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冒頭

書き出し祭り、勝手に応援企画。

 吾輩はアマ作家である。書籍はまだない。

 いつ書き始めたのかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗い部屋のすみでしこしこと書き始めた事だけは記憶している。



 はい。のっけからすみません。言わずと知れた、夏目漱石先生の名文の引用パロでございます。

 うん。こんなふうに、作り変えても、やっぱり元の文章がすごく『巧い』から、引きがすごくありますよね。


 日本人なら、たいてい知っている小説の『冒頭』といえば。


 夏目漱石『吾輩は猫である』

 川端康成『雪国』

 太宰治『走れメロス』 


(敬称略)


 あたりでしょうか。

 本をまったく読まなくても、『教養』として冒頭は知っているという作品。


 なんというか、やっぱり日本語が巧い(笑)

 簡単な文で、世界がグッと引き寄せられる感じ。

 この吸引力は、真似しようと思って、できるものではないですね。

 

 この中で冒頭が、一番長い文章は『雪国』


「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」


 三つの中では長いけど、こんな短い文章で、情景がくっきり浮かびます。

 うん。文豪ってすごいですね。


 

 冒頭と言えば。

 なろうでもよくみかけるのですが、戦闘やラブシーンからはじめて、『どうしてこうなったの?』みたいに、途中で時間が巻き戻って、物語が始まる、という方法があります。

 引きが強烈なため、読者へのアピールが強いです。商業作品でも多数見受けられます。

 ただ、これ、技量がある人向けではないかと思います。私の主観でいいますと、初心者はやめた方がいいかな。

 理由は三つ。


 ①冒頭の情報量が多くて、魅せ方が難しい。

 ②時間が巻き戻った時に、読むのをやめられる可能性がある。

 ③時間がつながった時に、整合性を取るのが、結構たいへん


 もちろん、強烈な引きというのは魅力ではあります。

 プロットを完ぺきにつくり、整然と話が書けるという前提なら、「あり」なのですが、正直、③は本当に大変です。(個人の感想ですが)

 ホットスタートでもいいのですが、時系列は曲げない方が書くのが楽。


 余談ですが。拙作『そして、私は炎に焼かれる』は、巻き戻ってはいますが、巻き戻りというのが『仕掛け』なので、③は全く気にせずに書いてました。

 タイムリープのような仕掛けを持つ作品なら、時系列が変わるのは当たり前なのですが、ふつうの小説で、時系列の変更は、非常に読者にも書くのにも負担をかけますので、本当に慎重に。

 


 時系列を変えて、巻き戻って、説明を始める場合。作品によっては、『その説明シーンいるの?』みたいな作品もあるわけです。

 古い名作なんかは、冒頭が退屈な作品がありますので、そういった作品は、面白いシーンから始めるといいかな、とは思いますが、その場合は切ったシーンは、ほぼ、いらない気がするのね……。

 私はどちらかというとハイテンポにストーリーを進める方なので、そう思うだけかもしれません。


 可能であるなら。

 短い文章でグイッと読者を引き込み、素直な流れに乗せる。これが、一番という結論に。

 それが簡単にできるなら、苦労はしませんけれども。






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