれで終わりだ!

青薔薇火球ブルアローゾ・バルメード!」


バボウッ!


「なんだ?!この火球は・・・ッ!」


俺の青い火球によって、一瞬で悪魔が消え去る!

それを見た火炎激愛団の団員たちが唖然として驚く!


「何だ?今の青い火は?」

「火炎魔法みたいだったが?」

「でも青かったわよ?」

「普通、炎の色は赤か橙だよな?」

「でも火球にしか見えなかったぜ?」

「そういえば、遥かに温度の高い火球は青いと聞いた事がある」

「ああ、それは俺もだ!」

「じゃあ、今のって?」

「ああ、何しろサルガタナスを一瞬で燃やした位だからな・・・」

「すげ~な!」


その後もいくつか強力な魔物も出て来たが、さすがにサルガタナス以上の魔物は出てこなかった。

こうして俺たちの協力もあって、火炎激愛団はミッションをこなし、無事に危機を乗り越えたのだった!

グスタフ団長が俺に話しかけて来た。


「いや~今回は本当に助かったぜ!

もちろんこの恩は忘れねぇ!

もしあんたたちに何か困った事があったら、俺たちも助けさせてもらうぜ」

「気にしないでください。

私もこの火炎激愛団は好きですし、それに今回の事は友人のミ、シルバーマスクからも頼まれた事ですので」

「え?シルバーマスクの爺さんから?」

「ええ、自分は現状で動けないが、よろしくと言ってましたよ」

「そうか・・・」


ミヒャエルから、グスタフ団長は唯一シルバーマスクの正体を知っていると聞いている。

今の会話で、俺たちの事を多少は気づいたのかも知れない。

もっとも団員のほとんどは、すでに俺たちの事はわかっているみたいだが・・・


ここの所、本業が忙しくなり、原稿が追い付いてしまいました。

申しわけありませんが、しばらく更新停止させていただきます。

次回更新予定は12月2日(火曜日)です。


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