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悪役令嬢について

 5/29の活動報告で、シンデレラの姉で悪役令嬢っぽいものを書くというお題で遊びました。


 今回は、私的に、悪役令嬢ものとは何かを、書いてみたいと思います。


 そもそも、悪役令嬢とは何か。


 1)シンデレラストーリーの悪役。

 2)アンチシンデレラストーリーに見えて、シンデレラストーリーのヒロイン(ヒロインが変わっている)

 3)転生転移はストーリーが二重構造


 となります。

 そもそも、シンデレラストーリーの骨格は「不遇な立場の真面目な女性が、手を差し伸べられて、恋と成功と富を得、非道な仕打ちをしていた人間に仕返しをする(少なくとも、見返す)」という感じです。

 

 悪役令嬢ものの場合は、さらにややこしくて。


 何一つ不自由なく育った女性が、不遇な立場で真面目なフリをしている男ウケの良い女性の登場で、自身の努力等を否定され、不遇な立場に追い込まれる。そこから逆転し、非道な仕打ちをした人間に仕返しをし新たな恋と成功等を手に入れる。


 こんな感じでしょうか。もちろん、多少の話の違いはあります。シンデレラの立場の人間を応援する話も当然ありますし、ざまあ系と言われる仕返し皆無な話も人気です。

 婚約破棄、ループもよく使われますが、無くても成立します。

 要は、逆転劇であり、「あるべき形からの変革」物語なのです。

 

 シンデレラが、「持たないモノ」が手に入れる物語なら、悪役令嬢は、「持っていたモノ」をいったん奪われて、「とりかえす」物語、なのかもしれません。


 「異世界」ものに多い要因ははっきりしていて、現代もので、「身分があって、将来を約束された女性」という悪役令嬢の立場の女性がヒロインの話は、読者から遠いのです。


 社長令嬢で、グループの御曹司と婚約がきまっていて、その辺の庶民の女が御曹司をだまくらかして、婚約破棄。そこからの大逆転。まあ、あってもいいんですけどね。

 それこそ庶民の女が産業スパイとかなら面白いかも。

 

『私は大学を出て、お料理、お花、お茶全般をおさめ、言語にも堪能で、家柄もルックスもいいんです』って、パーフェクトすぎる女性がいて。

 六畳一間の一人暮らしの孤児で、その日暮らしのフリーターの女が、フツーに考えて、勝てるわけがない! 現実社会そのもので、世知辛すぎる!

 どう考えても、パーフェクト女性が勝って当たり前で、そこにキラキラする庶民女子の夢はあまりないわけですよ。

 したがって、多少の変化はあっても現代ものは、王道シンデレラストーリーの方が支持されます。


 異世界ものの場合、たいていは身分制度肯定の世界。

 当然、教育程度に差があったりするわけで、「私はこんなに勉強したのに」というのが出てくるわけです。

 娯楽小説というのは、『頑張っている人』が酷い目にあわされていても、いつか報われるという形式が鉄板様式でして、何も恋愛ものに限るわけではないんですね。

 

 なろうでなぜ『悪役令嬢もの』が強いかというと、そのタグが、「娯楽小説」という様式保障になるからです。


 そして、WEBでは、シンデレラ物語より、悪役令嬢の方がいい! という傾向が高いのは、シンデレラって、それは、ものすごく「良い子ちゃん」なんですね。

 不遇な立場、まっすぐな性格、勤勉さ。

 これが鼻につく、もしくは眩しすぎるって人も多い。

 逆に、悪役令嬢の場合、その「良い子ちゃん」キラキラ要素が多少薄まるため、素直に感情移入しやすいのかな、なんて思います。

 いや、私的には、身分制度の肯定みたいな感じもあって、うーん、と唸りたくなる面もあるんですけど。


 ところで、ふと変なことを思ったのですが。


 浦島太郎の亀。

 亀が、実は乙姫だった。浦島のおかげで竜宮城に行けた! と改変すると、シンデレラストーリーっぽくなりますよね?

 浦島が実は、龍王の化身で、最後は亀あらため乙姫と結婚したら、完全にシンデレラだなあ、なんて、馬鹿なことを思いました。

 いや、全然違う話なんだけどね。

 少しでも共通項を見つけたり、分解したりするのは、話を作るうえでの訓練になりますので、これから小説を書きたい! というひとは、よろしかったら、試してみてくださいませ。



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