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無慈悲な瞳
無の世界には私が一人。
そのはずだった。
ありえないことだ。
私の胸は高鳴った。
心を満たす希望が垣間見えた。
だけど、
そんな希望だとしても、
結局私は守るため。
心を守るため、
希望を殺す。
仲間と交わした約束を。
私の瞳は、
私のもとへ来る者に。
あれは希望で、仲間ではない。
私は狙い、眉間に放つ。
私の腕なら外すことはない。
久しぶりに銃声を聞いた。
花は希望からあふれ出る血潮に染められる。
殺した私は息を吐く。
死の気配が漂い始め、
希望が立ち上がった。
私は守る。
だから撃つ。
頭を眉間を首を腕を足を心臓を全身を。
それでも希望は立ち上がる。
死に包まれ立ち上がる。
幾ら撃てども近づいて、
とうとう私の目の前へ。
もう、銃は構えられない。
希望は私に瞳を重ねると、
始めまして。
私は声を聴いた。
久方ぶりに話しかけられた。




