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魔物の世界の通訳さん 〜特殊スキル『魔物通訳』でモンスターの悩み相談承ります〜  作者: 役所星彗


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第23話「アナウンスラッシュ?」

「お礼に特別室まで案内してやろう」


 そう言ったソロモンさんは僕たちの返事も待たずに、そのフカフカした胸の羽毛うもうをモゾモゾとかき分け始めた。


 すると羽毛うもうの奥から、革紐かわひもで首に下げられた()()()()()()が姿を現した。

 普段はもふもふの羽毛うもうに隠れて、全く見えなくなっているみたいだ。


 ソロモンさんはその玉をくちばしで器用にくわえると、スッと目をつむって何かに集中し始める。


 ──次の瞬間。


 玉とソロモンさんの体が、まばゆい光を放った。


 僕は思わず目を細める。

 僕とコン、そして魔導書の山が、同じように優しい光に包まれていくのが見えた。




「……マオ、すごいよ! 見て!」

「うわっ……!」


 コンの声に目を開けると、僕たちはさっきまでとは全く別の場所に立っていた。


 さっきまでの世界樹せかいじゅの根元にある図書館じゃない。


 そこは──あわい金色に輝く葉に四方しほうを囲まれた、神々しい空間だった。


 葉の隙間すきまからは、眼下がんかに広がる森の景色や、はるか下を流れる雲を見下ろすことができる。


(ここは……世界樹せかいじゅの、頂上付近……?)


「急に場所がかわって驚いたじゃろ? このオーブは古い友人から預かっておる()()()()()()()でな。これで世界中を移動したり、本を集めることができるのじゃ。便利じゃろ?」

「はい、すごいです……!」

「うむ。そして、ここが特別室じゃ!」


 ソロモンさんが指し示した先には、世界樹せかいじゅみきそのものをくり抜いて作られた、巨大な書庫しょこがあった。


 そこには先ほど僕たちが持ってきたものと同じような特別な魔導書が、天井までびっしりと並べられている。


 ──ズラリと並んだ魔導書。頭上では、世界樹せかいじゅの金色に光る葉がサラサラと揺れている。頬を撫でる風に振り返れば、どこまでも広がる森と流れる雲。


 僕とコンはその幻想的げんそうてき景色けしきに感動して、しばらく言葉もなく、その光景こうけいながめていた──。




 その後、僕たちは魔導書を特別室の棚に丁寧ていねいに片付けた。


 ソロモンさんのオーブの力で世界樹せかいじゅの下まで戻ると、オークたちの方もほとんどの掃除を終えたみたいだった。


 山積みだった本は綺麗きれいに棚に収まり、図書館は見違えるようにスッキリしている。


 ──その時だった。


 どこからともなく、世界全体を揺るがすかのような荘厳そうごんな鐘の音が鳴り響いた。



 ゴーン……ゴーン……


《ワールド・アナウンス:Worldワールド・ Canvasキャンバス・ Onlineオンラインをプレイされている全ての冒険者にお知らせ致します》

《世界のことわりつかさどる六つの【創世のオーブ】が、その四つ目を世界の前に姿を現しました》

《オーブの名は【運命のオーブ】》

《発見者の偉業いぎょうたたえ、ここに唯一無二ゆいいつむにの称号をさずけます》

《クラン名「栄光騎士団」が、称号【運命の発見者】を獲得しました》



(ワールドアナウンス……会社で皆が話してた、イベントの関係かな?)


 僕がそんなことを考えていると、ソロモンさんが綺麗きれいになった図書館を見渡して、満足そうに話し始めた。


「いやはや助かったぞ。見違みちがえるようだな」

「なっ……!? 賢者けんじゃ様の言葉が……わかるぞっ!?」


 オークたちが、心底驚いたような声を上げる。


「なにっ!? おぬしたち、ワシの言葉が分かるのか!?」


 ソロモンさんも、その金色の目を見開いて驚いている。


「あっ、それマオのスキルだよ! マオと仲良くなったモンスターは、皆お話しできるようになるの!」


 コンが得意げに、胸を張って説明する。


 ソロモンさんとオークたちは驚き、そしてゆっくりと顔を見合わせた。


「……そうか、ならば改めて伝えよう。オークたちよ、いつも本当にありがとう。そして、すまなかったな。もしよければ……これからも良き友人として、ワシと一緒にこの世界樹せかいじゅを守っていってくれないだろうか?」


 オークの部隊のリーダーが、その言葉に代表して答える。


「はい、賢者けんじゃ様。我らオークの一族は、これからも世界樹せかいじゅ賢者けんじゃ様と、共にあります」


 周りのオークたちも一斉に「「共にありますっ!!」」と、威勢いせいの良い声をあげた。


(良かった。これでもう、すれ違いはなさそうだね)


 僕が皆のおだやかな顔を見て、ホッと胸をで下ろした、その瞬間。


 僕の頭の中にアナウンスが鳴り響いた。


《特殊クエスト【森の賢者けんじゃの困りごと】を達成しました!》

《クエスト達成ボーナスとして、【高難易度交流経験値】を180,000ポイント獲得しました》

《成長テーブル【神獣しんじゅうステージⅡ】適用。経験値が規定値きていちに達しました。キャラクターレベルが 58 から 66 に上がりました》

《ジョブ【通訳】のレベルが 29 から 33 に上がりました》

《ジョブレベルアップボーナス:ジョブスキル【以心伝心いしんでんしん】を習得しました》

└ 効果:離れた場所にいる「友」と、意識の中で直接会話ができます。

《ステータスポイントを 40 獲得しました。自動割振を行います》

《称号【賢者の信頼】を獲得しました》

《称号効果:古龍や精霊など、古代種・賢者タイプのモンスターからの初期友好度が上昇します》

《称号【オークの同胞どうほう】を獲得しました》

《称号効果:オーク族からの初期友好度が大幅に上昇します》


(よし、クエストクリアだ!)


 そしてそのアナウンスが終わった、まさにその直後。


 再び、世界全体を揺るがすような、荘厳そうごんな鐘の音が鳴り響いた。



 ゴーン……ゴーン……


《ワールド・アナウンス:Worldワールド・ Canvasキャンバス・ Onlineオンラインをプレイされている全ての冒険者にお知らせ致します》

《世界のことわりつかさどる六つの【創世のオーブ】が、その五つ目を世界の前に姿を現しました》

《オーブの名は【空間のオーブ】》

《発見者の偉業いぎょうたたえ、ここに唯一無二ゆいいつむにの称号を授けます》

《プレイヤー名「マオ」が、称号【空間の発見者】を獲得しました》



(……あれ? 今度は僕? なんだか今日は、いっぱいアナウンスが鳴る日だなあ……)




あとがき


次回、アーサー回です!

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