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子供には、悲劇か喜劇か

 子供向け作品の場合、日本では、悲劇的なお話で作られている物語でも、海外では、原作がどうであれ、悲劇に終わるより、ハッピーエンドにしたほうが、ウケるという説があります。

 私自身は、悲劇より圧倒的に喜劇のほうが好きですし、ハッピーエンドのほうが、美しい悲劇よりも嬉しかったりはするのですが、原作捻じ曲げると、既にべつもので、それである必要がないんじゃないかとは思う(笑)


 世の中には『安易にハッピーエンドにできない』世界というのも、存在します。

そして、それ故に心に残っている作品もある。

 

 今の若いひとには全く通じないであろうけれど、幼いころに見た『ザンボット3』というロボットアニメ。

 これはねえ。衝撃だったんですよ。いろんな意味で。

 わからないひとは、ググってね(笑)ガンダムの富野監督の作品です。

 主人公以外の人間、ほぼ、死にます。しかも途中、周囲からのヘイトもすごい。

 おそらく、なろうで連載してたら、途中で感想欄が大炎上すると思われます。

 ガールフレンドが人間爆弾にされて、死ぬとか! マジで、死ぬんだよ!

 トラウマになるくらい衝撃のシーンが数多くある。

 

 勧善懲悪のロボットアニメの枠で、これをつくった富野監督は、かなり尖ったひとだなあと思います。

 過激すぎて、今だとかえって放映できないかもしれませんね。


 ただね。これを子供に有害だと騒いでほしくない。

 これは、戦争を知る富野氏が、カッコイイ戦争なんて、絶対の正義なんてないんだよ、と言っている作品だから。

 正直、子供向けのエンタメとしては、やりすぎたんじゃないかな、とは思う。

 二年後放映のガンダムのほうが、エンタメに寄っているかな?


 富野監督は、別名『皆殺しの富野』と呼ばれていて、ラスト近くで大量にメインキャラクターが死ぬのは、どの作品でも言えるんですけれどね。

ザンボットは、見た年齢が年齢だっただけに衝撃でした。

 ただね。私の人生の糧にはなったと思う。

 世の中の複雑さ、民衆の暴力。正義とは何か。そんなものをナイフで突き立てるような作品だったから。


 同じ世代の宮崎監督は、対照的にハッピーエンドが多いですね。

 あまりハッピーエンドと言い難い、『もののけ姫』でさえ、なんとなくハッピーエンドの錯覚をしてしまう終わり方。

たぶん、後味がそれなりに良いからかな。

 とはいえ、宮崎監督作品の場合、人が死ぬ作品は、どことなく哀しさを残す作品が多いのは、ある意味、富野監督と同世代だからなのかな、と思ったりもします。


 とはいえ。やっぱりハッピーエンドの方が私は好きだし、泣ける話よりも、笑える方が好きだなあと思います。

 ただ、子供には『喜劇がいい』と断定して、何でもかんでもハッピーエンドにするのもな、と思うんです。

 後味の良さは欲しいし、必要以上に怖いのも親としてはどうかな、とは思いますが。

 

 でも、いくら『綺麗な世界』を見せていても、『現実社会』は、ある意味では、小学校で既に始まるわけです。

 悲劇も、喜劇も。大人だから、子供だから関係なく、自分で選ぶのがいいかな、と思います。




 



 

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