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最初の決意

なにとぞよろしくお願いします!


「なるほどなぁ。つまり、アウレリアの言ったことをまとめると、その商人は、ここで成るりんごおおよそ年間10万個を1個あたり原価200ドラのところを210ドラで無理やり買取、それを戦争で食料が不足した首都テールで550円で売ってるわけだな。」


「はい。さっき言ったように馬車も価格が高騰してしまって私たちじゃどうしようもないので泣く泣く。この前なんか来月に控えたりんごの出荷買取価格をもっと下げるなんていうからつい、わたし……」


話しながらまた泣きそうになるアウレリア。


「わかったから泣くなよ。どうしていいかわからなくなるからさ。で、アウレリアは商人に怒ったってわけか?」


「はい、つい、ついなんですが、殴ってしまいました……」


「!?!?…殴った!? そ、それは穏やかじゃないな。ま、まぁいいか。そうだよな。生活かかってるもんな」


「そういえば、馬車はないわけではないんだろう?」


「はい。集めればなんとかなりますが通常1台50万ドラもあれば買えるんですが今は1台100万ドラまで高騰してるんです。」


「倍か。で、10万個のりんご輸送に必要な台数は?」


「およそ10台あれば足ります。」


「1000万ドラか。確かに平均収入が150万じゃ出し合っても無理だよな。」


「…はい。しかもウチは妹も2人いて、父と母両方りんご農家なのでこれ以上下げられるわけにはいかないんです。」


また泣きそうになるアウレリア。


「わかったって。頼むから泣かないでくれ。…よし、じゃぁ俺が馬車を10台買う。そんで、このベネの町のりんごを1個あたり260ドラで買い取って、テールで310ドラで売る。こうすれば農家の所得は5倍になるし、テールでの食料事情も少しはよくなるだろ!しかも俺も儲かる。」


「で、でも、川崎さんにそんなお金あるんですか?それに救世主がすることじゃないんじゃ?」


降って湧いたような弥太郎の提案に驚きを隠せないアウレリアは疑うように問いかける。


「これだよ、これが俺の救国さ。アウレリアだってそのために雇ったんだ。それに金は心配ない。なぜなら俺には退職金があるかな!はっはっはっ!それと、俺のことは弥太郎さんでいいから!」


「た、退職金ですか??」


こうして、異世界でも商売人になった弥太郎はまず、この町の農家を救済しようと営業マンになるのであった。しかし、以前の世界ようではない、本物の営業マンを目指して。

それは夏を前に暖かな風が吹く嵐の前のような日和であった。


現在の弥太郎の所持金、29,980,000ドラ。

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