ムラサキ
一面の紫の中を僕は歩いている。気づけば僕は歩いている。
ふわふわとした感覚、気持ちがいい。
ついさっきまでは、何か嫌な気持ちになっていたはずだ。
でも今はそんなことはどうでもいい。ただ素直に感じればいい。
紫の中では僕は気持ちよくなれる。
此処に来れたのはこれで何度目だっただろうか。確かに此処には何度か来たことがある。しかし、以前に来たときの記憶は朧気だ。
何故僕はこんなところにいるのか、そんな疑問も湧いてくる。
気持ち良くて、気持ちよくて、そんなことはどうでもよくなる。
ここでは、僕はただ気持ちよくなればいい。
どれくらい歩いただろうか、もうすぐこの時間はおしまいだ。
紫の終わりが見えてくる。
また此処には来れるのだろうか。
僕は紫の中を歩いて行く。