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見るだけ!触るだけ!グレートスピードラーニング!  作者: ともなっち
第0章〔始まり〕
1/2

孤島から本土へ。

魔物や魔法がごく当たり前に存在する世界。

亜人や精霊がごく当たり前に存在する世界。

ゲームのようなファンタジーな世界。


ー[エターナリア]


それがこの世界の呼び名である。


エターナリアの西の果てにある孤島から俺の物語が始まる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「よし、これで終わりだな」


俺はそう呟きながら、いつもの日課である水汲みと薪割りを終える。


「明日からは本土での生活か」


と、いうのも俺は今日で16歳になる。

俺が住んでいる村では、16歳になると村を離れ本土で生活し、経験を積んでくる風習があった(・・・)

まぁ、今住んでいるのは俺一人だけだが。


俺が住んでいるのは、エターナリアの西の果てに浮かぶ〈消えゆく孤島(デリーツォ)〉だ。この島は4年に一度発生する侵食波と呼ばれる現象によって年々沈みつつある。


その影響で村に居たものは一家、また一家と本土へと移っていった。残ったのは爺ちゃんと婆ちゃん、そして俺だけだった。


爺ちゃんと婆ちゃんは俺の本当の祖父母じゃない。俺は赤子の時に浜辺に流れ着いたボロボロになった〈魔術保護具(シェルター)〉の中に居たらしい。

そんな俺を拾って育ててくれたのが爺ちゃんと婆ちゃんだ。


丁度、侵食波の時期でもあった為、両親と当時赤子だった俺を乗せた船が侵食波に巻き込まれ沈没。沈没していく最中に両親が俺を〈魔術保護具(シェルター)〉に入れ助けたのではないか。という仮説が立てられた。

両親がもう生きてはいないだろうという事も。生い立ちに関してはそんな所だ。


正直、両親に関しては全く覚えてないので特に気にならないし、爺ちゃんと婆ちゃんに育てて貰って寂しいと感じた事もない。


その爺ちゃんと婆ちゃんも去年亡くなった。


「これからはお前自身の人生を楽しく自由に生きていけ」


それが爺ちゃん達の最後の言葉だった。


それから1年経った今日がこの島に居る最後の日なのだ。明日の朝一番に俺は船でこの島を発つ。


「大体こんなもんかな」


明日への準備を早々に終えて、俺は御飯を食べ寝る事にした。


夜が明け、旅立つ時が来た。


「それじゃあ、行ってくるよ」


爺ちゃん達の墓碑の前で旅立ちを告げ船のある浜辺へと向かう。


船がある浜辺まで来ると思いの外ボロい船に少し驚いた。


「本土までそう遠くないけど、…これ、大丈夫かな」


少し不安になるが、旅立つ前の最終チェックと行こう。と、言っても持って行くものは、僅かなお金と長剣、それに少しばかりの食料だ。それからー


「〈能力確認ステータスチェック〉」

-------------------

ナツ

種族:人族

Level:3

Job:無し

状態:正常

HP:518/518

MP:317/317

ST:425/425

STR:73

VIT:62

DEX:70

AGI:55

INT:35

MND:37

LUK:20


ATK:208+12

DEF:170+1

MATK:169

MDEF:170


装備

セミロングソード

布の服


固有ユニークスキル』

神速昇華習熟グレートスピードラーニング】【全順応オールアダプト】【神眼しんがん】【】【】


『習得スキル』

[生活:LV4][操舵:LV1][戦技:LV1]


『耐性スキル』

[毒耐性:LV2]


『称号』


-------------------


能力確認ステータスチェック〉はその名の通り対象の能力を確認するスキルだ。

類似スキルに〈簡易能力確認シンプルチェック〉がある。

能力確認ステータスチェック〉が対象の詳細を確認出来るが消費魔力が多くまた術者の実力によっても得られる情報が変わるスキルに対し、〈簡易能力確認シンプルチェック〉は術者の実力に関係無く、対象のレベル、種族、ジョブ、体力、体内魔力、スタミナ、現在の状態だけを確認するスキルだ。

一般的には〈簡易能力確認シンプルチェック〉が使われている。必要とする魔力も非常に少なく、何より対象の状態を確認する分には充分な情報が得られるからだ。


「このステータスで本土でやっていけるんだろうか。本土には魔物も居るって聞くしな」


魔物。島に居た動物と違い、空間に漂う魔力を過剰に取り込み変異した生物だ。動物の時よりも遥かに身体能力が向上するとか、知能が高く魔術を使う個体も居るという話だ。また、気性が荒いものが多い事から危険生物に分類される。


「まぁ、ここで悩んでいても仕方ないよな。行くとするか」


そう言いながらボロい船を着水させ乗り込む。波もかなり穏やかで無事に本土まで行けそうだ。船が島から本土に向け流れる風に乗ってゆっくりと離れて行く。オールを使って速度と進行方向を調整する。


「「気をつけて行くんじゃぞ」」


風に乗って、そう聞こえた気がした。


「爺ちゃん、婆ちゃん、行ってきます」


島へ振り向き声を張り上げて叫んだ後、本土へ向けて再び漕ぎだした。ここから本格的に第二(・・)の人生が始まるんだ。


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