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第111話『『剣聖』』

文字数少ないです

「僕らの村を襲うように『魔王』様が細工したんだろ?」


 そう『第一位』ソールが切り出すと、紫の粒子になっている『悪魔』エリゴスから笑い声が聞こえた。


「ハハッ、そうだよ。ソール、お前を『魔王』様が【十執政】に引き入れた理由は、友達も少ない平凡な人間だったからだ」


 そう言って、エリゴスは続ける。

 

「で、ロエン、お前は原理不明なワープ能力を持っていたり、サフィナは感情がない、ヴァルクは口数が少なく、命令を聞きそうだったからだ」


「……そのために、アタシたちの故郷を滅ぼしたの?」


「ああ。もし【十執政】を辞めるとしても、元の普通の生活を送れないようにするためにな。――まあ、お前ら三人は抜けたあとも三人で暮らしてるし、目的は失敗か」


 サフィナの手にフロリーレが現れる。花のように綺麗な模様が描かれる扇を展開すると、セルヴィは笑った。


「おいおい、俺らとやる気か? 順位も低いお前らに加えて、『異能力』を持たない人間もいる。どうやって勝つつもりだ?」


 『第一位』ソールがこちら側に着いたとはいえ、相手は『第二位』、『第三位』、『第四位』、『第九位』、ルシェルだ。全面戦争をしても、正直キツイだろう。だから――


「《斥力の王(リペル・ロード)》」


 ロエンが『異能力』を発動させ、この場の全員を四方八方に分散させた。誰が誰と戦うのに適しているかをすぐに判断し、最善のパートナーと共に。


◆◇◆◇

 

 『剣聖』アッシュ・レイ・フェルザリアvs『悪魔』エリゴス


 『第一位』ソール・アスタリウス&『第十位』ヴァルク・オルデインvs『第三位』レグナード・ロウ


『第五位』ミレーナ・ネフェリア&『第七位』ロエン・ミリディア&『第八位』サフィナ・カレイドvs『第四位』セルヴィ・ミレトス


 『魔導師』グレイス・エヴァンス&エリシア・アルセリアvs『第九位』レヴ・ダイナス


 『獣人メイド』セレナ・クラヴィール&『有能?メイド』エルフィーネ・モランジェvs魔法学園『第五位』ルシェル・バルザーグ


◆◇◆◇


 それが、ロエンの考えた最善の手だ。それぞれ、バラバラの地面に飛ばされた。

 上空では神が戦いを繰り広げている中、抉られた地面では新たな戦いが開幕したのだった。


◆◇◆◇


「――――」


「無言か? 何か話せよ。つまんねえ男だな。あ、そうそう、お前の父親の話とか――」


 紫の粒子になり、肉体が無くなってしまった『悪魔』エリゴスと対峙する『剣聖』。無言を貫いていたアッシュだが、ピリついた発言に足が勝手に動いてしまう。


 対悪魔特攻である光の『神剣』セレスティアを水平に振るが、躱されてしまう。アッシュの後ろに回った紫の粒子からは笑い声とともに、光が放たれた。


「危ない危ない。その剣怖ぇんだよ。他の剣使わね?」


「……残念だけど、これと腰にあるもう一つの『神剣』しかもう使えなくてね。それは出来ない」


 炎、雷、氷、水、風属性の『神剣』アグナシス、『神剣』ヴィザレスト、『神剣』フロストリア、『神剣』アクアリア、『神剣』エアリアは、もう使えない。

 

 先程、『炎神』達が剣から力を取り戻したことで、ただの剣になってしまったのだ。一応、異空間の武器庫には収納しているが、今使えるのは光の『神剣』セレスティアと、腰に帯刀している剣だけだ。


「そうかよ。それ使われると危ねえし、ちょっと本気出すか」


 そう呟くと、エリゴスを紫色のエネルギーが包み込んだのだ。大きな音を立てながら、エネルギーが吸収されていく。すると、そこに現れたのは――


「――人型になれるんだ」


 乗っ取る身体が無くなったことで、粒子になってしまったエリゴス。だが、紫の髪と瞳を持つ男に姿が変わったのだ。驚くアッシュに、エリゴスは笑う。


「俺一人ではなれなかったぞ。さっき、『魔王』様に力を貰ったんだ。ようやく、俺も俺自身の身体が手に入った!」


 先程、アレス、セツナと戦っている『魔王』と一瞬だけ目を合わせた。その瞬間、力を貰い、肉体を作り上げることが出来たのだ。


「さあ、かかってこいよ『剣聖』。どうせ俺が勝つんだ。全力で来い」


 自信満々に右手を空に掲げ、アッシュを見つめる。その挑発に乗り、アッシュは動いた。


 『神剣』セレスティアがエリゴスの手に当たる。光属性が弱点であるエリゴスにはダメージが入ると思ったが……


「おっと。さすがにそれには触れられないな。こうしないと」


 悪魔の力で剣を作り出し、受け止めた。さらに、左手からエネルギー弾を放ち、攻撃する。咄嗟に後ろに飛び、避けたアッシュ。

 再び剣を構え、《超加速》で接近する。

 そして、『剣聖』の一撃が『悪魔』の左腕を切り落とした。

 

「――っ! やっぱりその速度が面倒だよなぁ。足が早い訳じゃなくて、動く時間を早めてるんだから対応ができねえ」


 愚痴を呟きつつも、四方八方を回って斬撃を入れてくるアッシュの攻撃を止められない。

 ――もう、これに対処するのは諦めた。


「っ!? 『神剣』が……」

 

 エリゴスが紫のエネルギーを右腕に溜め、地面を叩いた。刹那、アッシュの動きは遅くなり、光の『神剣』セレスティアが手からすっぱ抜けてしまったのだ。


 剣が手元から無くなり、無防備になる『剣聖』。そんな絶好のチャンスを、『悪魔』はニヤリと笑って待っていた。


「終わりだ」


 悪魔の力を最大限放出し、アッシュの腹に一撃を入れ、遠くに吹き飛ばす。


 ――そして、この国最強の剣士である『剣聖』は、『悪魔』に二度敗北した。

読んでいただきありがとうございます!

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