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時事ネタ

 自分では時事ネタを使っているつもりはないけれど、小説って思っているより時事ネタを使ってしまうなあというお話。

 

 異世界やSFの場合はともかく、現代日本を舞台にすると、どうしても顕著になります。

 タレントとか、テレビ番組はともかくとして。

 電化製品なんかの生活用品は、無意識に出ます。


 たとえば。昭和の時代の缶ジュースは、プルタブが、押し込む形ではなく、外れるかたちでした。ちょうど、持ち手が指がかかりやすいようになっているので、恋愛ものだと指輪に見立ててみる、みたいなお話もありました。今の人には、全く通じないでしょうね。

 電話も、昭和は、家庭の電話機と公衆電話。

 携帯電話って、最初は、大きなカバン状態で、持っていると、持っているってバレバレの大きさだったんですね。それが、技術革新で突然小さくなって。

 そして、折りたたまない形から、折りたたむ形になり、今は、折りたたまないスマートフォンへ変化。

 最近は電話をせず、SNSで会話したりする人も多いです。


 実は、書籍にして頂く本は三年前の作品で、今年、書籍化の作業で小説を読み直していて、『うーむ』と思ったのが、携帯電話の取り扱い。もともと携帯電話としか、書いていなかったのですが、イメージはスマホでは、ない。

 三年前は、まだガラケー女子っていうのは、それなりに(あくまでもそれなりに)存在していて、ネタとして大丈夫だったのですが、今、ガラケーユーザーは絶滅危惧種に近いです。(ちなみに私は、絶滅危惧種ですが)すごく迷いました。

 結局、スマホともガラケーとも表記せず、『携帯電話』で押し切ったのですけれども。


 というわけで、現代小説というのは、はからずも時代を反映してしまうものなのだな、と思います。

 もちろん、それがいけないわけではないのですが、時事ネタを極力使わないほうが、風化の危険は少ないなあと、思った次第です。

 もっとも、執筆して、すぐ世に出れば、タイムリーではあるのですが。ただ、不可抗力な電化製品はともかく、何年も後になって、『?』となるネタは少ない方が、作品の息が長くなります。

 

 前にも書いたかもしれないけれど。

 時代によって、小説の流行りのネタは変化します。変化させたくなくても、変化せざる得ない時があります。

 特に推理小説ですね。

 誰もかれもが、携帯を持ち歩くことにより不在証明は難しくなりました。

 さらに『写真』トリックもデジタル普及で、素人が簡単に加工出来るようになり、さらにフィルムトリックも使えなくなりました。

 個人的には、トリックだけに焦点をあてるタイプの小説は好みではないのですけども。



 来年は、平成から新しい年号に変わります。

 私が『昭和人間』であるように、今の若い人たちも『平成人間』になります。

 だからこそ、新しい時代を追いかけるのではなく、時代を越えていける物語を作っていきたいですよね。


今年も、ありがとうございました!

来年もよろしくお願いいたします。(次回は1/12からの予定です)

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