税金
今回は税金について。
払う立場なら、一銭だって払いたくないし、徴収する側なら身ぐるみはぐまで巻き上げたい、そういうものでございますね。
私は、あまり経済に強くないので(金融出身なのに!)あまり小説では触れないようにしておりますが、国家を描くような物語であれば、税金というのは当然頭の片隅に置いておくものなのかもしれません。
なろうには、『内政チート』というジャンルがありまして、効率よい国家経営を打ち出して周りの信頼を得る、なんていうのも定番です。
実際には、農地改革や商業改革というのは、非常に反発も大きいものがあり、「王がのたもう」だけで、うまくいくわけはないのではありますが。
日本の歴史で習うのが、『租庸調』。古代において、権力者は、農作物や労働力を『税金』として民衆に課して、国家を経営してきました。
現在とは違い、巻き上げた富が民に還元されることは少なかったとは、思います。
とはいえ。国家はその税収で、道をつくったり、灌漑工事というような、公共事業を行ってきました。治安を維持するのも、国家の役目であります。
この辺の税金の種類や使われ方なんかは、国税庁のHPなどにとても丁寧に解説されておりますので、興味ある方は、そちらをご覧くださいませ。
で。終わってしまっては何ですので。
税金というのは、国家の立場からすれば『いくらでも欲しい』ものではありますが、民衆側にしてみれば、『なければないにこしたことはない』代物であります。
重税を課す支配者が、名君と呼ばれたためしはなく、行き過ぎた課税は、反乱を招きます。
だいたいファンタジー国家でも、暴君の圧政の第一条件は『重税』。集めた税で私利私欲にむさぼれば、立派な民衆の敵です。
『民主主義における個人の自由』という視点でみないのであれば、広く浅い税で、公共事業をすすめる独裁者は、名君足りえるわけです。
税金を軽くして大金を得るには、民衆の生産力を大きくし、国自体を富ませることと、収益率の高いものを国家事業にしてしまうというのも考え方です。
良い国を維持するには、金がかかります。人が集まるのは、富のあるところであります。
内政物を書きたい人は言わずもがな。圧政を敷く暴君を描きたいなら、奇想天外なものに税金を課すなんてのも、面白いのではないかななんて思います。