手作りのお菓子
最近は手軽なお値段で、購入可能になったケーキ。
私の小さいころ、昭和の時代は、ケーキなんて特別な日にしか食べられないモノでしたけど、いまや、スーパーやコンビニで、ちょっと高いお菓子感覚で購入可能になりました。
一般家庭でもオーブンが普及して、スイーツを手作りなさる方も多いかと思います。
今は昔。中学生のころ。
素敵な表紙にあこがれて、チーズケーキの料理本を買いました。
チーズケーキを食べたことはあった私ですが、料理本を開いてびっくり!
たいして知識もなかった私には、未知の食材がいっぱいでした。
そもそも、今でこそ、どこでも購入可能な『クリームチーズ』ですら、希少。
当時は、フルーツ味の最初からついているようなものを、大きなスーパーでやっと発見できたという感じでした。
今見ても、かなり本格派だと思われるその本は、当時の私には難解でした。
それでも、絶対に作ってみたいという欲望は抑えられず、レシピとにらめっこ。
オーブンなし、味付きのクリームチーズで作れるレシピをひとつだけ発見して、挑戦したのは、いわゆるパンケーキの間に、クリームチーズをはさむだけのもの。
ただし、クリームチーズに、お酒を混ぜ込み、大人な風味にします。
おそらく、キルシュワッサーかコアントロー辺りだったであろうと思います。今考えれば、無理してお酒を入れる必要などないレシピなのですが、当時の私は、必然だと思い込みました。
しかし。
我が家は下戸家庭だったこともあり、洋酒の種類など親に聞いてもまったくわからん家でございました。当時は、グーグル先生もおりませんでしたし(笑)
今なら、スーパーの製菓コーナーに小瓶で売っている洋酒でございますけれども。
で。もの知らずな私は、洋酒なら何でもいいに違いないと思い、贈答品か何かでいただいて、料理酒として使っていた『赤ワイン』を、桃味のクリームチーズに混ぜ込むという、チャレンジャーなことをしたのです。
しかも、味見はしてません(というか、お菓子の途中の味見って、意外と難しい)
ものの見事に、未だに忘れないほど、二度と食べたくないモノができあがりました。
黒い歴史です(笑)
私が社会人になったころには、急速におうちで手作りというのが一般的になり、道具や、材料が比較的簡単に手に入るようになりました。
それでも、今みたいに百均で、ケーキの型が買えたりはしなかったですけどね。
今の環境なら、当時の私の知識でも、それなりのものが作れたのかもしれません。
物語でも、女性向けの作品は特に、スイーツに力を入れてかかれていることが多いですね。
異世界に行って、未知の材料から、昔食べたあの料理を再現! とかいう転生モノを読むたび、私は中学時代に作った、失敗ケーキを思い出します。
料理って、絶対はないもので、「これとこれじゃなきゃダメ」ってものでもない。
でも、実はそこに働いているのは、食材の『化学反応』ですので、『成功』『失敗』の法則がきちんとあるものでもあるわけです。
特にスポンジケーキのようなものは、味見で予測、調節可能になるには、かなり熟練の技が必要です。
簡単に再現しているように見えても、きっとものすごく試行錯誤しているんだろうなあと、余計なことを考える私であります。




