生活の中の忠誠
岸田秀
いまなぜ暴力なのか(2001○1.大航海)
ここで語られるのは、進歩史観による
歴史の振り返りが、70年代より
90年代の方が希薄であり、
進歩史観から鑑みると、
歴史性への振り返りと現状の歴史性の
分析は、未来を想起させるものであり
それは、自ずと社会に規範を
作っていたが
90年代から、その未来に対する、これ以上
発展する未来があるのか?
という、進歩史観の薄れが
社会の規範を無くしていった
というものである
忠誠原理というのは、社会における
規範とどう関係があるのか?
ここで、いわれる規範は法律よりも
世間に近い階層であるとすると
忠誠というのは、どのラインで
その人の人格や人生を縛るのか?
また、それは、対価があるものか
思想に対する啓蒙なのか?
岸田秀は、この文章内で
宗教が規範となっていた時代がある
と、解く
それは、思想に対する啓蒙という
忠誠がある事実でもあるが
宗教が語られる場合、死生観中心
というのが、一種のイメージの妨げになる
宗教は、生活様式を変える
それは、真言宗と浄土真宗の
家庭における人生設計の価値観にも
付随する
それは、人生における成功と関係している
最終的に、社会における忠誠
の規範を作るものは、人生における
成功と呼ばれる型と本人の満足度に
あるのかもしれない