流行とは
今回は、『流行』とはなんぞやということを私なりに考えてみます。
私はかなり意識しないと、いろんな面で(私生活でも)なかなか流行の波に乗ることはできない人種であります。
創作に関して言えば、自分の好みをストレートに出した作品は、ライトノベル対象年齢よりかなり上になりますし、一般小説というほど文芸的でもなく、公募しようにも、どこに送ればいいかと当惑する作風であります。なろう基準によれば、一応『底辺』ではありませんが、いわば辺境で好き勝手に書いているひとです。だから、『出来ていない』といえば出来ていないわけで、そのあたり、話半分に聞いていただければと思います。
ただ。流行と全く違うように見えても、流行を取り入れることは理論的には、可能であります。
今流行の追放系。これは、『ダメと言われた人が成功する』パターン。
悪役令嬢の逆転ハッピーエンドと同じで、逆境からの逆転というのが重大な様式美。
考えようによっては、かなり古くからあるパターンではあります。
よく考えたら、漫画『キャプテン』なんかも、そうかも。もっともあれは『ダメと言われた人が、努力して成功する』お話で、なろうのように『出来る人間が不当に扱われて追放されて、成功する』という話とは違うかな。でも、ハインラインの『夏への扉』も実はそのパターンだから、なろうが新しいわけではありません。
物語の形式の革命というのは、それほど簡単に起こせるものではなく、あなたの好きな物語も、きっと古くからの様式美を持っていると思います。
目新しく見える衣をまとっていても、骨は同じなのです。
例をあげます。
パートのおばさんが職場カーストに弾かれて、やめさせられたけど、ライバル店でエースチーフになるお話だって、骨格は同じ。
キャラ的には、なろうウケはしないかもしれないけれど、『流行』要素はバッチリ取り入れています。
ただ、そのまま書いても流行はしない。
パートのおばさんが、エースチーフに成り上がるサクセスシーンが子気味よく決まれば、それが、そこいらのテンプレよりもワクワクするしあがりになっていれば、そこそこ評価は伸びる可能性はあります。(あくまで可能性ですが)
ウケる『骨格』というのは、ジャンルを変えても『ウケる』ことが多いです。
とはいえ。物語には流行があります。
最近の時代物は、やたら『料理』ものが多い。一本当たるとなんとやら。テレビドラマで、昔ながらの勧善懲悪チャンバラは、ほぼなくなりました。
なろうも転生転移でなくても総合ランキングに入れるように。これは、数年前のジャンル改正前ではありえなかったですよね。もっとも、ファンタジーはやっぱり強い。それも、古典的じゃない、ライトノベル俺TUEE系ですが。これは、骨格ではなく、『衣』の部分。
見かけです。
見ず知らずの作者の作品を読む場合、形から入る読者さんも非常に多いのです。これは、「安心感」を得るために、やむを得ないところです。
ただ、「見かけ」を取り入れる場合、ある程度『骨』の部分も入れておかないと、『期待を裏切る』作品になって、そっぽを向かれます。
大事なのは、『安心』させて、『意表をついて』『期待を裏切らない』作品なのです。
大ヒットを飛ばす作品というのは、必ずこの法則があります。
とはいえ。
わかっていても、すべてを満たすのは非常に難しい法則ではありますけども。
一度没にしたけど、何かのお役に立てればと、更新しました。
私自身への、ブーメランなので。自分が出来ているとは言っていません。




