<大喜利>桜の下で何かを商う
今回のテーマはずばり、『桜の下で何かを商う』でございます。
お題モノです。
うちの地域では、桜が例年より早く満開。いつも、祭りのときに咲くはずが、今年は、祭りより一週間早く咲いてしまいました。
さて。
桜祭りと言えば、屋台。
昨今は、冷凍ミカンなるミカンの缶詰を凍らせ、シャーベットのように食べるなる、すごくおいしそうだけど、主婦的には原価を考えると買う気が失せるシロモノもあって。
こうした屋台のアイデアってすごいなあと思うのですが。
実際、桜の季節というのは、暖かい日もあれば、寒い日もあったりと、屋台の売れ行きも気温に左右されるのだろうな、とは思います。
夜の屋台なら、酒のツマミ的なものが売れるでしょうしね。
桜の名所といっても、公園、城、神社、川沿いなどいろいろありまして、その場所それぞれ、花見に訪れる人は違うわけです。
というわけで、あなたが、桜の下で何かを商うなら、どんなお話を書きますか?
売り物、売る人、そして、場所、時間。それらすべてが、意外と無限なバリエーションに満ちているかな、なんて思います。
昼間なら、屋台で初恋のひとに会うとかもありですし、夜なら異形があらわれるかも。
また、空港のそばという設定にして、宇宙に旅立つ前にふと咲いていた桜のまえで売っているお店が、というのも素敵かもです。
1)テーマ『桜の下で何かを商う』
2)300文字制限
3)ジャンル不問
↓は私が書いたもの。
満開の桜は、夕日に照らされて朱色に染まっている。
私は木の下に屋台を見つけた。花びらの瓶詰が並んでいる。
「何を売っているのです」
「花を」
老人がそう答えた。
「いくらですか?」
そう聞いたのは、単に気まぐれだった。
「お金じゃないよ。思い出を払ってもらうのさ」
「思い出?」
「忘れたいものをね」
「ひとつください」
私は瓶に手をのばす。
「何を払うのかね?」
「別れたひととの思い出を」
「それは豪気な」
老人が私の手に触れる。
「さすがに、ひと瓶では申し訳ない」
老人は笑う……大量の花びらが、私の上に降り注いだ。
花びらが全てを洗い流した時、屋台は夕日と共に消えていた。
(なろう投稿ホームによれば299文字)
桜は、昼間は賑やか。夜はぞくぞくする妖しさがあって、大好きです。
特に、月の光を浴びて、花びらが散る風景が大好きですね。
でも、今回は珍しく黄昏を書いてみました。
短編というには、練りが足りませんが、一発芸です。
たまーに、こんな縛りでモノを考えるのが好きな私です。
お暇な方は、ちょっと遊んでみるといいかも。




