下足
今回のテーマは下足。
多くの場合、日本人は、下足って概念があって、お部屋の中では靴を脱ぎます。
この習慣、世界で日本だけ、というわけではありませんが、多数派でもない。
「澪つくし料理帖」髙田郁先生<ハルキ文庫>に、下足番というお仕事が出てきます。
料理屋で、お座敷に上がったお客の下駄や草履を下駄箱にいれたりして、管理するお仕事。
年端も行かない子供が奉公に行くのは当たり前でしたから、こういった小さな仕事も大事な仕事でした。
そうそう。かの豊臣秀吉は、信長の草履とり。
殿サマのお出かけにぴしりと草履をそろえて出す。
下足というのは、ないと、足の防御が極端に落ちます。下足を脱ぐというのは、かなり無防備な状態なので、草履を管理するというのは雑兵の仕事ではありますが、意外と大事だったのかもしれません。
ちなみに。日本の下足は奈良時代からあるようです(庶民は素足)
えっと。付け焼刃で、ググって抜粋してみました。
1)結界
靴を脱いで上がるということで、家の中の結界を守る。
2)高温多湿
靴を履いていると、足が蒸れる。
3)部屋の汚れを防ぐ
農家などの場合、特に泥汚れなどがあり、脱ぐことによって家の中を衛生的に保つ。
などなどの理由が出てまいりました。
そういえば、最近はあまり見ないですが、時代劇などでは、はたごに着くと、たらいで足を洗ってもらうというシーンがありました。
1は現代的には、ふーん、ですが、2と3については、納得ですね。
調べてみると、高温多湿の国とかだと、『靴を脱ぐ』という文化が見受けられるようです。
最近は西洋でも、下足と上履きをわける家庭もあるようです。
そうそう。災害の危険が迫っているときは、非常用持ち出し袋のそばに靴を用意しろ、なんていう話も聞きます。
外に出るときは、やはり素足は無防備なのです。
それでも、日本人は、靴を脱ぎます。
靴で家に上がると、まず、『畳』が傷みますし、お掃除が大変です。
ついでに、ずーっと靴はいていると、水虫とか、足の匂いとか心配になりますし。
日本人的には、屋内で靴を脱ぐデメリットより、メリットの方が大きいということなのでしょう。
下足って文化は、気候なんかもからんで、意外と奥が深いんだなーなんて思います。




