貴方と君と、愛したあの水は。
掲載日:2017/06/03
隣に咲く、一輪の向日葵。
私達の住む世界を照らし出す
眩しい光を求めて上を向く。
「私も上を向きたい。」
向日葵に手を掛ける私。
このままずっと
貴方の隣で安らかに
流れる雲を一緒に眺めていたいわ。
「そうね…この水、本当は貴方の為に、たくさんたくさん溜めてきたの。」
手に持っているジョウロの中の水は
もう流せないの。
でもたくさん溜まってしまったの。
もう溢れて零れ落ちてるの。
「だからどこに流せば良いかな?」
何年も掛けて溜めてきた
穢い私と貴方のこの水は
もう土に還したい。
「そうそう、貴方と私のアルバムは、どこに棄てたら良い?」
キラキラ輝く心のアルバムと
何度削除してもエラーが発生して
一向に消えてくれない記憶媒体は
どこで燃やそうか?
それとも誰かが燃やすゴミに出してくれるの?
「ずっと時計の針が動かないのよ。」
どうしたら針が進む?
ううん、実は少し動いたの。
だけど、私はそれを隠した。
怖くて
怖くて…
優しい人は怖いのよ。
お願い
何も無いなら
私と永遠を誓えないなら
もうこれ以上私に近付かないで。
貴方と愛したあの水は
君と愛した水に押し流されて
綺麗に枯れますか?
そして
いつか君と溜める純水で
私の心は潤いますか?
「私は君をもう少し知りたいな…。」
私は隣に活けてある
白いガーベラに
新しい水をあげる。




