正義部のはじめての活動
次の日─
優夜は授業を終え、部室に向かった。
「失礼します」
「おお!きてくれたか」
有菜は嬉しそうだった。
「部に入ったのはいいんですが、正義部はどんな感じで活動するんですか?」
優夜は部室に入るやいなや、すぐに質問した。
「そうだな、まず待つこと、かな?」
「待つ、こと?」
優夜は疑問に思った。
「そうそう、だってね困ってるからって正義部にわざわざ相談にしに来る人なんてそうそういなし、だから誰かが来るまで待つんだ」
「えっと、なら外への活動とかは?」
「外?外はちょっとめんどくさいんだよなぁ〜」
優夜は思った。入る部を間違えたと。
「それなら、ポスターを貼ったり宣伝したりとかってしてますか?」
「そういえば、してなかったな!」
優夜は呆れながらも発言を続けた。
「そ、そうだったんですか……。なら、ポスターを作って校舎内に貼ってみましょうか」
「いいね!やろうか」
そうして、正義部の初めの活動は宣伝がてらのポスター作りに励む事にした。
「まずは、部の名前を書いて」
「おお!」
「次に。おおまかな活動内容を書いたら」
「おお!」
有菜はノリノリだった。
「だいたい普通のポスターには出来たけど、あとはキャッチコピーが欲しいな……」
「キャッチコピーか……なにがあるだろう」
優夜は部室に目を配るとふと有菜が自作したヒーローの等身大フィギュアに目がいった。
「そうだ!その等身大フィギュアをキャッチコピーに使うってのはどうでしょうか?」
「それはいい考えだ!」
「なら、それをポスターに書いたら……こんな感じでいいかな」
「おおー!す、凄い!」
「あとはこれを校舎内に貼れば少しでも人が来ると思うんだけど」
優夜は少し心配だった。
「こんな凄いポスターを貼るんだ!きっと、困っている人達が沢山来るさ!」
有菜は凄い自信満々だったが、優夜はそれはそれでどうなんだと思った。
「よし、じゃあ作ってもらった代わりに私が印刷して貼ってくるよ!それじゃあ、今日はこれで解散!お疲れ様!」
「え!もう終わりですか!?」
「まあ、今日は多分人は来なさそうだしそれに、ポスターを作るという十分な活動もしたんだ」
ポスターだけで大丈夫なのか……?
「そういうことでまた明日!」
「は、はい……」
優夜は少し物足りなさを感じながら帰ることにした。
「そういえば、あんな等身大フィギュアをどうやって作ったんだ……?また聞いてみるか。」
優夜は帰りながらふと思ったのだった。
その頃、有菜はポスターを貼りに校舎内を回っているとそこに1人の女子生徒がいた。
「有菜!」
「げっ、ナイカ……」
「げっとはなんだ、げっとは」
「まあまあ、いつもと変わらない態度じゃないか」
「あんたねぇ〜……って、それよりそのポスターはどうしたんだ?」
「あ〜これか?これはなんと優夜が作ってくれたやつなんだ!凄いだろぉ」
「なんで、あんたが自慢げに話すんだ。でも、中々の完成度だな。やはり、魔術部に欲しい逸材だ」
「新人部員はやらんぞ!!」
「ふんっ、それはどうかな。悠長におままごとなんかしているといつか飽きれられて、この私の魅力的な魔術部に入ることになるかもな」
「なにがおままごとですってぇ〜?」
「事実を言ったまでだ!」
という感じでいつもみたいな言い合いをしている二人であった。
ポスターは二人で仲良く?貼った。