方言
今回は方言について。
地方人で他の土地に住んだことのない人間にとって、方言の厄介なことと言えば、『方言』だと意識していない言葉が非常に多いことです。
小説を執筆するうえで、非常に難敵です。
厄介なことに、本人は標準語で書いていると信じている(笑)のであります。
私は元名古屋人ですが、名古屋人、今、「やっとかめだなも」なんて挨拶は、ほぼしません。
いや、意味はわかりますけど。念のため、書きますと『八十日ぶりだね』ということで、つまりは『ひさしぶりだね』という意味です。
今までで一番苦労したのは、釣りモノで書いた『魚の名前』。
私の父は、三重県の人でした。で、釣り用語は三重と愛知の混じった感じだったのですね。
『メジナ』(関東)は『グレ』(関西)
『クロダイ』(関東)は『クロダイ』(関西ではチヌ)
統一性がない(笑)ちなみに、関東でなぜかあまり人気のないキュウセン(ベラ)を、好んで食べていたあたりは、やはり関西系なのかもしれない。(ベラは本当においしい)
昨今は、何もかもが『全国標準化』で「地方色」は意識しないと消えていく傾向があるとはいえ、まだまだ方言というのは、根強いものがあります。
転勤族の人の言葉遣いは『どこの土地のモノでもない』言葉になる傾向があります。
なかには、特に大阪の方は、何処へ行っても変わらぬように意識される方が見受けられますけどね。
私も、現在、尾張と美濃が混在しております……もっとも、ほぼ変わらない言語でありますが。
名古屋人は、擬音語を形容詞に使う傾向がありまして(^^;
それが、どうにも困りもの。
例えば、つい使いたくなる『バリ掻く』。バリバリ音を立てて引っ掻くから、バリ掻く。
解説すると、引っ掻くの最大級であります。
この『バリ掻く』の感覚は『引っ掻く』では、ないのですね。だって、最大級の『引っ掻く』なので。
鉛筆を『ときときにする』。飲み物が『シャビシャビになる』。
メチャ、リアルに使う言葉なんだけど、全国的にはあまり通じないらしい(苦笑)
方言といえば、イントネーションのほうが特徴的なわけですが、それは文章で書けばわからないし、是正されるものです。
ところが、名称や、表現の場合は、指摘されないと気が付かないこともある。全国標準に沿わせた作品を書くとき、方言は小さなお困りごとかもしれないな、と思います。
清水義範先生の『金鯱の夢』なんてのは、方言を扱った名作だと思う。
ちなみに名古屋人には、標準語解説部分が全く不要で読めます(笑)




