ジャンルに卒業は必要?
先日、テレビを見ていて『子供が読書をしなくなるのは、中学生から』という話を聞きました。
絵本から始まった読書は、童話、いわゆる児童文学になり、そして一般小説へと変化。その間にあるジュブナイル、ライトノベルは、学校の図書館には少ない?
それに『児童文学』というのは、『子供』の読むものという認識があるのかな、なんて思います。児童文学を卒業しなくてはいけないと思う。だけど、一般小説は難しい。そんな思い込みもあるのかなと。
でも児童文学って内容は奥深いものが多く、大人が読んでも難しい部分があります。逆に一般小説でも、気楽に楽しめるものもあります。年齢で本を分けるのは、それこそ、漢字とR部分だけだと思うのですよね。
まあ、最近の学生さんは忙しいというのもありましょうけど。
そういえば。今はどうかは知らないけれど、昔は『ファンタジー』や『SF』は、大人の『読書』と認めてもらえない雰囲気がありました。
「いつまでも、ファンタジーなんて子供みたいなもの読んでないで、もっと現実的なものを読みなさい」
的なことを言われたこともあります。
特に『ライトノベル』は、『早く卒業しなさい』と言われるジャンルなのかもしれません。
ところで。それを卒業して読むべき『大人』の文学って何よ? となるわけですが。
推理小説は、大人の娯楽として許されます。ただし、こちらも文学とあまり認められていない。
たぶん『アイデア』が勝負で、『クイズ』的なものと思われているから。
本当に優れた推理小説は、答えがわかっていても読みごたえがあるし、人生の悲哀をダイレクトに伝えることもできるジャンルだというのに、文壇さんからは冷たい扱いです。
時代小説も、大人の娯楽。
こちらは、比較的文学としても許容されています。
歴史的な時代考証がされているから「ためになる」からでしょうか?
とはいえ。私が好きな時代小説は、チャンバラありがほとんどなのですが。
あと、冒険小説系ハードボイルドもの……は、広義の推理小説系かな?
恋愛ものとか、社会派なものとか? 正直、それ系のジャンルをほぼ読まないので、一般的な大人さんは何を読むのか私にはわかりません。
そもそも。その『卒業』しなさい的な思考がある人の場合、『純文学』はいいけど、『大衆文学』ダメと思っているひとならまだマシで、ご自身は物語を読まないひとだったりするかも。それこそ『知識を得るために本を読む』ことがあっても、『娯楽のために本を読む』という発想がなかったり。
どんなジャンルでも読むのに、年齢で卒業はないと思うのです。
ファンタジーやSFが子供だけの物だとしたら、世界は、なんて窮屈なのでしょう。
そんなふうに決めつける人でも、洋画だったら見る、という矛盾。(アニメじゃダメ)少なくとも、「指輪物語」の三部作の映画は大ヒットしました。
あれは、『大人のドラマ』がある『大人の』ファンタジーだから?
いえいえ。あれはもともと『児童文学』です。
優れた物語に、大人も子供もありません。
もちろん、好き嫌いは、あるでしょうが、大人だからと卒業する必要はないと思うのです。
ただ、アラフィフのおばさんの私の場合、ライトノベルの表紙と挿絵はちょっと恥ずかしい。家族に見られるのは、抵抗がある。
肌の露出度の高い美少女イラストは、漫画を買うよりハードル高い!
と、いうことで電子で買うわけです。電子がないと紙の本ですが、つい通販で買うのです。
本屋で買ってほしいという、書き手さんのお気持ちは重々承知! でも、ねえ。それこそエロ本買うより恥ずかしいのよ(笑)
最近は大人向けのライトノベルもありますね。
とはいえ、あの大人向けというのは、単純に、今のラノベが『ファンタジー』一辺倒なので、それより少し現実的な感じで、というレーベルなのかな、と。(Rシーン強化版な官能系もありますが)
ただ、そんなジャンルが出てくると、ライトノベルと一般小説の区切りってやつも、かなりあいまいになってくるわけです。これは、男性向け、女性向けといっしょで、ある程度の住み分けなのでしょう。
でも、本当に面白い物語なら、そんな垣根は軽く越えていくのでしょうね。
そして、そういう物語こそ、年齢関係なく、たくさんのひとを本へと導いてくるのだと思います。




