設定と文章
今回は『設定と文章』です。
私は、設定作るの好きですが、メモを作るのはほぼ、家系図とか地図ばっかりで、キャラの性格とはメモにはあまり残さない人です。
ファンタジーやSFなんかは、世界設定だけで膨大に設定が出てくるわけですが、あまり根を詰めて世界を作ると、私は満足してしまう傾向があるので、概略だけにすることにしています。
作った設定を全部小説の文章にするかというと、そうでもないです。捨てるものというか、表面に出ない部分もあったりします。
設定というのは、『なんとなくこんな感じ』って部分と『やたら細かい』部分があってしかるべきかな、とは思います。
たとえば、適当に今設定を起こしましょう。
<主人公>ジョン 18歳。女にモテたいために金持ちを目指す剣士。ダサい。ぼさぼさ頭。でも顔の作りはいい。
両刃の剣を使う。剣は我流。髪こげ茶。ブラウンの瞳。背は長身。
<ヒロイン>エルザ 17歳 軽戦士で魔術も使う。ボーイッシュな美女。冷静。ショートソード。魔術媒体は、指輪。黒髪。黒目。ジョンに惚れている。
<あらすじ>ジョンとエルザは、商人からネーコという猫に似た魔法生物をとある場所まで運ぶという仕事を請け負う。そのネーコを狙う悪漢たちをふせいで、指定の場所まで行けるのか?
<ねーこ>猫に似ている。人語を解する。ときおり魔術ごろニャーを発動。周りにいる人間が瞬時に丸くなって寝てしまうというオソロシイ魔術を持つ。
<世界観>剣と魔法の中世ヨーロッパ系ゲーム風。イージーな感じ。魔術師人口それなり。異人種なし。
ナンチャッテ大陸アルカナ王国のお話。回復魔法、なし。
ひどいな。まあいいか(笑)
もちろん、このジョンの説明をそのまま地の文で冒頭にやっちゃうっていうのも、ある意味ライトノベルズらしいのですが。
<例文>
「あなたの力を見込んで、ある生物を運んでほしいのです。お代は三万出しましょう」
「やりますやります!」
「あほ」
即座に身を乗り出したジョンの顔をエルザはパシッとはたく。
「その金額……詳しく聞かないとお受けできません」
ほぼ会話だけですが、ジョンとエルザの関係性、ジョンが単細胞で金に目がないという設定に沿っているという感じに見えますでしょうか?
見えたら、ラッキー。見えなかったらごめんなさい。
設定というのは、もちろんそのまま書いた方がわかりやすいこともあれば、ちょっとしたイベントをつくり話に絡めていったほうがわかりやすいこともあります。
古いタイプの硬派なハイファンタジーなんかですと、大陸の歴史とか国の説明、人々の暮らしレベルなんてのをバカ丁寧に説明したりすることもあるのですが、よほど魅力的な設定でない限り、グイッと引き込まれません。
一番いいのは、その世界に住んでいて必要な知識であれば、生活に絡めることかな、と思います。
水道がなければ、井戸に水を汲みに行くシーンがいるわけです。
ちなみに、よくある中世といっても、そもそも中世は千年近くあるわけで(笑)文明レベルは頭の中で、ある程度自分で調整しましょう。
余談ですが、私は、中世より、近世にして魔術で電気技術等を代用するタイプがライトファンタジーにするなら扱いやすいと思っていますが、それは、人それぞれだと思います。
説明を説明と思わさずに書けるのが一番いいんですが、素人にはなかなか難しい。
少なくとも、私にはできません。
さて。
ジョン君は普段ダサくて、モテないと本人は思っている。でも美形。これを話に組み込むとして。
何かあった時に、女子にさりげにモテちゃう。でも、さりげにエルザちゃんが邪魔しちゃってジョン君は気が付かない展開とかだと、ラブコメっぽくなりますよね。
設定を文章にという時、一番大事なのは、設定で何かドラマを作るってことなのかな、と思います。




