昔はよかった?
人間、年を取ると過去が美化される傾向があって、年寄りほど『昔はよかった』と呟く傾向がございます。
いや、でもね、実際、考えると昔より今のほうが、ずいぶん快適なのですよ。
道具だって、いろいろ親切になりましたし。
第一話にも書きましたが、ネット社会になって、素人が作品発表できるようになったり。
ただ、一点。私がせつに『昔はよかったなあ』と思うことがあります。
テレビです。
番組とか視聴率の話ではありません。
「CM」です。
昨今の民放のバラエティなんかは、非常に『引き』が多く、最後の注目のスクープなんかに至っては、放映時間が1分程度なのに、何度もCMが流れます。
CMとCMの間にタレントさんの『えーっ』とか『うそぉ』などというリアクションだけはさむなどという鬼畜な構成。正直、CM見ている間に、そのスクープなんかどうでもよくなってしまいます。
あーやっぱり、ビデオで見た方がよかったと思うし、あれだけ待ってこれかよ? みたいなことも多々ありまして。
昔はここまで、『引く』ことはなく、CMは割と番組内時間で均等に割り振られていたように思うのです。
人間、ある程度のところまでの『引き』は楽しみにできますが、時間延ばしみたいな『じらし』が過ぎると飽きます。
本当はすごいモノなのかもしれないけど、ガッカリ感を感じることもあります。
小説でも、じらしテクニックはほどほどに。
終わるべき時が来たら、潔く終わりましょう。
人気があるからって、引きすぎると作品そのものが壊れることがあります。
『昔はよかったなあ』と思いながら、自戒したいな、と思う私でありました。